星とハリネズミ - ちるちる (original) (raw)

ドラマCD化が決まってから予習の為にまず原作を読んだ時は、『いつになったら盛り上がるんだろう?』と思っているうちに終わってしまいました。
でも、白井さんのファンで、江口さんとの共演は是が非でも聴きたかったので迷わず購入。

これはもう、キャスティングの大勝利です。
先に書いたように、ストーリーらしいストーリーは無く、王道のシチュエーションを繋ぎ合わせただけのような展開なので、萌えの比重がキャラのみに集中してしまっている作品であり、江口さん、白井さんは見事にそれを音声作品として昇華してくれました。
とにかくお二人ともそれぞれの役に合っている。

江口さんは正にキャラ紹介文の通りの“チャラふわ”を表現してくれていて、すごくチャーミングです。
江口さんなら思い切り振り切ることも可能な所を初心な大学生の郁美くんらしく、本当に全体的にふわっと演じてくれていたのがすごく良かったです。
度々出てくる、春潔くんの言動に戸惑った時の「ぉ」とも「ぁ」とも「ぇ」とも文字に起こせないような素直なリアクションが本当にわたし好みで、あぁこういう芝居ができる人でよかったー!って思いました。

そして白井さんが今回本当に個人的にすごく、すごく嬉しくなる芝居センスを発揮してくれていました。
原作を読んだだけの段階では、なんとなく春潔くんのキャラを掴みあぐねていたのですが、白井さんのお芝居ですーっと入ってきてくれたことに感動しました。
第一印象の人見知り感から、めちゃくちゃ小さい声で郁美くんがかっこいいから無理なのだと白状する所、「郁美くん」と呼んでみるけど眉間に皺が寄ってる所、「めちゃくちゃ降られた」ってはじめて笑う所、……と、1トラック目だけでも小手先でこなしては平たく流れてしまう細かなお芝居がいくつも丁寧に積み重ねられていて、その一つ一つが春潔くんを生きた人間としてこちらに伝えてきてくれました。
以降も、恋する受けくんらしく可愛く、怒るトーン等もいちいち理想通りで、ここまで自分の中に心地良くフィットする芝居をしてくれたことがひたすら嬉しかったです。

前半部分は音声作品として少々テンポが悪いかなと感じる部分もありましたが、もう特に5トラックめの旅行の話とかはここはもう江口さんのノリの良さが存分に活きてくる所でもあり、何度も声を出して笑うくらい面白かったです。

……と、長々と書いてしまいましたが、まとめると、可愛い×可愛いのキャラ萌えCPを楽しみたい人向け作品であり、CDとしてその要素は存分に満たしてくれています!

特典の描き下ろしも可愛かったですし、フリトは普通に仲良し声優二人の面白ラジオを聴いてる気分でした。(笑)
めちゃくちゃ楽しかったです。
また是非共演してほしい。