映画「We Margiela マルジェラと私たち」を見てマルジェラの【秘密】が分かった話 (original) (raw)

こんにちは、自問自答ファッション通信あきやです👗

さてさて、今回はマルタン・マルジェラさんのドキュメンタリー映画について語ります✨

前回は「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」(2019年)の話をしましたが、今回はもう一本の作品「We Margiela マルジェラと私たち」(2017年公開)を見てみました!

このタイミングで観て本当によかったです……🙏知れば知るほどマルジェラさんのイメージが変わっていきます。私は、おそらくブランド「マルタン・マルジェラ」に対して長年大いなる誤解をしていました。それもそのはず、だって本人からも、誰からも「語られていなかった」のですから……!

今回、ブランド立ち上げからのマルジェラさんの相棒であるジェニー・メイレンスさんのインタビューと「We」つまりメゾンメンバーのインタビューを観て、じわりじわりと謎が解けていく感触がありました。

ドキュメンタリーの中では
「タビブーツ」たくさん出てきます!
タグのステッチの誕生秘話が観られます!

マルジェラファンの方、一点でもアイテムを持っている方は必見です✨そして「マルジェラの良さがまだ分からない」という方もぜひぜひぜひ観てほしいなと思いました。

私のおすすめは
先に「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」を観てから「We Margiela マルジェラと私たち」を鑑賞した方がいいかなと思いました!(マルタン・マルジェラさん本人が語るのを観ると人となりがわかるからです、顔は出していませんが)

今回も映画のネタバレありの感想(私個人の解釈を含む)です🙇‍♀️
内容を知らずに見たい!という方はご注意ください↓↓↓

👀大いなる誤解をしていました👀

前回の記事でも述べましたが、私は「メゾン・マルジェラさん」のことを勝手に「皮肉屋さんでクールで人を寄せ付けない尖った人」だと思い込んでいたのです。だって、今まで全然「言葉」で語られてこなかったのですもの!

白衣を着たスタッフに囲まれて驚くほどにミステリアス……。とてもかっこいいけれど「言葉ばかりで語ってしまう自分」との差がありすぎて「尊敬」を超えて「畏怖」の気持ちで眺めていました。

この2本のドキュメンタリー映画を観て私の考えがかなり表面的(深く考えていなかった)だったな……と反省しました。

🌱実際のマルタン・マルジェラさんはこんな人物でした🌱

マルジェラさんはファッション界ではとても珍しい「顔を出さない」デザイナーさんです。一貫してマスコミに顔写真を撮らせず、自然に自由に生きることを望みました。

最初はインタビューを受けていたそうですが、途中からマスコミの報道が嫌になって受けるのを辞めてしまいます。そこからどんどん神秘化されてしまい、謎が深まっていったのです。

前回今回含め、マルジェラさんについて語られた人物像はこんな感じです↓

・真面目で熱心で親切で、かなりシャイ
・創作が好きな職人さん
・いつも帽子をかぶっている
・現実離れしていて前衛的
・派手さがない
・パーティーに行かない
・流行は関係ない
・マスコミ嫌いでインタビューに答えなくなった
・知的さゆえの孤独感
・内向的で超現実的
・周りぐどい表現
・ヴィンテージを愛している
・最初に決めたイメージを決して壊さない
・顔は見せないが名前を売りたい(両親に喜んでほしい)と思っている
・アトリエで普通〜〜〜に掃除機をかけている
・デザイナーを引退してからは旅行に行ったり、掃除したり、絵を描いたりしている

マルジェラメンバー全員で写っている「集合写真」があるのですが、一席だけ空席になっているのです。
その写真についてマルジェラさんは
「僕は姿を見せないことで存在するんだ」と語っていて、とんでもないコンセプチュアルな人だな……!と思いました。(マルジェラさんを一言で表すようなエピソードでした。)

💡マルジェラだけ明らかに「違うゲーム」をしている💡

ここから私の考えです。マルタン・マルジェラ(現在のメゾンマルジェラではなく、マルジェラがいた頃のブランド)はファッション界の異端児です。明らかに同じゲームにエントリーしていないんです。

映画の中で「マルジェラは半端な気持ちじゃいられない宗派(セクト)である」という表現があってなるほどな〜〜〜〜と思いました。

ファッションブランドじゃなくってファッションセクトなんですね。アートであり、コンセプチュアルであり、脱構築的。ファッション界で他のどのブランドとも「違いすぎて」「比べられない」のです。

本当に「服」じゃないもの=ある種の概念や信仰を作っていたんだなと思いました。これが今回私が行き着いた「マルジェラの秘密」でした

ファンも、スタッフも運命共同体として一緒に成長し、彼の作品を理解できる人しか買わないように作られています。なのでファッションの保守派からは反対意見も多いのです。

👗マルジェラを着た人たちについて、こんなことが語られています👗

「自分は目立たず美しくないと思っていた人が、マルジェラを着ると自信が持てた。」
「マルジェラは何百人もの人生を救った」
「それぞれの個性がリアルにそのまま出る服だ」
「白はその人を映し出すスクリーンだ」
「ファッションの世界では女性が常に美しすぎる、別の女性像を示したい」

🪡「We」の理由🪡

コレクションについて語らなくなったマルジェラさんに変わり、チームとしてマルジェラメンバーが動くようになりました。リーダーが「私は」と語るのではなく、チームが「私たちは」と語られます。職人さんやメンバーへの敬意も含め、そのミステリアスな運命共同体について「We」という呼称が使われるようになったのです。(しかし、Weを使うことで良くも悪くもそれぞれの個性は薄まってしまいました。

マルジェラの持つ「匿名性」「無名性」。これは明らかなるカリスマ「マルタン・マルジェラ」が「語らなすぎて」ブランド自体が神格化されたのが理由のようです。

🌏人と同じゲームをしない方へ🌏

前回のブログではこんなキーワードの方にメゾンマルジェラの服をおすすめしました。

ミステリアス・謎・異質・エッジー・アヴァンギャルド・破壊 真面目・マメ・自由・知的 自分の性的な魅力を気にしない女性

そして今回さらに加えたいのは
「人と同じゲームをしていない人」です。

会社や友人関係の中で、批判や比較にもみくちゃにされることなく「私の決めた道はこっちなので」と思える人(しかし内向的でやさしい人)がマルジェラの理念に合っているな……と感じました。

💡そして、今はまた進化を遂げている💡

そしてですね…!さらにさらに複雑極まりないのですが、現在のクリエイティブディレクターであるジョン・ガリアーノさんはまた全然違った手法で「マルジェラ」を再々構築していらっしゃいます…!ファッション関係者の中でもかなり「昔のマルジェラじゃない」とざわめかれていますね👀私もそう思います!!
体験型イベントのシネマ・インフェルノも色々衝撃でした…!!

その変化も含め、新たな気持ちで見つめていきたいなと思っています。とても興味深いドキュメンタリーでした!
ファッションをもっと深堀したいという方はぜひ観てみてくださいませ🎞️

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