生物圏資源科学専攻 | 筑波大学生物資源学類・生物資源科学関連学位プログラム (original) (raw)
生物圏資源科学専攻
概要
本専攻は農学・生物学・環境科学分野の深い専門知識と技術を習得し、人類社会の持続的発展に貢献する高度な専門的・総合的能力を有する人材を養成することを目標としています。本専攻は生物資源生産学と生物圏環境学の2領域にまたがる21の研究分野で構成されます。本専攻に所属する学生は、いずれか一つの研究分野を選び、その分野の講義、演習、特別研究を必修科目として履修するほか、複数指導教員制による個別指導の下に他の分野や他専攻の講義を選択履修します。本専攻では、このような学際性と専門多重性に配慮したカリキュラム編成によって、生物資源の利用と保全、ならびに生物圏環境の管理と創成に関わる高度な専門知識と実践力を兼ね備えた研究者の養成を目指しています。
生物資源生産学領域
本領域には、植物育種学、作物生産学、蔬菜・花卉学、果樹生産利用学、動物資源生産学、作物生産システム学、植物遺伝情報解析学、代謝ネットワーク科学、媒介動物制御学及びエピジェネティクスの10分野と、連携大学院方式による専門分野として植物環境応答学分野と国際食料生産開発学の2分野があり、人類の生存に必要不可欠な生物資源の生理機能・生態・遺伝的制御の解明とその持続的な利用などに関わる教育と研究指導を行っています。
生物圏環境学領域
本領域には、植物寄生菌学、応用動物昆虫学、土壌環境化学、植物環境生化学、森林生態環境学及び地域資源保全学の6分野と、連携大学院方式による専門分野として、生産昆虫機能利用学、森林微生物機能解析学、植生・気候変動影響学の3分野があり、生物圏環境の持続的な制御・管理手法の開発および森林生態環境の持続的保全などに関わる教育と研究指導を行っています。
専攻長あいさつ
世界で活躍する研究者に!
生物圏資源科学専攻は、人類の生存に不可欠な生物資源の生理・生態・遺伝機能の解明とその持続的な利用に関わる生物資源生産学領域12分野と、水・土・緑を構成要素とする生物環境の総合的な解析、生物圏環境の持続的な制御・管理手法の開発などに関わる生物圏環境学領域9分野で構成されています。さらに、我が国の戦略的な食糧安全保障計画を企画立案し、実行することを目的として設置された研究教育拠点フードセキュリティリサーチユニットの中核を担っています。
本専攻の特徴は「多様性」にあります。畑から森林、生物群集から個体、そして遺伝子というように様々な「農」に関わる研究分野で構成されています。その多様性のなかで、創造性豊かな優れた研究・開発能力を持ち、産業界や行政など多様な研究・教育機関の中核を担う研究者や、確かな教育 能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成を行う課程としての役割を担うことを目指しています。グローバル化への対応も進めますが、大学が目指すグローバル化というビジョンと本専攻の多くの教員が研究フィールドとするアジアなどのローカルな現実に根ざした国際化を結びつける教育・研究を進めていきたいと思います。
博士課程修了者の進路先として、企業,ジャーナリズム,行政機関,国際機関といった社会の多様な場を想定した教育内容・方法を進めたいと思います。一方、 社会で活躍されている社会人の方々に、企業・官庁等に籍をおきながらこれまでの実績・経験を生かしつつ、産学協同の体制のもとに研究をまとめ、 博士号の学位取得を目指せる社会人大学院生の受け入れを積極的に進めていきたいと考えています。
多様な「農」に関わる世界で活躍を目指す皆さん、学生も社会人も含めて是非本専攻で自らを鍛え、想像力豊かな研究者として、世界にはばたいてみませんか。
研究分野
生物資源生産学領域
植物遺伝資源の多様性解析とその保全・利用に関する研究
分子マーカーを利用した重要形質の遺伝解析・育種技術開発
効率的採種技術の確立のための受粉生物学的研究
情報技術を活用した表現型測定の高度化
作物の収量・品質制御のための生理生態的特性に関する研究
作物の環境適応性に関する研究
蔬菜・花卉の重要形質に関連した遺伝子機能の解明
蔬菜・花卉の新規形質転換技術開発と形質転換体を活用した高品質化の研究
蔬菜・花卉の高付加価値化・高収量化に関する研究
果樹の環境制御と栽培生理に関する研究
果樹の花成及び果実の貯蔵生理に関する研究
果樹の繁殖・系統分化に関する研究
家畜・家禽の環境適応生理と生産機能に関する研究
家畜・家禽の育種・繁殖学的研究
動物遺伝資源の特性評価と高度利用に関する研究
持続可能な生物生産システムの構築と評価に関する研究
作物生産技術の高度化と安定化に関する研究
重要農業形質に関わるエピゲノム制御機構の解明
受粉受精に関わるエピゲノム制御機構の解明
エピゲノム制御による作物の生長制御技術開発
実用作物における重要農業形質の遺伝解析
代謝物の量的・質的変化を捉えるための測定法の開発
オミックスデータを用いた代謝ネットワーク解析
マダニおよび節足動物の生殖を制御するホルモンや栄養の研究
マダニおよび節足動物の免疫反応とそれを制御する機構
免疫や栄養機構がマダニの媒介能力に与える影響
FLCクロマチンにおけるプロモーター領域とポリコーム応答シス因子の決定
シロイヌナズナにおけるポリコーム応答因子の機能解明
VIN3 遺伝子における二つのタイプのエピゲノムメモリーの機構解明
高等植物におけるストレス耐性の分子遺伝学的解明
不良環境耐性作物の開発
機械収穫適応ササゲ品種の育成に向けた育種素材の形態・生理学的特徴の評価および利用
熱帯食料資源作物ヤムの塊茎肥大に関する生理学的研究
生物圏環境学領域
植物に寄生または共生する菌類(さび菌類、青変菌類、内生菌類、菌根菌類など)の系統分類
植物に寄生または共生する菌類の生態、生理に関する研究
植物の病害抵抗性に関する遺伝子機能の解明
昆虫制御剤の作用機構に関する研究
害虫の化学・生物的防除法に関する研究
昆虫の行動・生理制御機構に関する化学・行動生態的研究
森林土壌の環境化学的研究
土壌有機物の土壌生態学的研究
ユーラシアステップの土壌保全
内生菌の関与した、植物における重金属ストレス耐性機構
内生菌の関与した、植物における環境ストレス耐性機構
内生菌の関与した、植物における放射性セシウム蓄積機構
森林生態系の維持機構と機能に関する研究
植生とその管理に関する研究
半乾燥地の植生と復元に関する研究
希少生物の保全に関する研究
森林における遺伝子レベルの生物多様性の解析
森林植物の系統進化と遺伝的多様性の創出・維持機構に関する研究
地域資源の利用と保全に関する研究
養蜂業高度化のためのミツバチ健全性向上に関する研究
ミツバチの遺伝的改良に関する研究
授粉用昆虫の特性評価と高度利用に関する研究
樹木の腐朽病害発生機構および腐朽菌の生態、生理に関する研究
森林管理が材生息性菌類に及ぼす影響に関する研究
木材腐朽菌の系統分類に関する研究
気候変動が森林生態系機能や生態系サービスに与える影響の評価や適応策に関する研究
森林植生の広域分布と気候との対応関係に関する研究
天然分布北限地帯のブナの生態に関する研究
カリキュラム・シラバス
本専攻に3年以上在学し、部局細則等に規定する修了の要件として必要な授業科目を履修し、その単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受け、博士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格した学生について、その修了を認定します。なお、優れた研究業績を上げた者は、修了に必要な在学期間を短縮することが可能です(早期修了)。
・取得できる学位:博士(農学)、博士(学術)
・シラバス
本専攻の開設科目・シラバスは筑波大学教育課程編成支援システム(KdB) により公開されています。
教育課程編成支援システム(KdB)は本学で開講される授業科目の情報を管理・公表するデータベースです。Webブラウザを起動してhttps://kdb.tsukuba.ac.jpにアクセスしてください。アクセスするだけでは科目は何も表示されません。検索条件を指定し、[検索]ボタンをクリックすることで、該当する科目が表示されます。指定できる検索条件は、年度(指定必須)、学期、時限、教室、要件(選択した科目のまとまりに属する科目が表示されます)などです。上記検索条件を指定して検索ボタンをクリックすると、全ての条件を満たす科目が表示されます。また、キーワードによる検索も可能です。なお、画面上部のメニュー領域にログイン用ユーザーIDとパスワード入力欄が配置されていますが、学生及び一般の方はログインできません。
上図の[要件]プルダウンメニューをクリックし、「大学院便覧」の右側にある「▶」ボタンをクリックしてください。次に、「生命環境科学研究科」の右側にある「▶」ボタンをクリックし、一覧の中から「生物圏資源科学専攻」を選択してください。最後に、[要件]プルダウンメニューに「生物圏資源科学専攻」が表示されていることを確認し、[検索]ボタンをクリックしてください。