未完成 - ちるちる (original) (raw)

「自分だけが人を傷つける権利があると思っているのか?」

「そんなんじゃないっ!安全なはずの家の中は、ぐちゃぐちゃでイライラして腹いせに誰かを傷つけたくなって、みっともない自分が一番嫌いだっ!」

セ ン シ テ ィ ブ ー っ! な
生 徒 × 先 生 モ ノ です。

お父さんが浮気して、お母さんは発狂して
家はめちゃくちゃな高校生の瀬名(前野)は
年齢よりも大人びた見た目で、女にモテモテ。
だけども苛立つ毎日を送っていて・・・
ひょんなことから自分の高校の英語教師の阿南(遊佐)が
ゲイであることを知って、腹いせにいじめようとするんだけど
逆にやりこめられちゃうんですよね。

尖がっていても根は素直な瀬名(前野)は
それ以降、阿南(遊佐)を心の拠り所にしていき
最終的に恋に落ちてしまうわけですよっ。

ここまでは生徒×先生モノの流れとしてセオリーな感じですが
私がこのドラマで一番好きだなって思うセリフが
阿南(遊佐)のこのセリフ!

「俺抱くより、もっと楽しいラッキーなことがお前の先には、たくさんあんだよっ! 絶対にあるんだっ。」

年上の先生を抱くことができて恋愛の有頂天になって終わりじゃないんですよ。
恋をして恋を手に入れておしまいじゃない。
恋も手にしてほかにも手に入れろって先生だから、ちゃんと教えるんだよね。

瀬名(前野)は若いから、現在しか見えてなくて
目の前の阿南(遊佐)しか見えてなくて
それはそれで阿南(遊佐)だってうれしいけど
ちゃんと自分以外のモノを瀬名(前野)に見せようとするんだよ。

両親の離婚で阿南(遊佐)と離れたくなくて
高校辞めて社会人になると言いはる瀬名(前野)に阿南(遊佐)が
これまたいいこと言うんですよ!

「いったん生活に足つけちまったらなかなか動けなくなるんだぞ。 やりたいことができても足止めくらって、そのうちやりたいって意欲をなくす。 そうなってはじめて自分が本当は何を失ったのか気づくんだよ。それじゃおせぇんだよ。」

これ重いよっ!深いよっ!そのとーりだよ。
阿南(遊佐)は瀬戸(前野)を恋愛にずぶずぶと沈めないんだよっ!
そこがイイ!!!

また阿南(遊佐)だって、本当は瀬戸(前野)を丸ごと手に入れて
ずぶずぶに恋愛に沈めたいとも思ってるはずなんだけどさ
大人ですからっ、ぎりぎりのやせ我慢をしているところがさーっ。泣けます。

自分の感情しか見えてなかった瀬戸(前野)が

「欲しいと手を伸ばすことが相手を壊すことになるなんて 俺は考えたこともなかった。」

って気づくシーンもすごく良くって。

二人は、ものすごく相手を必要としているのに
遠距離で続けようとはしないんですよっ。
自分の気持ちが変わることがないと信じる若さと
人の気持ちが変わってしまうことを知っている大人の弱さ。

「おまえの若さが怖い」
「泣くくらいなら今俺を選んでよ」
「選べない、選ばないっ!」

このやりとりがとにかく辛いっ。

そして5年後に再会するわけですが・・・
もぅ、これが本当にさーっ。
とにかく原作読むかCD聞いて!

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巻末フリト約2分(遊佐、前野、楠)
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「英語の授業がなくてよかったw」遊佐談

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通販特典フリト約13分(遊佐、前野、楠)
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ブックレット書き下ろしSS「Young Swallow」4ページ!
エンディングから1年後の二人のお話です。
未完成な二人が、少し成熟した様子が伺えますv
はぁぁぁどこを切っても甘いお話なのに、なんだか涙がじわっと浮かぶ。