愛日と花嫁 - ちるちる (original) (raw)
まず、この大ボリュームの物語がカットなし、ほぼ原作通りでありながらより分かりやすく音声化されてるだけでもありがたいのに、さらに番外編の『連日』と『吉日』まで完璧に収録されている事に大感謝!(キャストトーク抜いても120分越えの大作です)
声優陣の演技はもちろん、BGMやSEなどにも隅々まで繊細に表現されているので世界観にスッと没入できました。制作に関わった全ての方々の心意気を感じます。
魅力的な世界観とキャラクターばかりなので、個人的には原作を読み込んで、クロとルカに思いを寄せた上で聴いて欲しい作品です。
【キャラとキャストについて】
・クロ(江口拓也さん)
低音で、基本ぶっきらぼうな話し方なのに、クロの心の根っこにある優しさをセリフの端々に感じます。多くは語らず、行動でしめすタイプのクロですが、言葉や江口さんの声にしっかり重みがあって、人ならざる神らしさがありました。
弱さを見せる泣きのシーンは切ない低音ボイスの泣き声にグッときました。
ルカと心を通わせるにつれて、柔らかさと甘さが増していく変化もすごくよかったです。
・ルカ(田丸篤志さん)
慈悲受けといえば田丸さん!のイメージが最初からあるので、発売が決まる前からCD化されるならルカは田丸さんだったらいいなと思っていました。
アユム先生のSNSや、キャストトークでも陽だまりみたいな声と仰ってましたが、声が本当に優しくて清らか。聴いてると心がぽかぽかして癒されます。
純粋で、自己犠牲型のルカがクロと出会い、共に生きていく事でお互いに救い、救われていく救済の物語に気持ちいいぐらいに、ぴったりハマってました。
・ノア(立花慎之介さん)
人を食ったような(多分実際食ってる/笑)でも憎めない愛すべきキャラにぴったりの声。立花さんこういう役本当に似合います。
・ウェレ(土岐隼一さん)
土岐くんのふわふわした優しい声に、落ちついた語り口は、神様の浮世離れした雰囲気が出てました。
・ケイ(高塚智人さん)
少年時代の声(古木さん)から、大人になった高塚くんの声に切り替わる所は、おぉーっとなりました。
ルカの弟ですが、頼りになる好青年な感じがよかったです。
他にも、クロ、ケイの幼少期や、ケイの子供役の方もみんな可愛くて素敵でした。
【個人的好きポイント】
・印象深いシーンもセリフもいっぱいで、語りたいんですが、かなりのネタバレになってしまうので控えます…とにかく二人が涙を流すたびに、聴いてる方も何度も泣きそうになり、実際泣きました。(私は普段泣こうとしても堪えてしてしまうタイプなので自分でもびっくりしました)
またBGMがいい仕事してるんですよね…素晴らしい。
・オメガバース作品ですが、村の言い伝えや、Ω性が生まれたきっかけに、神との関係があったりして、この作品だけの神聖的な世界観が好きです。(オメガバース地雷の方でも、もしかしたらいけるかも)
もちろん発情期や濡れ場のシーンも盛りだくさんで、それはもういちゃいちゃラブラブいたしてるんですが、セックスとかエッチとか、簡単な言葉で言い表しちゃいけないような雰囲気があります(2巻では交尾って言い方をしていましたが)
上手く言えませんが、魂を通わせる行為……って、感じでしょうか。胸がいっぱいになります。
・本編のエンディングに感動。手を繋いだ3人の声、ルカのモノローグ…本当泣く。
・『連日』は、クロ、ルカ、ノア三人のコミカルな演技が楽しかったです。ルカのお誘いキス攻撃は可愛いすぎるし、クロの「◯◯だけ!」の4連呼は分かってても思わず笑ってしまいました。
そして子宮責めは音声になった破壊力がすごかった…
・実は『吉日』の絡みシーンでの、花嫁衣装についた装飾シャラシャラSEを楽しみにしていました(笑)動く度に音がなるのえっちいですよね…新妻ルカの煽り声もたまらん。
ケイの子供のちびっこ達も本当に可愛い!
・キャストトークは、お二人のキャラや作品への理解度の高さにやっぱり声優さんってすごいなと思いました。お互いに褒め合ってるの可愛かったです(笑)
フィフスアベニュー特典の方のキャストトークは、お二人のプライベートな面なども聞けて楽しかったです。(あと、このお二人に好きな季節の質問は、どうしても某ゲームが…笑)
【最後に】
長く続く二人の未来には、いつか必ず大切な家族や人々との別れが来るけれど、死を見届けるその時にルカの隣にはクロがいて、共に泣いてくれるんだろうな…
二人には辛い事も幸せも分け合って心穏やかな日々を過ごして欲しいと心から願っています。
普段CDには手を出さないという原作ファンの方にも、ぜひ聴いて欲しい!作品の解像度がかなり上がると思います。
出演者みなさん納得のキャスティングだったので、2巻もすでに脳内再生余裕なんですが、2巻のCD化と原作3巻の発売を楽しみにしています!