レジデンス・アーティスト演奏会 (original) (raw)

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【日時】2024年7月23日(火)14:00〜
【会場】横浜市泉区テアトルフォンテ音楽ホール

【出演】テアトル・フォンテ/レジデンス・アーティスト

○白井奈緒美(Sax.)

〈Profile〉

香川県生まれ。高松第一高等学校音楽科、くらしき作陽 大学音楽学部音楽学科、パリ国立高等音楽院サクソフォ ン科一等賞にて卒業。卒業時にメイヤー賞受賞。同音楽 院在学中フランスをはじめ、オランダ、スロベニア、中 国などにてコンサートに出演。

(公財) よんでん文化振興財団海外留学奨学生。第4回ア ドルフ・サックス国際コンクールセミファイナリスト。 パリ・ローレア国立管弦楽団サクソフォンソリストを務 め、'08年帰国。コンサート(ドイツ)に'08'09'10′13年 と出演し全年演奏家賞受賞。'10年香川県文化芸術新人賞 受賞。'13年日本現代音楽協会・朝日新聞社主催現代音楽 演奏コンクール 「競楽X」 サクソフォン奏者として初入 選。日本サクソフォーン協会正会員。瀬戸内フィルハー モニー管弦楽団サクソフォン奏者。「20年7月発売松平頼 暁先生のCD「声楽作品集」に参加。同年11月アルバム 「イニシャルS」を発売し、レコード芸術特選版に選ばれ る。現在、Sプロジェクトを立ち上げコンサート活動やコ ンクールの審査員、後進の指導に力を入れる

○屋敷華(Pf.)

〈Profile〉

都立芸術高校を経て桐朋学園大学音楽学部音楽学科ピアノ科卒業。 学費全額免除にてウィーン国立音楽大学ディプロマ取得。3歳、 自作曲「じょろりの歌」をパルテノン多摩大ホールにて発表。 5歳、自作曲 「虹のブランコ」をTV朝日にて放映。

第23回ペトロフピアノコンクール審査員特別賞等数々の賞を受賞。 他受賞歴多数。ソロリサイタルをはじめ、豪華クルーズ船や大手外 資ホテル、朗読劇とのコラボ、米村でんじろう氏率いるサイエンス ショー等多様な演奏スタイルでクラシックからジャズ、タンゴ等オ ールジャンルでの演奏は唯一無二と言われ熱い支持を受けている。 またTV朝日系列「関ジャニの仕分け∞」 「お願いランキング」「Theモ ーツァルト音楽王NO,1決定戦」 「関ジャム完全燃SHOW」「音楽チャン プ」において音楽監修、編曲、等活動は多岐に渡る。音楽誌「ショパン」「ジャズジャパン」をはじめ新聞等に掲載される。

また特殊メイクアップアーティストとしての一面も持ち、TV番組や MV等の特殊メイクを担当。日本最大のハロウィンコンテストにて特 殊メイクアップ賞受賞する等異才を放つピアニスト。lov.にて自作曲 『Life』『inspire』等をリリース。アストルピアソラに焦点を当て たコンサートシリーズを精力的に活動中。

○山本葵(Fl.)

〈Profile〉

名古屋市立菊里高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部卒業、同大 学院修了。大学院アカンサス音楽賞受賞、特に優れた業績による奨 学金返還免除生(全額免除)に認定される。大学院修了後は、東京藝 術大学教育研究助手を務め、後進の指導にあたる。現在、藝大フィ ルハーモニア管弦楽団フルート奏者、東京藝術大学音楽学部演奏講 師。第17回フルートコンヴェンションピッコロ部門第1位。第29 回日本木管コンクールフルート部門第2位。第35回日本管打楽器コ ンクールフルート部門入選。第26回宝塚ベガ音楽コンクール木管 部門第3位。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、 東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、 日本フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、 札幌交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、神奈川フィルハ ーモニア管弦楽団、パシフィックフィルハーモニア東京等のプロオ ーケストラ公演に多数客演する。木曽音楽祭、草津夏期国際音楽ア カデミー&フェスティヴァル、ラフォルジュルネ等に出演。

子供のための「音楽とアニメーションと朗読による『ピーターと オオカミ』× SONY 360 Reality Audio」の企画監督出演を手掛け、 サントリーホール及びアーク・カラヤン広場で開催された「こども 音楽フェスティバル」にて上映される。またオンラインレッスン事 業を展開する他、海外講師のマスタークラスでの通訳、テレビやCM 音楽の録音に多数携わるなど活動は幅広い。

○小山 和 (Pf.)

〈Profile〉

名古屋市立菊里高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部卒業、同大 学院修了。大学院アカンサス音楽賞受賞、特に優れた業績による奨 学金返還免除生(全額免除)に認定される。大学院修了後は、東京藝 術大学教育研究助手を務め、後進の指導にあたる。現在、藝大フィ ルハーモニア管弦楽団フルート奏者、東京藝術大学音楽学部演奏講 師。第17回フルートコンヴェンションピッコロ部門第1位。第29 回日本木管コンクールフルート部門第2位。第35回日本管打楽器コ ンクールフルート部門入選。第26回宝塚ベガ音楽コンクール木管 部門第3位。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、 東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、 日本フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、 札幌交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、神奈川フィルハ ーモニア管弦楽団、パシフィックフィルハーモニア東京等のプロオ ーケストラ公演に多数客演する。木曽音楽祭、草津夏期国際音楽ア カデミー&フェスティヴァル、ラフォルジュルネ等に出演。

子供のための「音楽とアニメーションと朗読による『ピーターと オオカミ』× SONY 360 Reality Audio」の企画監督出演を手掛け、 サントリーホール及びアーク・カラヤン広場で開催された「こども 音楽フェスティバル」にて上映される。またオンラインレッスン事 業を展開する他、海外講師のマスタークラスでの通訳、テレビやCM 音楽の録音に多数携わるなど活動は幅広い。

【曲目】

①Sプロジェクト(白井奈緒美サクソフォン/屋敷華(ピアノ)

1.ルパン三世の主題

2.ラプソディー・イン・ブルー(ガーシュイン)

3.シーガル(真島俊夫)

②山本葵(フルート)、小山和(ピアノ)

4.シシリェンヌ(G.フォーレ)

5.ファンタジー(P.ゴーベール)

6.2つの小品より「小さなワルツ」(カプレ)

7.戯れソナチネ(J.イベール)

8.シンフォニッシェ・カンツォーネ(カルク=エラート)

【演奏の模様】

先月6月下旬にテアトルフォンテ・レジデンスアーティストに新たに選ばれた4人のピアニストの演奏を聴きました。その時は、大学院生や大学学部生もいて、レジデンスアーティスとは、これから本格的な活躍の端緒についたばかりの若手演奏家を支援するということかなと思っていました。処が今日のレジデンス4名は、その演奏を聴いて少し驚きました、四人が四人とも、成熟した演奏を見せて呉れたのです。

でも彼女らのプロフィールを改めて見てみれば当然であることが分かります。皆さん何れも伝統のある学校に音楽を学び、多くの方が海外で研鑽をつまれ、既に多くの演奏実績がある人ばかりだったのです。

①Sプロジェクト(白井奈緒美サクソフォン/屋敷華(ピアノ)

①ー1.ルパン三世

会場は、相鉄線の駅直結と言っても良い会場なので、乗降駅のホームからのちょっとの徒歩の間だけ暑い思いをするだけなのですが、それでも連日の暑さで、演奏中睡魔が襲うことが、珍しくない最近の状況なのです。ところが、白井さんの力強く吹くサックスの音に眠気も飛んでしまいました。サックスは、金管の力強いリズムと旋律、それに将にジャズピアノそのものの雰囲気で応戦する二人の掛け合いは本物感溢れる演奏でした。

最初の曲を聴いて覚醒した耳は、次のラプソディー・イン・ブルーの(20分近い)大曲を、白井さんが、アルトサックスとソプラノサックスの2台の楽器を使い分けて吹きまくり、ピアノの屋敷さんは、時々よく聞き慣れた旋律の合いの手を繰り出して、サックスとやはりやり合う二人の聴き応えのある演奏に、吸い込まれそうになっていました。

三曲目のシーガルという曲は、とても良い感じの曲でした。白井さんのトークによれば、もともと、弦とアルトサックスのためのバラード作品のピアノ版とのこと。調べてみると、

「トロンボーン奏者で吹奏楽のための作品を多く残した真島俊夫氏の作品で、シーガル Seagull (かもめ)は須川展也氏の委嘱作品で、アルト・サックスとオーケストラのためのバラード。のちに3楽章から成る「BIRDS (バーズ)」という曲の第2楽章として再編された」曲でした。

たまに、オーケストラバックでサックス演奏されることもある様です。

兎に角いい曲なので、白井さんが最後に持ってきたのも理解できました。録音でまた聞いてみたくなる曲でした。

今日は、休憩無しの1時間位の演奏会ですが、次の演奏のための場面転換に5分程の空白がありました。

②山本葵(フルート)さんと小山和(ピアノ)さんの演奏です。主にフルートが主旋律演奏、ピアノが伴奏といったニ重奏です。

山本さんのトークでは、8以外は主にフランスの曲を選んだとのことでした。

4.シシリェンヌ(G.フォーレ)

5.ファンタジー(P.ゴーベール)

6.2つの小品より「小さなワルツ」(カプレ)

7.戯れソナチネ(J.イベール)

8.シンフォニッシェ・カンツォーネ(カルク=エラート)

山本さんのフルート演奏は、一点の曇りない清明感溢れるものでした。楽器は良く鳴っていたし、息継ぎもタンギングも、速いスラーパッセッジも完全にテクニックを身につけていて、将に成熟したフルーティストの感がしました。ビアノ伴奏の小山さんは、フルートとの演奏は慣れ親しんできて、良く相手を理解しながら合わせている様子でした。とても息のあった二重奏でした。フルートの名曲は、協奏曲や四重奏曲、ハープとの曲などいろいろありますが、その他に、今日演奏された様ないい曲が沢山あるのですね。オーケストラバックに編曲されて、管弦楽版で弾かれても良い様な気がしました。

尚、山本さんのトークでは、今年の秋から一年間パリに留学して、フルートをさらに学び研鑽するとのことでした。

今日は、短い時間でしたが、皆さん上級者といった風の演奏が聴けて、暑い中足を運んだ介がありました。