物議を醸したクルマの最終評価 40選 前編 「名車」か「迷車」、結局どっち? (original) (raw)

意見の分かれるクルマ 最終評価は?

「意見」というものは、誰にでもあるものだ。また、同じ物事について、誰もが同意することはほとんどないというのも事実である。例えば、どんなクルマにも、支持する人と批判する人がいる。

それを踏まえた上で(あるいは意図的に無視して)、筆者は40台のクルマをピックアップし、それぞれ「名車(Legend)」なのか「迷車(Lemon)」なのか、個人的な見解を述べてみた。どうしても決められない場合は、「預かり(Tie)」とした。

賛否両論あるクルマに対し、筆者なりの結論を出したい。個人的な見解なのであしからず……。

賛否両論あるクルマに対し、筆者なりの結論を出したい。個人的な見解なのであしからず……。

もちろん、筆者個人の意見は大して重要ではないので、読者の皆さんと食い違っても、友達のままでいられる。

AMCペーサー

美点:設計が巧妙で、特に安全性に関しては、1970年代の米国車としてはよく考えられている。背が低いコンパクトカーだが、米国人に窮屈な思いをさせないために、幅が広くなっている。さらに、窓がとても大きかったので視界が良く、駐車もしやすい。

難点:運転している分には問題ないが、その大きさから、当時としてはとても奇異に見えてしまった。しかも、ガラスをふんだんに使っているため、重量もかさんでいる。米国以外の市場でもあまり歓迎されず、自動車ジャーナリストからは「走りがひどい」と言われるのが常だった。そして、小型であるにもかかわらず驚くほど燃費が悪い。

AMCペーサー

AMCペーサー

最終的な評価:迷車

アストン マーティンシグネット

美点:アストン マーティンは、企業全体の平均燃費とCO2排出量を削減するために、トヨタiQを手直しし、高級車の要素を加えてシグネットを作った。ここまでは良かった。トヨタにとってiQは成功作とは言えないかもしれないが、都市向けの小型車としては申し分のないものだった。

難点:シグネットの問題は、2011年の発売当時、ベース価格が3万995ポンド(2023年の貨幣価値で約4万8000ポンド、約800万円)もしたこと。年間4000台を販売するという話もあったが、結局、アストン マーティンのエンブレムを付けた小型車にこれほどの大金をかける人は数百人しかいなかった。しかし、その希少性から今でもかなりの価値がある。

アストン マーティン・シグネット

アストン マーティン・シグネット

最終評価:迷車

オースチン・アレグロ

美点:アレグロは、当時としては重要なクルマであった。前輪駆動(ブリティッシュ・レイランドではすでにおなじみだったが、1970年代前半の欧州車では珍しい)、ハイドラガス・サスペンションを初めて採用したモデルである。

難点:ハリス・マン氏(1938年生まれ)のデザインは、車高が低く、スマートで洗練されている。しかし、ブリティッシュ・レイランドはこれに背の高いEシリーズ・エンジンを搭載することにした。その結果、アレグロは野暮ったく見えてしまったのだ。また、1100/1300の後継車であり、ハッチバックでもないため(本来はそうあるべき)、メディアからは批判的な意見もあった。2度の大型改良にもかかわらず、売れ行きは芳しくなかった。

オースチン・アレグロ

オースチン・アレグロ

最終評価:迷車

画像 賛否両論、意見の分かれるクルマたち【シグネットやミニ、デロリアン、フィアット・ムルティプラなどを写真で見る】 全95枚