妓楼の軍人 - ちるちる (original) (raw)

ムードたっぷりのBGMと壮馬さんの低音硬質なナレーションで始まる。
この丁寧に作り込んできた感じに「これは良いドラマCDだ」と胸が高鳴る。
平川さんのタイトルコールの荘厳がそれを後押しする。

固有名詞や設定が独特なので、原作未読だと耳で聴いているだけでは漢字の浮かばない単語が多いのでは?
ドラマCDとしてはよくまとまっていますが、そういう意味で原作は読んだほうがわかりやすいと思う。

平川さんも壮馬さんも低音で軍人らしく、予想より男っぽい。
硬派で華美な世界観にピッタリ。

脚本の取捨選択が大胆で、説明台詞は少量に、サクサク話は進んでいく。

代永さんまでもが低音で男っぽい!
それで黒代永、しかも代永×壮馬。
強気で婀娜っぽい代永攻め、絶品です!

続く、蓮に感情を爆発させて捲し立てる場面の迫力に圧倒された。
こんなに声を荒げて詰める苛烈な代永さんは初めて聴いた。
ここだけでこのCDの価値はあります。

更に続く、道場外で話すシーンの壮馬さんの涙声につられて涙ぐむ…。
本心を押し殺して、涙声になりながらもへりくだり、上官に失礼のないように…と健気に話すいじらしさや泣き笑いの表情まで完璧に浮かぶ。
線の細い方特有の、神経剥き出しの声に惹かれる。

壮馬さんの濡れ場は、細い声ではあはあ言うのが儚くてきれい。
控えめな表現だけど、犯され感が劣情を煽るし、じっと耐える切なさが可愛い。
熱い吐息や切羽詰まっている感じは伝わってくるので、臨場感もある。

妓楼での濡れ場の後で泣くシーンの自然なことよ…。
声を殺した嗚咽。
暗殺で戦うシーンは迫力があるし、負傷した声も、惨状を訴える怒気と無念を孕んだ声も、壮馬さんは上手い。

また出てくださいね。
もう御祝儀買いではなく、その演技が聴きたくて買いますよ。
平川さんや代永さんと並んでも霞まない壮馬さんを讃えたい。
だからBLCDは面白い。先輩との一騎打ち。
台本を読んで泣いたと話されていたので、今後も内容のある作品への出演を願う。

言葉の捉え方の違いが発覚するシーンは、急にコミカルになり、
私はそこだけ浮いているように感じたが、フリトでは「そこがよかった」という話をしていたので、
これは解釈の違いでしょうね。

今年度BLCDベスト3に入る出来。とても楽しめた。

フリトも4人で和やかでよかったですね。
せっかく作品の話を自主的に沢山していて、演者もノッているのがわかるので、
テーマトークではなく作品に関する話がもっと聴きたかった。

壮馬さんは何故冒頭から「絶頂を迎え~」とブッ込んだのか不明すぎて愛しい。
「皆さんに温かくリードして頂いて」「沢山の絶頂を迎えさせて頂きまして」
何度聴いても面白い。
壮馬さんは神谷さんばりに「させて頂く」を連発するが…
「絶頂を迎えさせて頂く」はBLCDフリト史上稀に聴く迷言だわ。
ともかく楽しんでいるということですし、ひたすら可愛いよ…。

その後も「ここにいる全員に攻められた。すっごい気持ちよかった」
成田さんに可愛かったと言われて「今ので3ヶ月は元気に生きていける」など、
とてもBL向きな方だとお見受けしますので、今後も楽しみにしていますね!