香港の独立派議員は資格無効 中国・全人代が法解釈示す - BBCニュース (original) (raw)

香港の独立派議員は資格無効 中国・全人代が法解釈示す

游蕙禎氏(写真左)と梁頌恒氏は中国への忠誠を誓う文言を拒否した

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2016年11月7日

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会は7日、香港で9月に実施された立法会選挙で当選した「本土派」と呼ばれる香港独立志向の強い議員2人について、規定に沿った就任宣誓を行わなかったため資格を失った、との法解釈を示した。

本土派の政党「青年新政」の2議員、梁頌恒氏と游蕙禎氏は就任宣誓の際に、中国に忠誠を誓う文言を拒否していた。

香港の立法会では数週間にわたって混乱が続いており、6日夜には、市内で開かれた抗議デモの参加者が警察ともみ合い、少なくとも4人が逮捕されている。

香港警察は6日の抗議デモに対しトウガラシスプレーを使用した

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香港政府トップの梁振英行政長官は、全人代の判断を「完全に履行する」と述べていた。

挑発的な宣誓

中国指導部の意向に従う全人代の判断は、香港が英国から中国に返還された1997年以降、最も大幅な香港自治への介入となった。

中国の対応は香港法で認められた権限の枠内だが、多くの香港住民は中国が恣意的な施政をしていると非難している。

香港で取材するBBCのヘリア・チャン記者は、今回の判断は香港の独立を支持する市民をさらに刺激し、抗議活動がさらに続く可能性があると指摘した。

「香港は中国ではない」と書かれた垂れ幕を広げる游蕙禎氏(先月12日)

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梁、游両氏は2014年に香港の民主化を訴えた「雨傘運動」から生まれた新政党「青年新政」に所属し、香港の中国からの完全な独立を主張している。

梁、游両氏はこれまで何度も宣誓しようとしたが、毎回規定の文言を変えるなどして挑発。中国に対する侮辱的な意味を持つ言葉を使ったり、独立を主張する垂れ幕を掲げる場面もあった。

議員らの抗議で混乱するなか、立法会は両氏の宣誓を無効化した。

香港の憲法に相当する香港基本法について全人代は、宣誓は「真摯にかつ厳粛に行われなくてはならない」と解釈を示した。また、中国への忠誠を述べる部分を「正確かつ完全、厳粛に」読み上げられなくてはならないとした。規定が守られない場合には議員資格は失効する。

中国国営の新華社通信は、全人代の広報官の発言として、今回示された解釈は「絶対に必要だ」とし、香港の憲法の権威と法の支配を「守るもの」だと伝えた。

広報官はさらに、「香港の同胞を含む、中国国民全体の願いに沿うものだ」と語ったという。