エレン・ペイジがブレット・ラトナーをアウティングとハラスメントで告発 (original) (raw)

Ellen Page
Ellen Page / Gage Skidmore

カナダの女優エレン・ペイジが、18歳のとき映画監督のブレット・ラトナーからアウティングされ、嫌がらせを受けたと公表しました。彼女はまた映画業界で受けてきた他の性暴力についても触れ、「職場ではわたしの安全は保障されなかった」と述べています。

詳細は以下。

Ellen Page Accuses Director Brett Ratner Of Homophobia And Harassment

エレン・ペイジは10歳でデビューし、2014年にレズビアンとして公にカミングアウトした人です。その彼女が2017年11月11日、Facebookで、子供の頃からの女優生活で経験した性的ハラスメントや虐待について綴った長文を発表しました。あまりにつらい内容でとても逐一訳せない(読んでるだけでもつらい)ので、以下に彼女が受けてきたと言っている被害をざっくり箇条書きにしてみます。

ブレット・ラトナーの件については、同じ映画に出ていたアンナ・パキン(Anna Paquin)がエレンにTwitterでこう呼びかけているのが泣けます。

I was there when that comment was made. I stand with you .@EllenPage https://t.co/DEIvKDXeEL

— Anna Paquin (@AnnaPaquin) 2017年11月10日

訳「あの発言がされたとき、わたしはそこにいた。わたしはあなたの味方」*2

この『X-MEN: ファイナル ディシジョン』という作品には、あたしの好きな(好きだった)シーンがあってですね。マグニートーというミュータントのキャラが、腕にタトゥーで刻まれた数字を見せて「わたしはかつて印をつけられたんだよ、お嬢さん。断言するが、どんな針ももう、わたしの肌には触れさせん」って言うところ。

マグニートーはホロコーストの生き残りで、腕の数字は収容所で囚人の識別用に彫り込まれたもの。現在はミュータントとしてまたもや迫害される立場にいる彼を演じるのは、ゲイの俳優イアン・マッケラン(Ian McKellen)。この三重の意味でマイノリティーなキャラが、抑圧に対してNOをつきつける場面がそれはそれは好きだったんですが――まさかこの映画の製作中、監督自ら年少者・レズビアン・女性というマイノリティーを楽しく迫害してたとはね。『X-MEN: ファイナル ディシジョン』はゲイのメタファーが多いことで知られ、ゲイ・ライツの寓話だと評されている作品なんですが、こうなったらもうライツも何もあったもんじゃないわ。

エレン・ペイジはこのFacebookの告発文でハリウッド全般にはびこる虐待や性的搾取についても縷々述べ、自分がもっとも望んでいるのは被害者たちの回復や、ハリウッドが目を覚まして責任を取ることだと言っています。最後のパラグラフのこの部分、とても大事だと思います。

このようなふるまいを常態化させないでください。間違った行為や犯罪的行為を、深刻さの度合いで比べないで。名乗り出た被害者たちの声に無感覚にならないで。人権を求めることをやめないで。

Don’t allow this behavior to be normalized. Don’t compare wrongs or criminal acts by their degrees of severity. Don’t allow yourselves to be numb to the voices of victims coming forward. Don’t stop demanding our civil rights.