みずのいろ。 - ちるちる (original) (raw)

槇えびし先生の作品も今年出会いまして、こんな素敵なBL作品なのに一冊しか出てないなんて…。と思っていた。

そして、出た新刊。
2.2cmの厚さに驚いた。
槇えびし先生の新作BLが本当に読みたくて、読みごたえのある厚さに感動もした。
この一冊に10年の重みがある。
本当にすごい。

身体中に傷があるとか鋏で傷つけられていて鋏を見るとパニックになるのとか、受けの要素としてめっちゃ良い。

ロマネの世都を愛してはいるけど途中からは利用するためだったってのが…悲しくて泣きたい。
まあ、そんなことはすぐに問題じゃなくなるんだけど。

タイトルの「みずのいろ。」って自分の血ってことだったんだ。
「みずしかでない 冷たい 冷たい 」と泣く世都をロマネが抱き締めるシーンには切なすぎて込み上げてくるものがあった。
世都の見てる世界は白と黒、赤しかないようで色を認識できないようです。
ロマネと出会うまでは赤が認識できなかったようです。

世都とロマネが一緒に暮らすようになって、二人は恋人同士になって、不感症でイクことが出来ないからロマネがあの手この手で頑張ってるんだけど、それに対して謝った後に「好きだよ ロマネ」という世都が可愛かった。

5年後の世都は人形のようにベッドに座っているだけ。

ラストはバッドエンドではないものの、世都はロマネを忘れ、シンを過去に自分が殺してしまったリーシアだと認識。

カバー裏の描き下ろしなどから3人は一緒に暮らしているらしいですが、どんな関係かはわからない。
仲は良さそう。

自分的には世都とロマネが恋人同士に戻っていることを願いたい。

ちるちるではリーシアことシンが攻めに登録されてるけど、シンとは5年後の再会でキスのみ。
ロマネとはそれ以上の関係。
過去に恋人同士で帰ってくる言ったロマネが仕事で戻らず、後に世都がロマネの「3日帰って来なかったら死んだと思ってくれ」という言葉を思いだし、ロマネの死体探し→危ない目に何度か合う→最終的に殺し屋となる模様→6年たちロマネが表れる。
(かなり、ざっくりだけど)

本当に壮大なストーリーだった。
評価もすごく迷うところですが、神をつけます。
このラストだけだったら、えっ?なに?これ?で趣味じゃないだったかも知れない。
始まりから終わりまで、この世界観と10年という重み、世都のキャラや表紙の美しさなどを含め神をつけました。

で、コミコミで購入しましたがイラストカードが表紙のイラストを全面に使用し縦11センチの横21センチで素敵なイラストカードでした。

槇えびし先生のメッセージで「世都があなたにも愛されますように」とあります。
世都のキャラ愛してます。
(レビューでも愛してるっていうの恥ずかしいが)

ゆっくりじっくりと約2時間かけて読んだのですが、また日を改めてゆっくりじっくりと読みたいです。

槇えびし先生、10年の絵柄の変化を危惧しているようだけど「きみにあげる。」同様に丁寧で綺麗な絵でした。

帯が付いてる表紙が素敵です。
帯は白で大きく「僕を愛して」と書いてある。
この帯あってこそのこの表紙だと思います。

最後に世都の母はどうしてそこまで狂って世都を傷付けるようになってしまったかは疑問です。