二重螺旋外伝 灼視線 - ちるちる (original) (raw)

まず最初に装丁の事。
chara15周年記念作品として「二重螺旋」が選ばれたのは、そしてその中でも詳しく描かれることのなかった長男の雅紀視点が描かれるのは嬉しいことでした。
お値段も一般書籍並の1470円ですから、過去書籍になった作品もそうであったように、シンプル装丁ではあるかとは思いましたが周年記念であるから、せめて、カラーイラスト集とか付けて欲しかったとか思うのは欲張りでしょうか。

内容は、現在進行している文庫の時間までの部分を
子供時代、モデルになった経緯、尚人への欲情、そして番外編的甘い生活(?)編の4部構成にしてあります。

どうして雅紀が父親に対してあんなにも冷たいのか、沙也加に冷たいのか、尚人を特別扱いするのか、子供時代の話はそれの基礎がわかる話として貴重だったと思います。
デキた子供として長男を愛すべき自分の息子というより、自分の子なのに怖いとか、嫌な子として感じてしまったから、そこから父親と長男の確執は始まったのだと。
性別の違いもあり、女の子女の子した自己主張をし、素晴らしい兄を皆の関心を自分に惹きたい、いわゆる子供らしい傲慢さが満ちた沙也加をうっとうしいと思うのも、
一番下ゆえに要領がよく、自分を可愛がってくれる人は誰なのか無意識に取り入るのがうまい裕太をかわいがらないのも。
その中にあって、一番存在感の薄いのが尚人だったのは、本編の中でも語られてきたことですが、それが尚人が誕生のときに始まりを見せていたということ。
この子供時代の各キャラクターの描写やエピソードは一番の
壊れた篠宮家のほつれはじめを見せる始まりの話として大変に興味深いものでした。
しかし、本編でも思ったものですが、母親の存在感があまりに薄い家庭というのが気になります。
いや、だからこそ崩壊していったのかもしれませんね。

モデルスカウト編は、雅紀が学校公認で夜のアルバイトをしており、その容姿から巷の噂になりアズラエルのマネージャーの、加賀美の目にとまり、口説き落とす話であったのですが、ここでは雅紀の変装ぶりのいらすとが眼福なのかもしれません。

そして、雅紀が尚人に欲情する話。
どうして欲情するようになったのか、本編の中でも触れられていましたが、その延長の話に見えます。
尚人を強姦する前の彼が中学生の頃の話です。

そして、エッチがなかったぶん、こちらで楽しんでいただきましょう的な「睦言」はいつもの、揉んで舐めて噛んで、なエッチで、ごちそうさまなのです♪
まーちゃんの夢を見て夢精しちゃった尚、ってかわいすぎるじゃないですかwww

はしばしに、本編にはない雅紀の気持ちなどもはいって確かに雅紀視点はほしかったものですが、それは本編の中でも容易に察することができる事のさらに上書きのような話であったので、ちょっと、満足かといわれると微妙なラインであります。
子供時代とスカウトの話だけは評価できるかも?
そして、この構成が、この書籍版・記念書籍にふさわしいかも考えてしまうと・・・
通常の文庫でもよくはなかったか?
少しかんがえてしまうところです。
それより、はやいところ、本編続きほしいのですがwwwww