【書評】効率を超える力 モートン・ハンセン 楠木建(監訳・解説) 三笠書房 (original) (raw)
ご存知ですか?
楠木建さんのケンの字は、健康のケンではないんですね。
今、気づきました。(笑)
【1.本書の紹介】
昨今のコロナ感染防止の影響もあり、働き方改革が加速している声も聞かれますが、皆さんの働き方改革は加速していますでしょうか?(笑)
世間では、残業を減らして早く家に帰ることや、テレワークをすることで通勤時間を節約できることなどが、働き方改革のように言われています。
私の勤める会社でも、テレワークをすると、仕事に集中できるとか、通勤に関する時間が節約出来て助かるという声を聞きます。
特に、お化粧に時間がかかる人にとっては、「めちゃくちゃラクー」と言うことを聞きました。(笑)
しかし仕事のやり方について考えてみると、特に新しい技術が身についた訳ではないので、「生産性は向上したの?」と問われると、特に変わっていないというのが現実ではないかと思います。
本書では、本当に効率的に仕事をするにはどうしたら良いのか?ということが紹介されています。
働き方改革とは、単に残業を減らすことや、テレワークを行うことでは無いということが理解できます。
さて、効率よく仕事を進めるためにはどうすれば良いのでしょうか?
【2.本書のポイント】
賢く働く人々は、優先すべきことを厳選し、選んだ分野に強いこだわりを持ち、努力を注ぎ続けている。
業績を向上させるのは、あくまでも個人の行動であり、その背後にある意思と思考がものを言う。
仕事ができる人になるとは、仕事で業績を上げ、仕事に情熱と強い目的意識を注ぎ込み、それでいて充実した人生も送るということなのだ。とても素敵なことではないか!
「重点化」には、二つの活動が含まれる。少数の優先事項を選ぶことと、その優先事項で抜きん出るための努力を尽くすことである。
やることリストにこれ以上項目を増やすと業績が落ちると、上司に説明すること。成功への道は、いつも上司の機嫌をとることにあるのではない。
事業を計画する時は「ゴールから始めよ」とアドバイスがあるが、これは間違いだ。まず価値から始め、それからゴールへと進まなくてはならない。こう自問してみよう。「自分の仕事が、果たしてどんなメリットを生み出しているのだろうか?」と。
大きな価値を生み出すとは、他社に大きなメリットを与える、効率的でクオリティの高いアウトプットを作り出すことだ。
同僚や顧客、納入業者の最も深刻な不満に気づき、力を合わせてその不満を解消できれば、仕事で途方もなく大きな価値を創造することができる。
「普段通りの仕事」の定義は刻々と変化し、多くの人は仕事の進め方に疑問を抱いている。こうした流動的な時代に企業が前進していくには、製品やサービスを刷新していくほかない。個人が前進していくには、働き方を変えていくほかない。
素晴らしい成果を出すには、仕事を再設計しなくてはならない。現状をくつがえし、仕事の価値を最大にする新たなタスク、新たな目標、新たなメリットを作ろう。
仕事を再設計して価値を創造する五つの方法
・無意味なことを減らす
・正しいことを増やす
・抜群の仕事をする
・五つ星の評価を目指す
・より早く、より安く
最も上達した人は、結果を綿密に分析したうえで、しっかりした基準を踏まえたフィードバックを受け、そこからわかった小さな欠点を矯正しようと努力している。このような、フィードバックを踏まえた目的意識のある練習方法こそ早くスキルをマスターする秘訣なのだ。
反復の「量」ではなく、反復の「質」が何より重要になる。
やりたくないことをして失敗することもあるのだから、大好きなことを一か八かやってみたほうがいい。
最強なのは情熱を強い目的意識と一致させるように努力すること。
説得力のある提言者-他人にやる気を起こさせ、柔軟に説得できる人-は、仕事で目標を達成する可能性が高い。
チーム作業のほとんどがグループ会議から発生する。そして当然ながら、チームの業績と自分自身の業績はチームの会議の質-皆がどれだけうまく問題を議論するか、どれだけ積極的に決定事項の実行に取り組むか-に左右される。
目次
監訳者のことば 優れた成果をあげる人は、何をしているのか…普通にして不変の問い 楠木建
プロローグ「努力にも必ずリターンがある時代」の終焉
1.「すること」を減らし、そこに設定する
2.今そこにある仕事を「再設計」する
3.「成長のサイクル」を巧みに回す
4.「情熱かける目的」を強力なエンジンにする
5.「しなやかな説得力」で勝ち抜く
6.解決を明日に持ち越さない
7.1個のプロジェクトに全力投球する
8.「スマートな働き方」から広がるプラス効果
エピローグ「トップ・パフォーマー」として走り続けるために
【3.本書の感想】
仕事に対する考え方が大事だと言うことがわかりました。
何も考えず、上司から言われるままに仕事をしていたらダメだと言うことですね。(笑)
まずは、その仕事から価値を生み出す事を考えて、自分の資源を配分をして全力を尽くす。
もし、上司が仕事を詰め込んで来た場合は、自分の仕事の量を説明して、これ以上仕事を受けると、質が落ちるということを説明できるようにしておかなければならないということですね。
昨今、従来型のメンバーシップ型雇用がダメだとか、米国では一般的なジョブ型雇用にする方が生産性が上がるという事を言う人が多くいます。
ドイツ人も仕事が早く、生産性も高いのは、自分がやる仕事の範囲がきまっている、いわゆるジョブ型雇用が一般的だからということを聞いたことがあります。
成果よりも協調性が重視される、終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用は、日本の社会や日本人にとても合っていたと思います。
しかし、最近日本の生産性の低さは、メンバーシップ型雇用によるものだと言うことが、数多く指摘されています。
今後の日本の企業としては、いわゆる専門性を持ったジョブ型の社員と、様々な仕事をカバーできるメンバーシップ型雇用の社員の比率を変えていくことが必要だと思います。
ただし、この本で言われるように、各人が、自分の仕事で大きなアウトプットを出すにはどうすればよいか、その為に、仕事のやり方を再設計していくんだという心構えができていれば、メンバーシップ型雇用、ジョブ型雇用であっても、生産性は向上すると思います。
成果をあげたいが、思うほど上がっていない方、頑張っているのに評価されていない方は是非ご覧ください!
【4.関連書籍の紹介】
説得に時間を掛けるのはやめましょう。グラフを見せると一発です。
野口さんは80才になりますが、AIとか勉強すべしとかおっしゃっています。
その姿勢を見習いましょう。
大切なことを集中してやる。これが大事です。
こちらも大切な事に集中することを紹介しています。
最後までのお付き合いありがとうございました!
【5.出版社より】
三笠書房デジタル事業部さんにいいね!を頂きました!
三笠書房デジタル事業部さんありがとうございました!
三笠書房編集部さんにリツイート!して頂きました!
三笠書房編集部さんありがとうございました!