サンフランシスコ連銀総裁、経済成長を守るため警戒維持する必要 (original) (raw)

サンフランシスコ連銀総裁、経済成長を守るため警戒維持する必要

2024年10月16日 2:13 JST 更新日時 2024年10月16日 6:00 JST

米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は15日、インフレが鈍化し労働市場が減速する中、米金融当局は警戒姿勢を維持しなければならないと述べた。同時に、当局は現在の景気拡大を維持できるとの楽観的な見方も示した。

同総裁は労働市場が力強いことから労働人口が増え、収入格差が縮小しており、労働者はそうした状況から恩恵を受けていると指摘した。

Key Speakers At NABE Economic Policy Conference

デーリー総裁

Photographer: Graeme Sloan/Bloomberg

ニューヨーク大学スターン経営大学院が主催したイベントで、「働き盛りの労働参加率は過去最高を更新した」などとし、「最近の流れと比較すると、現在の景気拡大は依然として比較的早い段階にある」と述べた。

デーリー総裁は、労働市場は新型コロナ禍前の水準に近づき、大きなインフレ圧力の要因ではもはやなくなったとの認識を示した。また、米金融当局の二大責務であるインフレ・雇用目標の均衡は取れているとし、当局は労働市場の強さを維持し、インフレ率を目標の2%に引き下げるための取り組みを続けなければならないと話した。

「われわれは警戒姿勢を維持し、意図的に行動する必要がある。経済を継続的に分析し、二大責務の両方を均衡させなければならない」と語った。

先月の利下げについては、インフレが落ち着いてきたため政策を「再調整」したものであり、金利は依然として景気抑制的だと強調した。

講演後の質疑応答で総裁は、中立金利が上昇している可能性をあらためて指摘。その上で、現在の金利は長期的に落ち着き得る水準からはなお「距離がある」との見解を示した。

総裁は政策金利をどの程度の速さで引き下げ可能かを見極めるためデータを注視していくと述べた上で、年内にあと1回か2回の追加利下げが行われる可能性が高いとの認識をあらためて示した。

その後、総裁は記者団に対し、消費支出の伸びが鈍化する中で企業は消費者に対して値上げが難しくなっているとサンフランシスコ連銀に伝えていると指摘。「企業は成長を目指しているが、値上げに目を向けているわけではない」と述べた。

原題:Fed’s Daly Says Officials Must Stay Vigilant to Guard Growth (1)(抜粋)

(総裁発言を追加して更新します)