最も美しい嘘のこと - ちるちる (original) (raw)

書評が賛否様々に分かれているので、興味を持ち読んだ作品。
作者は書評を読んでどんな気持ちになったのかなー(少し心配)

“L'art est le plus beau des mensonges”
クロード・ドビュッシー(Debussy, Claude Achille:作曲家)
《--嘘と真実について--》で調べたら、タイトルは名言の引用だったみたいです。

ドビュッシーの名言といわれる「芸術とは最も美しい嘘のことである」は、
「芸術とは作者の虚構、嘘と共通点がある」と考えたと解釈された名言で,ドビュッシーはこの信念で何度も挫折を乗り越えたとありました。
でも公的サイトに、「ドビュッシーの名言として多数サイトで紹介されているが、出典等は見つからない。」と有り、解説サイトには、ペルシャの格言が添えられていました。
「良い結果をもたらす嘘は、不幸をもたらす真実よりいい。」

読み乍ら、お題の「最も美しい嘘」とは、この作品の中で何?と、読者に探して欲しいというのが、この作品の狙いかも?「嘘」に因む台詞で展開していきます。
作中の絵画の描写が丁寧です、よほど美術が好きな作者みたい。

天才と天才を支える人の恋愛物語で、この作品の言葉で言うなら、
天才の弓狩君の脳内虚構=美の嘘を理解して、才能の狂気を受け止めて美を形に昇華させるのが黒須君、美を具現化させる至高のパートナーを孤独な天才が得るまでの物語、と理解したらいいのかな。

同じ大学の美大生同士。
弓狩君は、高名な画家の息子。父も息子も情緒が不安定。
弓狩君の絵が好きな黒須君は、絵画を描く技術は思うように上手くできなくても、弓狩の才能と言葉に出来ない気持ちを理解することが出来る人。
自分の力量を弁えた黒須君が、弓狩君の暴走する才気(狂気に近い)を理解して、一方的にほれ込む形で受け止め役になる。

全部を書かずに、読者に脳内妄想させようと言う意図なのか、未来の見通しにモヤをかけた終わり方で〆られている。

とりあえずハッピーエンドなので、萌え。調べて、タイトルの意味と内容の関連が読み解けたので、神に。

理解力低い自分にウンザリした読後感。更に学習します。利口になりたい。
この物語は、芸術に関わる格言に理解が無いと読み解けないようです。