王族アルファの花嫁候補 - ちるちる (original) (raw)
ロイヤルファミリーに政略結婚、+オメガバースと言ったお話になります。
なんか、甘くて幸せなお話がとにかく読みたいわ~って事で読んでみました。
若干ですね、義月先生だから「溺愛」ってなってても大丈夫か!?と不安ではあったんですけど、しっかり甘かったですよ。
えーと、攻めが最初から分かりやすく溺愛って感じでは無いのですが、それどころか最初はちょっと切ないんですが、そこから少しずつ少しずつ愛情が深まり甘さがどんどん増してくのが萌えるんですよー!
こう、主人公が自分自身の力や魅力で持って、攻めを夢中にさせて行くのに胸がすくと言いますか。
このタイプの溺愛もの、最初から無条件で愛されまくってるのより、ずっと感慨深いし嬉しいですよね。
内容です。
没落貴族であるガードナー家の双子の兄として生まれたハルト。
華やかで人好きする双子の弟にコンプレックスを持っているんですね。
そんな中、王族の家系であるロックハート財団から縁談が持ち込まれます。
実はロックハート家には、双子のオメガは繁栄をもたらすという言い伝えがあってー・・・と言うものです。
まずこちら、繰り返しになりますが、最初はちょっと切ないんですよ。
ハルトですが、クレイグ(攻め)との初顔合わせで、紳士的で優しく、何より華やかな弟と同様に扱ってくれる彼に強く惹かれるんですね。
しかし、ロックハート財団から花嫁として希望されたのは、弟であるナツキの方・・・。
胸の痛みをこらえて二人を祝福し、自分の人生を堅実に歩むものの、二年も経ってからナツキに運命の番が現れて突然の婚約破棄。
そこで、今さら結婚を取り止めるワケにはいかない両家の思惑のもと、双子の兄である自分が身代わりの花嫁になるー。
えーと、ハルトの心情と言うのはとても複雑なんですよ。
ずっと想い続けた相手であるクレイグと・・・と言う喜び。
身代わりでしか無いと言う悲しみと惨めさ。
またさ、序盤のクレイグが結構冷たいんですよね。
こう、すごくビジネスライクと言うか、あからさまに政略結婚である事を匂わせて、互いに賢く自由にやろう的な。
こ、このヤロー!
最初に弟を選んだ上に、ハズレくじを引いた的なその態度は何だー!!と。
攻めが受けに対してやたら冷たくて傲慢と言う、いつもの義月パターンかよ!と。
と、最初は攻めに対してカーッと来たんですよ。
来たんですけど、ここからお話は全然予想外のトーンになって行きまして。
えーと、これね、ハルトですが、めちゃくちゃいい子だし、実は自分で思ってるよりずっと魅力的なんですよね。
頭もいいし、努力家だし、見た目だって弟と並ぶと地味なだけで端整。
ただ自分に自信が無いので、オドオドした態度になりがちなんですよ。
惹かれているクレイグの前だと尚更。
最初こそ、そんなハルトを低く評価していたであろうクレイグ。
それがハルトと共に過ごし、彼本来の芯が強く聡明で思いやりある姿を知るうちに、どんどん惹かれて行くー。
や、クレイグの事を最初クソ野郎扱いしちゃいましたが、実は彼は彼で大人のいい男なんですよ
結婚に対する考えが冷めてるだけで、最初からハルトに対して誠実だし一人の対等な人間として丁寧に扱っているんですよね。
多少クールなだけで。
それがそれが、ハルトに惹かれるに連れ、そのクールさがなりをひそめ、どんどん甘さを増してゆくんですよ~!
もう甘~っ。
めちゃくちゃ甘~っ!
言葉からも態度からも、甘さが溢れてる~~!と。
また私は元々ですね、「じゃない方」が選ばれると言うのが大好きなんですよ。
ずっと「ナツキじゃない方」扱いされてきたハルト。
それがクレイグから愛される事で自信を取り戻し、本来の輝きを見せるようになるのが嬉しくて仕方ない!
クレイグ、見る目があるじゃないかよ!と。
えーと、最初にナツキの方を選んだ事や彼との関係に対しても、色々誤解があった事が分かってきますしね。
ちなみに、ずっと弟と比べられてとハルトが悲惨に思えますが、弟や家族はちゃんと愛情深くと、決して冷遇はされてないです。
だからこそ、ハルトは真っ直ぐいい子に育ったんでしょうしね。
まぁ弟、相当自由奔放だけど。
最後になっちゃいましたが、「双子のオメガは繁栄をもたらす」のオチがですね、おとぎ話を思わせる素敵なものでした。
そんな歴史があったのね的な。
そのご先祖様を思うと、ちょっと切なくもあったけど。
と、とりあえずそんな感じで、甘いし幸せだしで表紙そのままの素敵な作品でした。
個人的にめちゃくちゃツボ作品でしたよ。