UAEなどで暴風雨、ドバイ空港が冠水 「過去75年で最大」の降水量で死者も - BBCニュース (original) (raw)

大雨で冠水した道路(16日、ドバイ)

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2024年4月18日

アラブ首長国連邦(UAE)とオマーンが16日、暴風雨に見舞われ、死者が出た。鉄砲水が発生したほか、世界で2番目に利用者の多いドバイ国際空港でフライトの欠航や遅れが相次ぐなど混乱が生じた。

ドバイ国際空港の関係者は、「非常に厳しい状況」に直面していると説明。一帯が浸水しているため空港に向かわないよう利用予定者らに呼びかけた。

ドバイでは死者は報告されていないが、UAE北部のラスアルハイマでは男性1人が、乗っていた車が鉄砲水に巻き込まれて死亡した。

隣国オマーンの町サハムでは、救助隊が少女1人の遺体を発見した。同国では14日からの大雨で多くの死者が出ており、これで19人となった。

当局は今後さらなる雷雨や大雨、強風が予想されると警鐘を鳴らした。また、多くの低地がいまも水没したままだとした。

UAEは16日、75年前の記録開始以来最大の降雨に見舞われた。

UAEの年間平均雨量は140~200ミリ。ドバイの年間平均雨量はわずか97ミリで、4月の平均雨量は8ミリ。

ドバイ中心部を捉えた映像では、シェイク・ザーイド・ロードの一部が浸水し、数十台の車両が水没しているのがわかる。12車線ある高速道路で渋滞も起きている。

UAEの国家緊急危機災害管理局は、市民に対し、暴風雨に見舞われる前に自宅にとどまるよう警告していた。政府もまた、職員に在宅勤務を指示し、私立学校には遠隔授業に切り替えるよう勧告していた。

空の便に大きな影響

飛行機経路を示すウェブサイト「フライト・アウェア」の、グリニッジ標準時17日午後21時(日本時間18日午前6時)時点のデータによると、ドバイ国際空港を発着する約290便が欠航し、440便に遅延が生じた。

空港側は復旧には「しばらく時間がかかる」とし、航空会社からの確認なしにターミナル1へ移動したり、空港に向かったりしないよう求めている。

誘導路などが浸水したドバイ国際空港

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雨は16日夕には弱まったが、ドバイ国際空港はさらなる混乱が起きる可能性があると警告している。

16日朝からほぼ一日続いた荒天により、空港は25分間の運航停止や、複数の到着便の行き先変更、多数の到着便と出発便のキャンセルを余儀なくされた。

ソーシャルメディアに投稿された複数の動画には、浸水した誘導路などを移動する航空機が映っている。

ドバイ国際空港は、「現在、天候の影響で大きな混乱に見舞われている。緊急対応チームやサービス・パートナーと協力し、可能な限り早期に通常業務を再開できるよう、取り組みを継続している」とソーシャルメディアに投稿した。

同空港のポール・グリフィス最高経営責任者(CEO)は地元ラジオ局ドバイ・アイに対し、「記憶にある限り、誰もこのような状況に直面したことがないと思う」と述べた。

動画説明, 滑走路が一面水浸し、ドバイなどで記録的大雨 車も猫も動けず

「完全な混乱状態」

ドバイ国際空港で12時間足止めされているというイギリス人の夫婦は、「空港内のシステムが完全に崩壊している」と述べ、次のように話した。

「エミレーツ航空は最も素晴らしい航空会社の一つだと私は思っているが、スタッフがいないし、情報も、調整も、プロフェッショナリズムも、ケアもなく、エミレーツ航空には災害計画がない。大企業は通常、こうした出来事を想定した計画を立てているはずなのに、おかしな話だ」

「完全な混乱状態だ」

「みんなラウンジや床の上で寝ていて、食べ物の容器がそこらじゅうにある。本当に不潔な体験だ」

BBCニュースはエミレーツ航空にコメントを求めている。

ドバイ国際空港のチェックインカウンターにできた行列

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「乗客が叫んでいた」

夫と子供3人と一緒にドバイ国際空港から英ヒースロー国際空港に向かおうとしていた女性は、「今朝8時以降、エミレーツ航空の誰とも話をしていない」と語った。

「乗客たちは乗り継ぎデスクで叫んだり、騒いだりしていた。スタッフを1人もみかけなかった」

「まるで動物のように押し込められるなんて、ぞっとする。危険だし、非人間的な扱いだ」と女性は付け加えた。「まったくばかげている」。

女性によると、一家は昼食時から何も食べておらず、提供されたのは「小さな水のパック」だけだという。

BBCはドバイの別の空港、ドバイ・ワールド・セントラル国際空港に行き先変更させられた複数の乗客からも連絡を受けた。彼らもまた、適切な食事や水が不足しているなど、同様の状況を口にした。

混雑するドバイ国際空港

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湾岸諸国の被害

オマーンでは1400人以上がシェルターに身を寄せている。学校や政府機関は万一に備えて閉鎖されている。

首都マスカットの南約115キロに位置するシャルキヤ県アル・ムダイビ地区では14日、バスが洪水に飲まれ、10歳から15歳の子供10人と大人1人が死亡した。運転手と子供3人は救助された。うち2人は600メートル流された後に空輸されたと報じられた。

BBCのマット・テイラー気象予報士は、今回の嵐は事前に予測されていたものだったと指摘した。

「激しい気象現象になるとすでに予測されていた。コンピューターモデルでは、24時間以内に1年分以上の雨が降ると予測されていた」

大雨はサウジアラビアとバーレーンも襲った。複数動画では冠水した道路で立ち往生する車両がいくつか確認できる。