3600万年前のクジラ化石、ペルーの砂漠で発見 (original) (raw)

2022年3月26日 10:00 発信地:リマ/ペルー [ペルー 中南米 ]

【3月26日 AFP】3600万年前の海に生息していた古代のクジラの化石が今月、南米ペルーの首都リマの博物館で公開された。

ペルー国立サンマルコス大学(UNMSM)などの研究チームによると、この初期クジラ類「バシロサウルス」の新たな化石は昨年末、リマ南方約350キロのイカ(Ica)州にあるオクカヘ砂漠([Ocucaje Desert](/search?fulltext=Ocucaje Desert&category%5B%5D=AFPBB>記事&category%5B%5D=ワールドカップ&category%5B%5D=五輪))で発見された頭骨で、完全な形で残っていた。荒涼としたこの一帯は数千万年前、浅い海だった。

研究者の間でこのバシロサウルスは「オクカヘのプレデター(捕食者)」と呼ばれている。全長約17メートルで、非常に大きく強力な歯で獲物を捕らえていた。

チームを率いる古生物学者のマリオ・ウルビナ([Mario Urbina](/search?fulltext=Mario Urbina&category%5B%5D=AFPBB>記事&category%5B%5D=ワールドカップ&category%5B%5D=五輪))氏は「同様の標本は世界で他に見つかっていないため、今回の発見は非常に重要だ」と話す。

研究者の一人によると、このバシロサウルスは既知の他の古代クジラ類と比較して、体の大きさと歯の発達という2点が際立っている。この2点はどちらも食物連鎖の頂点に立っていた可能性が高いことを示している。「当時最大級の肉食動物だった」という。

バシロサウルスのような初期のクジラ類は、約5500万年前に陸生動物から進化し、始新世(約5600万年前~3400万年前)後期には海洋生活に完全に適応していた。

研究チームによれば現生クジラ類は当時まだ進化しておらず、クジラ類はほぼ全てが比較的巨大な海洋捕食動物だった。(c)AFP/Carlos MANDUJANO