哲学としての仏教を勉強したい【おすすめ本紹介・入門書まとめ】読書記録 (original) (raw)

記事の内容

私は仏教哲学に関心がある。

世界はどうなっているのか。

この私はどうなっているのか。

それらを徹底的に探求した極めて面白い知恵が仏教には詰まっている。

・宗教的=信仰的側面

・哲学=理屈

・悟りとは何か

・西洋論理とは異なる知恵

・瞑想という実践

仏教は宗教だ。よって、上記のような色々な側面がある。そのなかでも、私がとくに惹かれたのは、哲学=理屈の側面だ。

私は科学や数学が大好きな理系寄りな人間だが、仏教哲学の面白さにハマっている。なぜなら、仏教哲学は、最新の人類の叡智と両立する側面もあるからだ。

とくに衝撃を受けたのが、「空」の思想だ。この境地が腑に落ちた時の認識の変容、それは素晴らしい体験だった。現代の量子論がたどり着いた景色との共通点も面白い。

物理学や脳科学が好きな人ほど、仏教にハマるかもしれない。

この記事では、哲学としての仏教を学ぶために、私が読んでいる本をまとめたい。一部、悟りへの実践という本にも触れている。

基本的に、この記事は私自身の勉強のために存在している。

しかし、同じく仏教に興味のある誰かの役に立つかもしれない。興味のある人は、目次を見てほしい。

読書対象について

入門書からかなり本格的な本まで、様々なものを読んだ。

中には、これってどれくらい確からしい見解なの?と慎重になるべきものも含まれている。

しかし、仏教哲学も生き物なのだから、ある程度、拡大解釈は仕方のないことだと思う。それに絶対的な答えは、あらゆる知において存在しない。

幅広い見解を取り込み、そのブレを楽しみつつ、さらに仏教哲学を吸収していきたい。

そんな私の読書記録になる。

ざっと読んだ覚えのある本をまとめてみたが、それぞれの本についての詳しい紹介はまだである。今後、充実させていきたい。

仏教哲学 読書記録

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち 飲茶

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とにかく、わかりやすい。

仏教哲学のセンターピンをわかりやすく説いてくれる。

仏教哲学は、縁起や空、無分別知というコアの深い理解さえできれば、その他は全ては枝葉の部分と言ってもいい。(怒られるか?笑)

そのコアへの導きとして、これ以上わかりやすい本はないだろう。何度も読み返してほしい。やはり、この本はすごい。

正直、この一冊だけで十分かもしれない。

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般若心経 玄侑宗久

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仏教の核である「空」をとことん分かりやすく教えてくれる。

般若心経が心底腑に落ちれば、仏教のセンターピン=一番面白いところがわかるはず。(暴論だろうか?笑)

入門におすすめ。

龍樹 中村元

龍樹

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読めば読むほど、本格哲学。

意識と本質 井筒俊彦

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レンマ学 中沢新一

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「レンマ」とは何か? 哲学者山内得立が著書『ロゴスとレンマ』で提出した概念によっています。「ロゴス」は「自分の前に集められた事物を並べて整理する」ことを意味しています。その本質は時間軸にしたがう線形性にあります。それに対し、「レンマ」は「直観によって事物をまるごと把握する」という意味です。

華厳経の入門書としておすすめ。

さまざまな話題を行き来しつつ、華厳経をベースとしたレンマ学を打ち立てようとする。とくに、レンマ的数論の話が面白かった。現代量子論の核である「行列」とどこまで整合的なのだろうか?収録している話題が多いので、華厳経的世界観を多様な視点から楽しめる。

だから仏教は面白い 魚川祐司

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仏教は、こんなにヤバくて面白い!
仏教の核心とは何か? ゴータマ・ブッダという人は、何を考え、どう語ったのか? そして、仏教を「実践する」とはどんなことで、その結果いったい何が起こるのか? 「悟り」は実現できるのか? ――素朴な疑問に答え、仏教のいちばん大切な核心に、やさしく誘う対話篇。

なぜ今、仏教なのか ロバート・ライト

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食べすぎて、憎しみあって、浮気して……進化心理学が明かしたヒトの(困った)本性を乗り越えるための理論と実践、それこそが仏教に他ならない。認知バイアス研究のはるか以前から、仏教は「無我」や「空」の概念で自己と世界のありようを正しくとらえてきたのだ。マインドフルネス瞑想が私たちの脳にもたらす驚くべき変容から「悟り」の境地までを科学的に裏づける、知的興奮に満ちた全米ベストセラー。

進化心理学から仏教を語るところが新しい。

生物学的な理由を知れる。

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仏教の思想 3 空の論理<中観>

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仏教の思想 6 無限の世界観<華厳>

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仏教の思想 9 生命の海<空海>

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日本的霊性 完全版 鈴木大拙

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第一篇 鎌倉時代と日本的霊性
一 情性的生活
二 日本的霊性の自覚
第二篇 日本的霊性の顕現
一 日本的霊性の胎動と仏教
二 霊 性
三 日本的霊性の主体性
第三篇 法然上人と念仏称名
一 平家の没落
二 浄土系思想の様相
三 念仏と「文盲」
四 念仏唱名
第四篇 妙好人
一 赤尾の道宗
二 浅原才市
第五篇 金剛経の禅
一 まえがき
二 般若即非の論理
三 「応無所住而生其心」
四 三世心不可得(一)
五 三世心不可得(二)
六 禅概観

仏教の大意 鈴木大拙

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人は、耐え難い苦しみや大きな悲しみの経験なくして、本当の慰めと平和に至ることはできない――「大智」と「大悲」の導きで現れる「霊性」を生きることの意味とは何か。知性や理性だけでは到達できないその世界こそが、仏教の精髄へと繋がっている。キリスト教的概念や華厳仏教など独自の視点を交えつつ、困難な時代を生きる実践学としての仏教、霊性論の本質を説く講義録。『日本的霊性』と対をなす名著。

人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 三宅陽一郎

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今の人工知能はいわば解脱した状態なのだ。
その人工知能に、この世界への興味や欲求を持たせたい。
生への執着を築き、この世界で生きる苦しみと喜びを与えたい。

世界は「関係」でできている カルロ・ロヴェッリ

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量子論の関係論的解釈。めっちゃ縁起の話だよね。

現代量子論のゴリゴリの専門家が語る「空」。

ナーガールジュナについての章もあり、現代量子論と「空」の共通項が語られる。

量子論と仏教、両者のいい勉強になる。

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道元 正法眼蔵 わからないことがわかるということが悟り ひろさちや

NHK「100分de名著」ブックス 道元 正法眼蔵 わからないことがわかるということが悟り | ひろ さちや | 仏教 | Kindleストア | Amazon

はじめに 智慧を言語化した哲学書
第1章 「身心脱落」とは何か?
第2章 迷いと悟りは一つである
第3章 全宇宙が仏性である
第4章 すべての行為が修行である

集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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大乗仏教の歴史を知りたい人にはとてもおすすめな一冊。

釈迦の仏教と大乗仏教の違い、般若経と法華経の違いを学べる。般若経が空を重視したのに対して、法華経はお経そのものの絶対的なパワーへの信仰に移った。さらに、浄土教では変容し、「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで救われる、とした。目標が、悟りから救いへと変容した。

仏教が好き 河合隼雄、中沢新一

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臨床心理学者と宗教学者による、仏教の途方もない魅力を探る対話。聖者の生涯、臨終場面、戒律、性の問題をキリスト教・イスラム教と比較、ユーモアいっぱいに語りながら仏教の核心へ。「仏教への帰還」「ブッダと長生き」「仏教と性の悩み」「仏教と『違うんです!』」「幸福の黄色い袈裟」「大日如来の吐息――科学について」など6編。「釈尊と弟子のセックス問答集・パーリ語聖典『律蔵』抄訳」のおまけつき。

幸せの法則 前野隆司

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前野先生と、幸福学をテーマにして対談を行ないましたが、結局は両者とも同じことを言っていたので、お互いの背中を掻きあうような結果になりました。要するに、私は先生の研究と活動に大いに感銘を受けたのです。先生も仏教の幸福思考に驚くほど賛成してくれました。科学者の肩書を振りかざして、伝統的に語り続けている私たちのやり方について批判することはなかったのです。そこから浮かんだのが、巻物と本のイメージです。「幸福」という概念を学問的に研究してデータを取って説明すると、誰にでもわかりやすい教えになります。本と同じです。二五〇〇年の伝統を誇る仏教の幸福学を私たちが語るとき、皆、古い巻物を眺めているような気がするに違いありません。

幸福論を仏教と科学で語る。

対談の雰囲気そのものがとても示唆的。

前野さんと言ったら、受動意識仮説で有名。

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・心というのは、「気づいている思考の流れ」のこと。

・感覚が先にあり、その後、「私」は構成される。プロセスの数だけ、無数の私が生まれる。ナノ秒単位の出来事なので、普段から気づけないだけ。

・脳が心をつくっているわけではない、と仏教は考える。

・心とは、生きていたいとおもうエネルギー。科学でいうエネルギーのことではない。存在欲があるものを心とする。仏教は、心身二元論の立場。心はエネルギーなのだから、「気配を感じる」という現象がなりたつ。

・言葉よりも先に概念がある。

スマナサーラのいう「エネルギー」とは、科学でいうエネルギーとは異なることに注意。現代的なイメージに合わせて、エネルギーという言葉を使っているのだろう。この概念についての説明はなく、疑問は残る。しかし、仏教では、「エネルギー」のようなものがなんなのか、さらに問うことはしないのだと思う。だから、それ以上の説明はなくてよい、とするのが仏教なのかもしれない。

空の発見 石飛道子

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感覚について ヴィパッサナー瞑想の道しるべ アルボムッレ・スマナサーラ長老

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◆認識とはなにか
遺体と自分、なにが違いますか?
遺体は五感が反応しない
遺体には感情がない?
私は「生きている」
生きているということ、「命」のリスト
こころは機能で場所がない
仏教はこころの機能を研究する
◆自己都合の世界
こころの認識は自分の都合による
花はきれいですか?
蛙はかわいいか、気持ち悪いか
怒り、憎しみ、嫉妬も自分の肉体を守るため
俗世間の知識は人格向上の役に立たない
なんでもかんでも認識の世界
世間の認識を超える
ヴィパッサナーは超人の方法
「都合による認識」をやめる
◆真理へのアクセスポイント
こころは流れるもの
最初に見ている(感じている)
認識するより先に感覚があった
感覚(ヴェーダナー)から始まる
生きているということは感覚
一切は感覚である
感覚を感じながら実況する
身体の苦しみとこころの苦しみ
感覚は一定していない
2生きるとは「感覚」のこと
~Rahogatasuttaṃ(独坐経)を読む――一切皆苦と「無価値論」の教え~
◆「感覚は苦そのもの」なのか?
「生きること」の事実と実感
生命は感覚で生きている
「感覚は変化する」という普遍の法則
◆「独坐経 Rahogatasuttaṃ」解説
比丘の質問
お釈迦さまの回答
苦の説法は「無価値」論である
お釈迦さまの解決策――感覚の滅
感覚の止息と軽安

頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知

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Ⅲ 頭が鋭くなるヴィパッサナー瞑想法の実践
1 脳細胞の新陳代謝を驚くほど促す瞑想法
まず、脳波をβ波からα波に変える
ヴィパッサナー瞑想にはかんたんなルールがある
「私」とはそもそもどういう存在か
心に刺激がなくなるとシャープな頭が戻ってくる
2 妄想こそ頭を鈍くする最大の敵
三十分やるだけで集中力がつく“歩く瞑想法”
右脳・左脳をバランスよく活性化すること
トラブルや悩みのある人ほど瞑想効果がでてくる
自分の状態に気づけば、スランプは即座に消える
イライラや怒りがスーッと消える不思議体験
瞑想で“ほんとうの自分”を観察するこのおもしろさ
初めての人がアッと驚く“心の仕組みとメカニズム”
3 “気づき(サティ)”だけが妄想を消すことができる
歯の磨き方一つでも脳活性化の訓練になる
妄想に気づくと妄想は消える
いつまでも20代の頭脳を保つために

ブッダの瞑想法 ヴィパッサナー瞑想の理論と実践

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「サティ」という気づきの技法が、これほど緻密に、分かりやすく説明されているのは驚きに値する。
さらに、ヴィパッサナー瞑想の本義でもある「心の清浄道」の実践マニュアルとして、心の反応パターンを正しく組み替えていく技法の数々が紹介されているのは圧巻である。
人類が瞑想を始めた起源から説き起こし、ヴィパッサナー瞑想誕生の経緯、瞑想する意識の構造や認知のシステム、さらに瞑想の効果と効用にいたるまで、なぜ瞑想するのかの意義が理論的に明快に説かれているのも、本書の大きな特色である。

実践。

理性の限界内の「般若心経」 ウィトゲンシュタインの視点から 黒崎宏

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縁起と言語ゲーム。

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真理の探求 仏教と宇宙物理学の対話 佐々木閑 大栗博司

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人生に生きる意味はない。

大いなる叡智が告げる、この世界の真実

心の働きを微細に観察し、人間の真理を追究した釈迦の仏教。
自然法則の発見を通して、宇宙の真理を追究した近代科学。
アプローチこそ違うが、この世の真理を求めて両者が到達したのは、
「人生の目的はあらかじめ与えられているものでなく、
そもそも生きることに意味はない」という結論だった。
そのような世界で、人はどうしたら絶望せずに生きられるのか。
なぜ物事を正しく見ることが必要なのか。
当代一流の仏教学者と物理学者が、
古代釈迦の教えから最先端の科学まで縦横無尽に語り尽くす。

入門 哲学としての仏教 竹村牧男

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仏教って、こんなに新しく面白かったのか! 常住不変な存在としての「私」を否定する無我。主客二元論を根本的に否定する縁起。無意識の世界、絶対現在の時間論等、現代西洋哲学を先取りした思想に迫る。

唯識・華厳・空海・西田 竹村牧男

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この世界は、実体的存在などなく、あらゆるものが互いに関係し合って存在している。ではそこで自己とはいかなる存在で、どのようにあるべきなのか。唯識の事的世界観から華厳の事事無礙法界へ、さらに空海の人人無礙の曼荼羅、そして西田の「個物の哲学」へ。

仏教の源流、本質を辿りつつ、西田の「個物の哲学」へ。

空海の夢 松岡正剛

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「生命の海」というワードが美しい。

あらゆる情報を見事に編集してくれる松岡正剛の空海自身へのシンクロ本。

踊る生命の歴史、溢れる言語の歴史、意識の進化を編集する。

密教である秘密荘厳心に至り、生命の海=ネットワークがこの身に重なることに目覚め、即身へ。

華厳経入門 木村清孝

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華厳という見方 玄侑宗久

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物事の来歴、理由、原因は幾重にも重なり、探っても尽きることのない「重々無尽の縁起」の世界
自他が個別性を残したまま、礙(さまた)げなく通じ合うことができる「事事無礙法界」
我々一人一人の菩薩行(雑華)によって荘厳される「雑華厳飾」の世界――。

序列のない世界

自分以外のすべてが映っている玉が自分自身。自分は他のすべての玉には映っているが、自分自身の玉には映っていない。私の中に、他者全員が映り込んでいる。だから、私は私自身ではなく、映りこんでいるすべてであり、それによって規定される。

・相即相入

・事事無礙法界

すべてのものが融合しているのだが、それでいて、一つ一つのものが決して個性を失わない。私たちの身体はもともと一つの受精卵だった。臓器が調和している。全ての細胞は、どの部位にもなれるポテンシャルを持っている。

「氣」という全体性、繋がり、縁起。

お釈迦様の脳科学 苫米地英人

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スピリチュアリズム 苫米地英人

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鉄鼠の檻 京極夏彦

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