つくものはなし 1 - ちるちる (original) (raw)

神奈木さんは個人的に『守護者』シリーズのイメージが強いのでちょっと怖い(ホラー的な意味で)作品かなと危惧していたのですが、ほのぼのとした展開でした。小鉄子さんの可愛らしい絵柄で作画されているために余計にそう感じるのかもしれませんが。

はい、すんごく面白かったです。今のところBL展開は皆無ですが、ストーリーがとても面白い。

主人公は月見里桂太。表紙の一番右側の男の子です。
まじめでいい子なのですが『ここぞ』というときにいつも失敗してしまうちょっと要領の悪い子。その結果貧乏くじを引いてしまうタイプなのですが、最近バイトを首になったばかりの無職くんです。

桂太の叔父さんという人は自由奔放な人なのですが、数年前に海外へ行き、そのまま帰ってこないという連絡が届きます。そのため彼の持っていた喫茶店を処分するために桂太は彼の喫茶店のある場所まで行くのですが、そこで桂太を待ち受けていたのは『つくも神』たちで…。

というお話。

ゴスロリ衣装がばっちり似合う女装男子のココ。
普段は温厚なのにスイッチが切り替わると途端にガラの悪くなってしまう美青年の蘭芳(ランファン)。
ねこ耳の生えた、小汚いおっさん(いや、失礼)。
まだ子どもで可愛らしい容姿を持つ金髪碧眼のセディに和装の大和。
そして、強面だけれどイケメンなアメ。

6人の付喪神たちに囲まれ、初めはパニックになりながらも彼らを守ろうと奮闘する桂太が何とも可愛らしいです。

1巻はココのお話でした。彼のかつての持ち主の話や、なぜ付喪神になったのかが描かれています。これからほかの面々たちの話が出てくると思うのですが、付喪神たちの話だけではなくて、桂太の叔父さんの「ヤマナシ」も非常に謎の多い人物で、彼の動向も気になります。

個人的にアメがとても好き。
小鉄子さんの描かれるイケメンさんがツボに入るビジュアルということもあるのですが、寡黙でありながら周囲に目を配ることのできる大人な男性で、めっちゃかっこよかった。

彼らとかかわることで、ちょっと残念な子の桂太がどう成長していくのか非常に楽しみです。

まだまだ始まったばかりでBL的な展開がないので萌えという点はあまりないのですが、ストーリーはとても面白かった。早く続きが読みたいです。