【京都】今宮神社名物「あぶり餅」が美味しい!一和・かざりやを食べ比べ<2023> |じゃらんニュース (original) (raw)

2023.04.06

京都を訪れたらぜひ食べてほしいのが今宮神社の「あぶり餅」。今宮神社の境内前には2軒のあぶり餅屋さんがあり、炭火で焼いた餅の芳ばしい香りが食欲をそそります。

あぶり餅とは、小さくちぎったお餅を竹串に刺して焼き上げたものに、白味噌仕立ての甘いタレをたっぷり絡めた昔ながらの餅菓子。京都在住ライターが実際に行ってきたので、まだ食べたことがない方にもぜひ知ってほしい、あぶり餅の魅力をご紹介します。

あぶり餅とはどんなお餅?

今宮神社境内前で販売している厄除け餅

今宮神社の参道

今宮神社の参道

今宮神社の東門を出ると、2軒のあぶり餅屋が向かい合っています

今宮神社の参道にある、あぶり餅屋の「一文字屋和輔」と「かざりや」。今宮神社に供えられていたお餅のお下がりをいただくことで、無病息災のご利益が得られる縁起物とされたことから、参拝時に立ち寄る茶店として今もなお愛され続けています。

一般的な和菓子屋さんではなかなか目にすることのない「あぶり餅」という餅菓子。いったいどんな味なのか気になりますよね。

あぶり餅の作り方はいたってシンプル。まずはお餅を一口サイズに小さくちぎり、竹串に刺したらきなこをまぶします。その後、炭火で丁寧にあぶり、仕上げに白味噌を使った甘辛いタレにくぐらせて完成です。

焦げ目がつくほどしっかりと焼き上げられたお餅に、あっさりとした白味噌タレがたっぷりとかかっていて、甘じょっぱさが癖になる美味しさです。

あぶり餅 一和(一文字屋和輔)のあぶり餅

創業1000年の味わいを歴史とともに町家で満喫

あぶり餅 一和(一文字屋和輔)

今宮神社の東門を出て左側にあるのが「一文字屋和輔(いちもんじやわすけ)」、通称“一和”さん。

こちらの創業は長保2(1000)年の平安時代。およそ1000年以上もの歴史を持つあぶり餅の専門店といわれており、昔から脈々と受け継がれてきた伝統の味を、今も変わらず提供しています。町家づくりの店内には、ゆったりとした時間が流れています。

あぶり餅 一和(一文字屋和輔)

「一和」のあぶり餅は1人前11串600円。お店のメニューはあぶり餅のみです。注文をすませたら、お餅の焼き上がりを待ちながらまずはゆっくりとお茶をいただきましょう。

お餅がやわらかいうちに食べるのが一番美味しいので、出来立てが提供されたらすぐに味わうのがおすすめです。

あぶり餅 一和(一文字屋和輔)

店頭では作っている様子を見ることができます。

まずは竹串に刺した一口大のお餅を備長炭であぶっていきます。この焼き上げる工程は、今も昔も変わらず職人さんによる手作業。火のあたり方を見ながら、絶妙に焼き加減を調整しています。お餅のこんがり焦げた香りが鼻をくすぐり、パチパチと炭の弾ける音にも風情が感じられます。

あぶり餅 一和(一文字屋和輔)

焼き上げられたお餅は、白味噌を使ったタレをたっぷりつけて提供されます。

「一和」のあぶり餅は、あっさりとした味わいが特徴。1人前11串と聞くと、量が多くて食べ切れないかも…と思われるかもしれませんが、甘さとしょっぱさのバランスが絶妙なタレの味わいと、親指ほどの小さいお餅の組み合わせは絶品。

気づけば11串、ペロリと完食してしまっているはず。お店にいるお客さんを見ていると、1人で2人前を注文している方もちらほらいました。

3人前からお持ち帰り用も注文できるので、お土産にすることもできますよ。

■あぶり餅 一和(一文字屋和輔)
075-492-6852
京都府京都市北区紫野今宮町69
10時~17時
水(1日、15日、祝日の場合は営業、翌日休み)、12月16日〜 31日
【電車】京都市営地下鉄 北大路駅より徒歩20分【車】名神高速 京都南ICより40分
40台(店舗利用の場合、今宮神社ダイワハウスパーキング1時間無料券配布)
「あぶり餅 一和(一文字屋和輔)」の詳細はこちら
「あぶり餅 一和(一文字屋和輔)」のクチコミ・周辺情報はこちら

かざりやのあぶり餅

昔ながらの製法と地産地消にこだわりあり

あぶり餅 本家 根元 かざりや

今宮神社の参道に並ぶあぶり餅屋、もう一軒は「かざりや」さんです。

「かざりや」のあぶり餅は、地産地消にこだわった素材の味を生かし、昔ながらの製法で作られています。かつて庶民にとって特別な食べ物だったお餅。それを誰もが味わえるようになった江戸初期から、「かざりや」は門前茶屋を営んでいるのだそう。老舗でありながら、茶屋の身近な雰囲気で、気軽に立ち寄れるのが嬉しいところです。

あぶり餅 本家 根元 かざりや

「かざりや」のあぶり餅も値段は1人前600円です。こちらでも、急須で淹れた美味しいお茶をいただきながら出来上がりを待ちます。

表には靴を履いたまま座れる椅子席が並んでいて、奥には立派な中庭を眺めながらゆっくり過ごせる座敷席があります。来店するタイミングによっては満席で待つことも多いのですが、お客さんの滞在時間が比較的短いためか、待っている人数の割にはスムーズにお店に入ることができました。

あぶり餅 本家 根元 かざりや

入り口では炭火でじっくりとあぶられていく様子を見られます。ときどき職人さんが風を送りながらひっくり返し、時間をかけて焼き上げられていきます。

表面が少し黒くなるほどしっかりお焦げがついたら完成です。お焦げ部分のサクサクとした食感とほろ苦さも、焼きたてだからこそ味わえるあぶり餅の美味しさの一つですね。

「かざりや」のあぶり餅は、白味噌の風味がしっかりと感じられる、京都らしい味付けが特徴です。滑らかでとろけるような舌触りのお餅に、コクのある白味噌タレをたっぷりと絡ませていただきます。最後に残るタレももったいないほどの美味しさでした。

「かざりや」でも、3人前からお持ち帰り用の注文ができますよ。

■あぶり餅 本家 根元 かざりや
075-491-9402
京都府京都市北区紫野今宮町96
10時~17時
水(1日、15日、祝日の場合は営業、翌日休み)、12月16日〜31日
【電車】京都市営地下鉄 北大路駅より徒歩20分【車】名神高速 京都南ICより40分
40台(店舗利用の場合、今宮神社ダイワハウスパーキング1時間無料券配布)
「あぶり餅 本家 根元 かざりや」の詳細はこちら
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今宮神社のお参りとともに楽しもう

疫病を鎮める、疫神を祀った今宮神社

今宮神社

あぶり餅を食べる前に、まずは今宮神社に参拝を。今宮神社は正歴5(994)年、京都で流行していた疫病を鎮めるため、疫神を祀ったことが起こりである神社です。毎年4月第2日曜には京の三奇祭の一つである「やすらい祭」が催行され、一年間の無病息災を祈ります。

西陣の八百屋に生まれ、五代将軍徳川綱吉の生母にまで上り詰めたことから、「玉の輿」の語源になったといわれる“お玉さん”こと桂昌院ともゆかりの深い神社です。

今宮神社

境内には、疫神を祀った「疫社」や、機織の神様を祀った「織姫社」などいくつものお社があります。お参りをする際にぜひ見つけてほしいのが、宗像三女神を祀った「宗像社」の台石にあるナマズの彫り物。

このナマズはこのお社に祀られた女神たちの使いで、願いを神へと届けてくれる存在なのだそうです。

今宮神社

ナマズ姿の「三姫守」は3種類。こちらはあせりをなくし心を鎮めるといわれる「多紀理姫守」

宗像三女神は志を持つ人を導く神で、美を司る“弁天さま”としても親しまれていることから、今宮神社では願いを神様に届けてくれるナマズの姿のお守り「三姫守(初穂料800円)」を受けることができます。

色の組み合わせ違いで3種類があり、真心を養う、迷いを払う、心を鎮める、などそれぞれにご利益も異なるので、自分の願いや悩みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

■今宮神社
075-491-0082
京都府京都市北区紫野今宮町21
[参拝時間]拝観自由(社務所受付9時〜17時)
なし
【電車】京都市営地下鉄 北大路駅より徒歩20分【車】名神高速 京都南ICより40分
44台(最初の60分100円、以降30分100円)
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まとめ

京都に住む人にとっては身近で馴染み深いあぶり餅。今宮神社の歴史と京都の食文化が融合した、由緒あるあぶり餅はぜひ味わってみてほしい一品です。シンプルな製法ながら、お店ごとに焼き加減やタレの味が違うのがあぶり餅の奥深いところ。2軒の味を食べ比べして、その違いを探るのも楽しいですよ。

お店のある紫野エリアは、京都市内でも比較的混雑が少なく静かに過ごすことができる場所です。今宮神社をお参りしてから、のんびりあぶり餅を味わって、思い出深い旅を楽しんでくださいね。

※この記事は2023年4月4日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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