「虫の知らせ」を深掘りリサーチ!虫の慣用句やその語源・由来、意味や用例などまとめてレポート (original) (raw)

今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「虫の知らせ」です。

虫の知らせ」の意味や由来・語源、用例などを深掘りリサーチし、以下の目次に沿ってレポートしていきます。

「虫」を使った慣用句の由来と意味について

「腹の虫」「肝の虫」「虫の知らせ」「虫の居所が悪い」「虫が好かない」など、「虫」を使った慣用句は、どれも具体的な虫を指しているわけではなく、比喩的に人間の感情や状態を表しています。

これらの慣用句に共通する「虫」の由来は、大きく分けて以下の2つの考え方があります。

1. 道教の影響

「虫の知らせ」:

中国の道教では、人間の体内に「三尸」という虫が宿り、悪事を働かせたり、天に報告したりすると考えられていました。

この「三尸」が、予感や悪い知らせを伝える存在として捉えられ、「虫の知らせ」という言葉につながったと考えられています。

「肝の虫」:

肝臓は、東洋医学で感情を司る臓器とされていました。肝臓に虫が食い込んでいるように、執着心やこだわりが強い状態を表しています。

2. 人間の体の比喩

「腹の虫」「虫の居所が悪い」:

腹は、感情を表す象徴的な場所として捉えられてきました。腹に虫がわいているように、イライラしたり、不快な状態を表しています。

「虫が好かない」:

虫を不快に感じる感覚を、人に対しての嫌悪感や反感に結びつけています。

それぞれの慣用句の意味と由来を詳しく見ていきましょう。

これらの慣用句に共通しているのは、

道教の影響と真っ先に説明された「虫の知らせ」について、より深掘りリサーチしてみました。

「虫の知らせ」とは?どんな虫のことなの?

虫の知らせについて詳しく解説します

「虫の知らせ」の由来と起源

「虫の知らせ」という言葉は、古くから人々の間で親しまれてきた表現ですが、その起源は明確にはわかっていません。しかし、一般的な説としては、以下の2つが挙げられます。

『針聞書』虫の知らせ虫フィギュア‐ソリの肝虫‐

「虫の知らせ」の意味

「虫の知らせ」は、一般的に「悪いことが起こりそうな予感」という意味で使われます。

しかし、必ずしも悪いこととは限らず、「何か特別なことが起こりそう」というような、漠然とした予感を指す場合もあります。

「虫の知らせ」の用例

「虫の知らせ」の類語

その他

「虫の知らせ」を感じた時、それは単なる気のせいかもしれませんし、何か意味のあるサインなのかもしれません。

「三尸(さんし)」や「三虫(さんちゅう)」と呼ばれる虫とは?

「三尸(さんし)」や「三虫(さんちゅう)」は、中国の道教に由来する概念で、人間の体内に宿ると考えられていた虫のことです。

これらの虫は、単なる虫ではなく、人の行いを監視し、悪事を働かせたり、天に報告したりすると信じられていました。

三尸(さんし)とは?

三尸は、主に以下の3種類に分けられます。

庚申(こうしん)の夜、人が眠っている間に、これらの虫は体から抜け出し、天帝にその人の悪行を報告すると考えられていました。

天帝は、報告された悪行の量に応じて、その人の寿命を削ると言われています。

三虫(さんちゅう)とは?

三虫は、三尸とほぼ同義で用いられることが多く、具体的な違いはあまり明確ではありません。

しかし、三虫は、三尸よりも広義に、体内に宿る様々な悪しきものの総称として用いられる場合もあるようです。

三尸・三虫の役割

三尸・三虫信仰の背景

三尸・三虫の信仰は、人間の罪悪感や死に対する恐怖心、そして健康への願いといった、普遍的な人間の感情と深く結びついています。

人々は、これらの虫を恐れることで、善行を励まし、不摂生を戒めるようにしました。

庚申信仰との関係

三尸・三虫の信仰は、庚申信仰と密接な関係があります。

庚申信仰とは、庚申の夜に不眠を続け、三尸が天に昇って悪事を報告することを防ごうとする信仰です。

庚申の夜には、親戚や友人が集まって夜通し語り合ったり、飲食をしたりすることで、眠気を紛らわせ、三尸の活動を妨げようとしたのです。

三尸・三虫は、道教における象徴的な存在であり、人間の心の闇や欲望を象徴していると考えられます。

これらの信仰は、現代においても、人々の心に根強く残るものとして、様々な形で受け継がれています。

虫の知らせを英語で!

「虫の知らせ」を英語で表現する際には、状況やニュアンスによって様々な言い方ができます。

一般的な表現

premonition

直訳すると「予感」ですが、「虫の知らせ」というニュアンスを最もよく表す言葉です。

例:I had a premonition that something bad was going to happen.(何か悪いことが起こる予感がしていた。)

hunch

直感、勘という意味で、「虫の知らせ」に近いニュアンスで使えます。

例:I had a hunch that he was lying.(彼は嘘をついているという直感がした。)

sixth sense

第六感という意味で、「虫の知らせ」をより神秘的な印象で表現したい場合に適しています。

例:My sixth sense told me to stay home.(第六感が家にいるように言っていた。)

より具体的な表現

a feeling in one's bones

直訳すると「骨の奥底からの感覚」で、確信や予感があることを強調する表現です。

例:I had a feeling in my bones that she was right.(彼女が正しいという確信があった。)

a foreboding

不吉な予感、悪い予感という意味で、「虫の知らせ」の中でも特に悪いことが起こりそうな予感を表現したい場合に使えます。

例:I had a foreboding about the trip.(その旅行について不吉な予感がしていた。)

状況に合わせた言い換え

「虫の知らせがあった」という表現は、以下のように言い換えることができます。

I had a feeling that something was up.(何かが起こりそうな気がした。)
I had a sense that something wasn't right.(何かがおかしいと感じた。)

例文

I canceled the trip because I had a premonition of danger.(危険な予感がしたので、旅行をキャンセルした。)

She followed her hunch and invested in the company.(彼女は直感を信じて、その会社に投資した。)

He had a sixth sense about people and could always tell when someone was lying.(彼は人を見る目が鋭く、誰かが嘘をついているときにはいつも気づいていた。)

どの表現を選ぶかは、状況や伝えたいニュアンスによって異なります。

「虫の知らせ」は、日本特有の文化的な表現であり、直訳が難しい場合があります。
英語で「虫の知らせ」を完璧に伝えることは難しいかもしれませんが、上記の表現を使えば、ある程度ニュアンスを伝えることができます。

まとめ

「虫」を使った慣用句は、どれも具体的な虫を指しているわけではなく、人間の感情や状態を比喩的に表現するための言葉です。これらの慣用句は、東洋の思想や文化の影響を受け、長い歴史の中で人々の間で定着してきました。

『針聞書』虫の知らせ虫フィギュア‐馬癇‐

「虫の知らせ」は、古くから人々が抱いてきた、漠然とした不安や予感に対する表現です。科学的な根拠はありませんが、日常会話の中で、自分の気持ちを表現する上で便利な言葉として使われています。

「虫の知らせ」の由来のひとつとされる道教の影響説では、道教における象徴的な存在である「三尸・三虫」と呼ばれる体の中の虫が、予感や悪い知らせるとのことです。

興味深いですよ!「虫の慣用句」「虫の知らせ」。