安倍派の柴山昌彦氏、不記載896万円 「派閥の指示、私は不本意」 (original) (raw)

有料記事

山田暢史 西田有里 深津慶造 佐藤純 稲垣直人2024年2月2日 11時11分

自民党最大派閥の清和政策研究会(安倍派)の政治資金パーティーをめぐる問題で、党埼玉県連会長の柴山昌彦衆院議員=8区=は1日、2018年から5年間で、パーティー券の販売ノルマを超えた売上金について、派閥から還流を受けたり派閥に納めなかったりした計896万円を、政治資金収支報告書に記載していなかったと明らかにした。県関連ではほか3人の所属衆院議員についても不記載が判明しており、県民の不信感が募っている。(山田暢史、西田有里、深津慶造、佐藤純、稲垣直人)

柴山氏は県庁で開いた会見で「誠に申し訳なく、国民の皆様に心からおわび申し上げます」と謝罪した。

代表を務める「自由民主党埼玉県第八選挙区支部」の20~22年分の収支報告書に、派閥からの「寄付」として計556万円を追記する訂正を県選挙管理委員会に届け出たという。また、18年と19年に不記載だった340万円を「繰越額」に加えた。

記載しなかった理由については「私は極めて不本意だった」とした上で、13年までは記載していたが、14年ごろに派閥から「今後は収支報告書に計上しない」「貴事務所でも同様の対応を取って欲しい」と指示されたと述べた。当時、法的に問題がないかどうかなどを尋ねたが、派閥から「問題ない処理をしている」と回答があったという。

また、14年以降は秘書の判断で「預かり金」として事務所で保管し、手をつけていなかったと説明。詳細な金額などは、検察の捜査を受けて初めて把握したという。事務所によると、14~17年の不記載額は「資料がなく不明」だという。

今後の進退については、「自ら身を処しけじめをつけるべきだという思いは強い」とし、県連会長から退く考えがあると明かした。一方で、小谷野五雄・県連幹事長に「県連で事後の対応を考えたい」と言われたといい、「県連の協議を待ちたい」と話した。

離党や次期衆院選の公認については「県連の処分を確定させることが最初。それ以上のことは考えていない」と述べた。(山田暢史、西田有里)

◇…

この記事は有料記事です。残り1428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人

山田暢史

東京社会部|メディア担当

専門・関心分野

農林水産業、食、武道、災害

政治資金問題