秋の涸沢カールに日帰りで登ってきました (original) (raw)
北アルプスの涸沢といえば秋の紅葉です。
今回は見頃を迎えた涸沢の紅葉を日帰り登山で登ってきたので、その模様をお伝えしたいと思います。
遅延する電車と渋滞にはまる夜行バス
2024年10月11日の金曜日の夜。
最寄り駅まで行くと湘南新宿ラインが大幅に遅延しているとの情報が…。
時間に余裕をもって家を出ていましたが、電車に乗っている途中で何かあっても困るので、湘南新宿ラインには乗らずに東海道線で品川駅まで移動して、そこから山手線で新宿駅に向かいました。
中央自動車道の事故渋滞
バスタ新宿で夜行バスの「さわやか信州号」に乗車し、上高地バスターミナルに向かいますが、中央自動車道に入ったところで交通事故による10kmの渋滞に巻き込まれました。
ここでも遅延…。
この程度の渋滞なら朝の到着時間に影響はないだろうと思っていたのですが…。
沢渡周辺の駐車場混雑による渋滞
時間的にそろそろ沢渡あたりかな…というところでバスが動かなくなりました。
カーテンで覆われた車内から外を見ることはできませんでしたが、沢渡周辺が渋滞しているとの車内放送がありました。どうやら秋の上高地を目指してやってきた大勢の人たちの駐車場に入れない車によって渋滞が発生しているようでした。
通常は午前5時半くらいに上高地バスターミナルに到着する夜行バスですが、この状態だと時間通りに到着するのは難しそうです。
またしても遅延…。
沢渡で渋滞にはまった直後はお先真っ暗状態でしたが、なんとか渋滞を抜け出し、午前6時過ぎくらいに上高地バスターミナルに到着しました。
いざ紅葉の涸沢へ
沢渡の渋滞により上高地を行き来するバスにも影響が出ていましたが、そんな状況でも上高地バスターミナルは大勢の登山者で賑わっていました。
予定していた到着時刻よりも30分ほど遅れてしまいましたが、このくらいであれば何とかなるだろう…と出発の準備を整えて上高地バスターミナルを出発しました。
今回は平坦な場所は極力走って涸沢へのルートが混雑する前に登り切ってしまおうという作戦なので、パーゴワークスの走れるバックパック「RUSH20」に日帰り装備とミラーレス一眼を入れてやってきました。
息切れしないジョギング程度の速度で先行する登山者の方々をどんどん追い抜いて行きます(登山者を驚かせないように歩いて追い抜くようにしています)。
通行が再開した左岸遊歩道(小梨平キャンプ場奥~明神区間)
7月1日の豪雨による土石流の発生のため通行止めになっていた、小梨平キャンプ場奥から明神の区間が12日から復旧して通行できるようになっていました。
前夜のバスのなかでたまたまこの情報を見ていたので、河童橋から遠回りせずに済みました。
明神はスルー
06:36
休憩せずにスルー。
徳沢でトイレ
07:03
徳沢まで来たところでトイレ。
トイレは現在工事中で通路の反対側に仮設トイレが設置されていました。
そして昨年あたり話題になった徳沢の枯れた沢は無事に復活していました。
横尾で休憩
07:31
横尾まで来たところで休憩。
家から持ってきた菓子パンを食べました。
山荘でポカリスエットを購入して出発。
本谷橋
08:20
横尾から先は走れないかな?と思っていましたが、割と走れる区間があり、本谷橋までの時間も結構短縮することができました。
本谷橋から先はひたすら登りになるので、バックパックからミラーレス一眼を取り出して、道中の紅葉を撮影しながら涸沢に向かいます。
α7RIII + FE PZ 16-35mm F4 G
前日は平日だったので、下山してくる登山者はそれほど多くはありません。
上高地発の登山者はだいたい追い抜いてきたので、登りで渋滞することは…と思っていましたが、本谷橋の先にも先行する登山者が結構いて、所々でペースダウンしました。
しかしここまで来れば急いで登る必要はありません。
むしろゆっくり歩きながら景色を楽しみたい区間です。
徐々に景色が開けてきて木々の色づきも鮮やかになってきます。
テント泊の時は分岐を涸沢小屋方面に向かいますが、今回は日帰りなので涸沢ヒュッテ側に進みました。
涸沢ヒュッテに到着
09:25
上高地バスターミナルから約3時間半で涸沢ヒュッテに到着しました。
直近のテント泊装備では4時間半くらいで到着していたので、日帰り装備で平坦区間を走ると約1時間の時間短縮になるということが分かりました。
日々のランニングと装備の軽量化の成果が約1時間の時間短縮というのは何とも微妙な感じですが、混雑する前に到着できたので良しとしましょう。
おでんとCCレモン
早めに到着したのでパノラマ売店にはまだ行列はできていませんでした。
…というわけで涸沢ヒュッテのパノラマ売店でCCレモンのペットボトルと名物のおでんを購入し、ベンチで休憩しながら頂きました。
生ビールの誘惑に負けそうでしたが、パノラマコースから下山予定なので飲みたい気持ちをぐっとこらえました。
食後は涸沢山岳総合相談所で帰りのパノラマコースについて相談しました。
新村橋が工事中で渡ることができないので、パノラマコースで下山する場合どこで梓川を渡ればいいのかを教えてもらいました(ネットで調べても仮設橋の位置がいまいちわ分からなかったので)。
パノラマコースから上高地まで問題なく移動できることが分かったので、名残惜しいですが涸沢を出発します。
パノラマコースから下山
10:05
…というわけでパノラマコースから上高地バスターミナルに戻ります。
パノラマコースは山と高原地図では破線ルートとされていますが、危険個所にはロープが張られたり整備が行き届いているので、山をある程度歩き慣れた人であればそこまで難しいルートではありません。
パノラマコースから一望できる涸沢は普段とは違った角度から見ることができて新鮮ですし、道中の木々の紅葉も綺麗です。
本谷橋経由でこれから続々とやってくる大勢の登山者とのすれ違いに時間を取らずにマイペースで下山できるメリットもあります。
多少のすれ違いはありますがパノラマコースのほうが圧倒的に空いています。
序盤はこれといった危険個所はありませんが、進むにつれ徐々に道が狭くなり「足を滑らせたら死ぬかも」という危険個所がちらほら出てきます(そういう場所はロープが設置されています)。
振り返れば涸沢。
景色が素晴らしいのでついつい足を止めて写真を撮ってしまいます。
道が険しくなってきました。
慎重に歩けば問題ないレベルですが、初心者の方にはちょっと厳しいかも?
雨が降っている時には歩きたくないコースではあります。
それにしても紅葉が素晴らしい。
ついつい足を止めて写真を撮ってしまうので移動速度がなかなか上がりません。移動速度を上げるだけの体力は殆ど残っていませんが…。
雲が出てきたので屏風ノ耳はスルー
左側の切れ落ちたザレた区間が終わり稜線に出れば屏風ノ耳への分岐までもう一息。
木々の切れ間から見える涸沢カール。
パノラマコースの見どころと言えば屏風ノ耳から見る大パノラマビューですが、分岐にさしかかる前あたりから雲が出てきてしまい、穂高の山々の頭に覆いかぶさる勢いだったので、今回はスルーすることにしました。
良い感じに見える場所があったので、この景色で我慢しておきます。
11:00
以前は「せっかくなので」と曇っていても登りましたが、今回はそこまでの元気はありませんでした。
分岐から先はほぼ普通の登山道なので、心を無にしてひたすら下っていきます。
涸沢周辺のような華やかさはありませんが、この辺りの紅葉もなかなかです。
登山道を下りきって林道に出たところで右に進みます。
しばらく行くと新村橋の工事現場に到着します。
まだ工事中で橋を渡ることができないので仮設橋のある地点まで移動します。
梓川を渡る仮設橋
新村橋の工事現場からさらに進んでいくと仮設橋への迂回路の案内板が見えてきます。若干分かりづらいですが、ここを左折して梓川に向かいます。
仮設橋を渡って先に進むと徳沢に到着します。
13:00
いつもならここでソフトクリームを食べるのですが、そういう気分ではなかったので自動販売機でファンタグレープを飲んで出発しました。
徳沢から先は走れるコースですが、往路とここまでの下りで足が完全に終わってしまったので、早歩きで上高地バスターミナルを目指しました。
上高地バスターミナルの上高地食堂で昼食
14:11
明神をスルーして無心で歩き続けた結果、予定よりも早い時間に上高地に戻って来ることができました。
予定よりも早い時間に到着でき、かつ上高地食堂の順番待ちが数名だったので、ここで昼食を食べていくことにしました。
山賊焼き定食と生ビールを注文し、食事が来るまでの間に16時で予約していた帰りのバスを1時間早めました。
バスと電車で松本駅へ
15時15分発の新島々行きのバスは3台用意されており、バスターミナルにはそれぞれの号車の順番待ちの列ができていました。
バスは定刻通りに出発し、多少の渋滞はありましたが無事に新島々に到着。
電車に乗り換えて松本駅へ。
電車の出発まで余裕があったのでモスバーガーで時間を潰しました。
そろそろかな…というところで改札を通過して駅弁のお店に立ち寄ったところ(モスバーガーだけでは物足りなかったので)駅弁がすべて売り切れていました…。
そしてホームに降りたところにあるニューデイズは行列ができていて電車の出発時間に間に合いそうにありません。
仕方がないので自動販売機でお茶を買い、バックパックの中でぺしゃんこになっていた焼きそばパンを食べながら帰りました…。
まとめ
夜行バスが思わぬところで渋滞に巻き込まれ、予定よりも30分遅れて出発することになりましたが、序盤の平坦な区間はだいたい走れましたし、本谷橋からの登りも難なくこなすことができました。
涸沢周辺の綺麗な紅葉も楽しめましたし、ヒュッテの美味しいおでんも食べることができて短いながらも充実した登山になりました。
ちょっと残念だったのがパノラマコースの途中で穂高の山々に雲がかかってしまい「この状態なら屏風ノ耳まで行く必要はないかな」と分岐をスルーしてしまったことです。
途中でそれっぽい写真を撮ることはできましたが、屏風ノ耳から見える穂高&槍が撮りたかったので、次回の涸沢登山の時にリベンジしたいと思います。
また、往路はそれなりに走れましたが、涸沢ヒュッテに到着した時点でかなり疲れてしまい、帰りの徳沢~上高地バスターミナルの区間を走ることができなかったので、ダイエット&トレーニングをもう少し頑張りたいと思います。