三ツ矢先生の計画的な餌付け。 2 - ちるちる (original) (raw)

1巻目よりも2巻目の方が好みだったかもしれません。
いやあ、すごく良かったなあ。
おいしい食事あり、人生あり、そしてもちろんラブの行方もあり…と、盛り沢山の内容なのだけれどすっきりと2冊の中にまとまっていて読みやすかったです。
自分が好きな人たちと一緒に食事をしたくなる1冊かも。
食事風景と、感情豊かな登場人物たちのいきいきとした姿が魅力的でした。
特に石田!彼がおいしそうに食事をしているのを見ているだけでこっちまでなんだかパッと良い気分になれる不思議。

さて、1巻では三ツ矢の元カレが登場し…というところで終わっていたものですから、もっとバチバチな展開になるのかなと思っていたのです。
ですが、ここでも大人な年齢なのが効いていて、もう恋人ではない薫との関係性もなんだかとても良いんだなあ。
相手の幸せを願える関係性って素敵ですよね。
長い年月を経て、以前とは違う種類の愛に形が変わったのかな。

石田と三ツ矢のもだもだラブストーリーの終着点も非常に好みでした。
石田という人は本当に嫌味がなくて良いキャラクターだなと思います。
感情がすぐに表に出てしまう素直で一途で真っ直ぐな人。
嘘がない彼のストレートな感情が乗った言葉だからこそ、なかなか本音が言えなかった三ツ矢の心にトスッと刺さったのではないでしょうか。
三ツ矢に年齢の葛藤があったのも良かった。
石田の将来の選択も前向きで明るいものでしたし、その選択に恋敵のはずの薫の影響があったり、当て馬的な人物として薫を終わらせないところもこちらの作品に好感が持てた理由のひとつです。
おいしい食事から始まり、どのエピソードも食事を交えて展開していく面白い構成の1冊でした。
作家さんの他作品も追ってみたいです。
キャラクターの表情が本当に魅力的!