インドネシア、首都をジャカルタから「ヌサンタラ」に移転へ (original) (raw)

(CNN) インドネシア国会は18日、首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転し、新首都名を「ヌサンタラ」とする法案を可決した。移転先は現在、ジャングルに覆われた未開拓地となっている。

ヌサンタラはインドネシア語で「群島」を意味する。

ジャカルタは人口密集と急速に進む地盤沈下で都市としての持続可能性が懸念され、首都移転の必要性が高まっていた。

スハルソ国家開発企画相は議会テレビで、移転は「さまざまな検討、地理的な利点、福祉に基づくもの」と説明し、「群島の中心部に新しい重要な経済の中心地が生まれるビジョン」があると述べた。

ジョコ大統領は2019年に首都移転を表明。ジャカルタの環境や経済の持続可能性に対する懸念を指摘していた。

世界経済フォーラムによると、ジャカルタは海に近い湿地帯にあり、洪水に弱い。地下水の過剰なくみ上げが原因で急速に地盤が沈下し、ジャワ海に沈みつつあるという。

首都移転法案は9党のうち8党が賛成した。

議員らは新首都開発が環境に与える影響について慎重な検討が重要だと強調する。国家開発企画庁によると、新首都の面積は25万6143ヘクタールで、そのほぼ全てが森林地帯を開発する形となる。

ボルネオ島は世界で3番目に大きい島で、その大半をインドネシアが領有する。島の北部は一部マレーシアとブルネイの領土となっている。

スリ財務相は18日の記者会見で、新首都の開発は5つの段階に分かれると説明。スハルソ氏によれば、第1段階は22~24年に行われ、開発は最終的に45年まで続く見通し。

CNNインドネシアによると、新首都移転の費用は以前の推計で466兆ルピア(約3兆7000億円)と試算されている。