【真昼の決闘】クルマとバイクどっちが速い?浦安埠頭でチーバBBが激走 (original) (raw)

私にとってバイクバカと呼ばれることは最高の褒め言葉、バカも極めれば苦労を知らない天才を凌駕出来ると思っているので、これからもバイクバカを貫きます!!

このたびブログタイトルを変更いたしました。

これまでの「ハーレーで人生は変わる」から「バイク好きな人と繋がりたい還暦リターンライダー」にあらためました。

現在所有のハーレーは大好物には違いませんが、私のバイク愛への根源&きっかけは国産バイクであり、このブログでは今後ハーレーのみならず国産バイク、とりわけ絶版となった旧車にも触れていきたいのでタイトルを変更してみました。

タイトル後半の還暦リターンライダーはそのまんまで、今までは顔出しもなく、歳もなんとなくボヤかしておりましたが、定年再雇用になったことでこれからは歳は正直に、また、顔出しも少しずつでもしていこうと思っております。(お目汚しになりますが)

今回はリターンライダーとして戻る前、今から41年前の1983年に起きたエピソードを披露します。

当時僕は前年に初めて買った中型バイクのホンダCB250RSから4本マフラーがお気に入りだったヤマハのXJ400Dに乗り換えをし、ハンドルをセパレートハンドルに、ステップをバックステップに換装し、雰囲気だけは街道レーサーを気取ってました。

そんなある日です、チーバBBは突然、『対決:クルマとバイクではどちらが速い?』という永遠のテーマみたいなことに巻き込まれてしまったのです。

それは映画のタイトルにもあった【真昼の決闘】のごとく、タイマン勝負でした。

チーバBBはバイクの威信をかけて浦安埠頭を激走したのです。

その勝敗はいかに??

浦安埠頭で改造車の男から競争を持ちかけられる

その日はバイク仲間と午後から東京ディズニーランドのお膝元、千葉県浦安市の埠頭に出かけていた。

ウチからバイクで1時間かからないで行ける距離のため、海が見たくなるとフラっとよく出掛た場所だった。

前年念願のバイクの中型免許を取得したボクは、最初中古で250CCのCB250RSを買い乗り回していたが、仲間のFXに少しでも近づきたいと思う程に物足りなくなって、1年も乗らずに新車に乗り換えたんだ。

次に買ったのは、ヤマハのXJ400D。

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4本マフラーがイカしてた

この頃の400CCクラスのバイクは、前年封切られた近藤真彦主演の"ハイティーンブギ"という映画の影響が少なからずあり、ホンダのCBX400Fが売れまくっていた頃で、ボクのXJは完全に影に隠れた存在だった。

購入後はバックステップ(足を乗せる部分、それを標準より上方、かつ、後方へ移した。標準だとカーブで車体を倒し込んだ時にステップが道路面に当たることがあったため。)と、ハンドルを左右分割式のセパレートハンドルに変更して雰囲気は街道レーサーを気取って乗っていた。

バイク談義をする仲間との輪の中に、普段見慣れたクルマの改造車に乗った男が寄ってきて、一番バイクが目立つボクに話を持ちかけてきたんだ。

「今日はさ、パーツ交換した部分のテストを兼ねてきたんだけど、ねぇ、向こうの先まで競争しない?」

その男のクルマは仕事柄ほとんど毎日見ているクルマ、トヨタセリカXX「ダブルエックス」だった。

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昭和56年から数年販売していた。かなり人気があったクルマ。

装着されたエンブレムからベースは2000CCのターボ付きと判断。

車高は明らかに低く、マフラーから野太い排気音がしていたので、きっとエンジンもチューニングしているんだろうなという雰囲気をヒシヒシと感じていた。

【真昼の決闘】クルマとバイクどっちが速い?チーバBB威信をかけて激走

当然少し考えた。勝負したところでなにかご褒美があるわけでもなく、どうしようかなと悩んでいるとボクの仲間が背中を押してきたんで、競争する羽目に。

でもやるからには真剣にやる、競争期間は400m位だったか。

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『最高速ならクルマに分があるが、加速勝負のこの距離ならバイクが負けるハズないだろ?』

というのが走り出すまでのボクの思いだった。

ワイルドスピードの劇中のような仲間の合図と同時にスタートを切った。

2速⇒3速⇒4速⇒5速。出だしこそこちらが速かったが、途中から「キーン」という大きなタービン音を轟かせて後方から迫り、あっという間に追いていかれてしまった。

完敗だった。

「もう一回勝負しようよ。」と男から声がかかったので「やりましょう。」と大声で返した。

勝敗の結果は思わぬ結末に

今度は負けられないと思い、回転を7000rpmくらいまで上げてから飛び出した。

上体は燃料タンクの上に胸を這わせ、エンジン回転をレッドゾーン手前まで引っ張って シフトアップを続けた。

「今度はいけるか?」

が、またしても明らかにノーマルではないタービン音が後方から聞こえてきたと思ったら、一気にブチ抜かれてしまう。

その直後だった。

「プシュー_______________。」

男のクルマのボンネット脇からは白い煙が吹き上がり、クルマは力なく失速してやがて止まってしまう。

引き返して男のクルマに駆け寄った。

ボンネットを開けると多量の冷却水が吹いた跡が確認できた。

ドライバー曰く、ターボチャージャーをノーマルから社外品に換装し、テストのためココに来たが、必要以上に過給圧を上げたことにより※ヘッドガスケットが抜けたと思うと解説していた。

※エンジン内部に想定以上の圧がかかったことで気密が保持できなくなり、一部の部品が破裂したような状態。

勝負の結果は思わぬ結末となった。

勝負に負けたけど勝った!?

「悪いんだけど、ショップに連絡してクルマを取りに来てもらう手配をしたいので、公衆電話がある所まで後ろに乗せて行ってもらえないか?」

いきががり上、男を置いていくわけにもいかずOKした。

しかしそこで問題が、、男の頭が大きすぎてヘルメットが入らなかったのだ。

男は小太りで、髪型はバイオリニストの葉加瀬太郎さんみたいなアフロヘアだった。

笑いをこらえつつメットを額辺りまで被ってもらってXJのケツに乗せて公衆電話のある場所まで男を連れて行った。

そして無事連絡を終えた後はまた埠頭まで乗せて帰って、男からいたく感謝されてその場をあとにしたんだ。

勝負には負けたけど勝ったような不思議な気分だった。