【ミャンマー総選挙】スー・チー氏の野党NLDが圧勝 - BBCニュース (original) (raw)

NLD leader Aung San Suu Kyi (9 Nov 2015)

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画像説明, 憲法の規定のため大統領にはなれないが、自らミャンマーを導くとスー・チー氏(9日)

2015年11月13日

ミャンマー総選挙の選挙管理委員会は13日、アウン・サン・スー・チー氏が率いる野党・国民民主連盟(NLD)が圧勝したと明らかにした。改選議席の80%以上が確定し、NLDは国会(定数664、軍人枠166、民選枠498)の過半数を確保した。NLDは大統領指名権も獲得したため、ミャンマーを軍政や軍部の後押しを受けた政府の長年の支配がこれで終わることになる。

選管によるとNLDは13日正午の時点で、上下両院で348議席を獲得し、過半数を達成した。NLDが安定多数を獲得し大統領指名権を得るには、少なくとも改選議席の3分の2にあたる329議席が必要だったが、これも達成した。

ただし軍人枠の166議席は残るため、軍部は今後も影響力を持つとみられる。

ミャンマーの現行憲法は外国人の子供を持つ人の大統領就任を認めていないため、英国人の夫との間に息子2人のいるスー・チー氏はただちに大統領になれない。しかしスー・チー氏は、自分は大統領の上の存在となり国を率いると表明してきた。

最終結果の確定にはさらに数日かかる見通しで、新大統領の任命作業が始まるのは国会が再開される来年1月以降となる。

テインセイン大統領と軍部首脳はすでに、選挙結果を尊重し新政権に協力すると表明している。軍系の与党・連邦団結発展党(USDP)の獲得議席は改選対象の5%に留まっている。

ミャンマーの総選挙は2011年の民政移管後初で、有権者は約3000万人。推定の投票率は約80%とみられている。

NLDをはじめ多くの政党がイスラム教徒の候補者を立てなかったことから、少数民族ロヒンギャなどイスラム教徒への支援が不十分だとスー・チー氏を批判する声もある。