枯松神社 (original) (raw)

黒崎教会の南側の丘にある、キリスト教の日本人伝道師バスチャンの師、サン・ジワン神父を祀った国内に3ヶ所しかないキリシタン神社。「かくれキリシタンの聖地」とされ「枯松さん」と呼ばれています。神父は潜伏時代、枯松山にある岩屋に隠れ住み、亡きがらは神社が建つ場所に埋葬されました。神社周辺には、板石を伏せて置くキリシタン墓が残っています。

ほこらの手前には「祈りの岩」と名付けられた大きな岩があります。1641年に禁教令が出されると、キリスト教信者への取り締まりはさらに厳しくなりましたが、潜伏キリシタンたちは信仰を保ち続け、年に1度だけ、復活祭前の「悲しみ節(四句節)」の夜に祈りの岩に密かに集まり、寒さに耐えながら、キリシタン達の祈りの言葉であるオラショを唱え伝承したのでした。

明治に入ってから、信徒たちは神父の墓の上に神社を建立し、信仰の対象として神父に祈りを捧げました。当時のカトリック信徒やその子孫は、表向きは仏教徒や神道として振る舞うことを余儀なくされていたため神社としてカムフラージュしたのです。

2000年以降はサン・ジワンとその信仰を守り続けた祖先たちの霊を慰める「枯松神社祭」が行われ、オラショ奉納などが行われています。