赤ずきんとオオカミの事情 - ちるちる (original) (raw)

久々に読む、杉原さんの作品。
杉原さんは好きな作家さんなのですが切なさがある作品が多いので、精神的に余裕のない時は読む気になれないんですよね。

『羊とオオカミの理由』のスピンオフです。
わたしは未読です。
特に問題はなかったですが、この作品を読んで、前作も読みたくなりました。

受けの真紀は、整った容姿でクールに見える大学二年生。
初恋の痛手で、固い殻で心を守っています。

攻めの太一は爽やかな容貌で頭も良く出来すぎ君のようですが、極度のブラコン。
ゲイです。

数ヶ月つきあって別れた太一にバイト先で再会し、「友達としてこれからもつきあって欲しい」と言われた真紀。
ガチガチに固めた外面のおかげで顔には出さずにすんだものの、その理由が「お兄ちゃんに言われたから」だというのはこちらも読んでいて脱力(苦笑

真紀の心の声はやさぐれていて本当面白いです。
太一の天然ぶりとの対比が絶妙。
『年上の余裕のある元彼』という立ち位置を確立させようとする真紀のから回っている辺りも。

太一は人を素直に褒めて、自分の気持ちにも正直で、もう、かなりの天然です。
こういう攻めは好き嫌いがありそうですが、わたしはこうやって読んでいるだけなら良いかな。
天然でありつつ腹黒要素もある攻めは好きですので。
爽やかな笑顔でこれだけ褒められたら悪い気しないだろうし、天然だから嘘で人を褒めないし、本当に思ったことしか言わないでしょうし。
ただ、こういう人とはケンカにならなくてイライラするから、現実ではつきあいたくないタイプですね(苦笑

イラストは竹美家ららさん。
昔から好きな漫画家さんですので、嬉しかったです。
なので今回読んだのは完全にイラスト買いだったわけですが、中身もホカホカしてとても良かったです。
癒されました(笑