介護現場に対しての無理解 (original) (raw)
今に始まったことではありませんが、近頃また、介護現場に対しての無理解から、現場の職員の頑張りを否定するような声が目立ちます。
いちいちそういう声に目くじらを立てず、目の前の仕事に集中するべきなんでしょうが…。
さすがに一言くらいは言わせてもらおうかと思います。
久しぶりのブログが文句…というのも何ですが、感情のままに書きなぐるというスタンスでやっていますので、言わせてもらいます。
介護現場への無理解
人様のことに対して口を挟んでくるのは、大体自分達には火の粉が降りかからず、安全圏から好き勝手言える人達だと思っています。
中には、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人達や、メディア関係の人達もいるようです。
介護現場に限ったことではありませんが、間違った情報や誤解を招くような情報は、それがそのまま信じられてしまう危険があります。
大袈裟かもしれませんが、下手をすると国にもそういった悪いイメージを持たれてしまうかもしれません。
きちんと現状やデータを調べた上での発信ならまだしも、
憶測でものを言われたんじゃたまったものではないです。
私が最近耳にした内容と、それに対する意見を書きます。
認知症がある人の暴力は無くせる
介護現場での職員の悩み、苦労の理由で上位になるであろうテーマです。
利用者からの暴力、暴言に悩む職員に対して、
「暴力があるのは職員の対応に問題がある」
「利用者に寄り添えば暴力は無くなる」
「暴力を避ける能力を持つべき」
などの声がありました。
確かに、職員の対応しだいで暴力や暴言は「減らす」ことはできるとは思います。
しかし、相手は人間であり、病状、生活、性格などは一人ひとり違います。
そんな簡単にいくものではありません。
(簡単に済むなら世の中からケンカなんて無くなってますね)
だからこそ我々は専門職として、その人を知るためにコミュニケーションをとり、言葉ひとつとっても工夫しています。
音、室温、排泄、生活歴などを把握して、日々奮闘しています。
暴力があれば、その前後の様子を調べ、必要に応じデータを集め、対応を考え、振り返っています。
何もしてないなんてことはありません。
また、「暴力を避ける」というのは、ただ物理的に「避ける」といっても、避けた先に壁やサイドレールなどに利用者の手が当たらないよう気をつけています。
更には、暴力を未然に防ぐ…要はそういう行動を利用者がとらないように、先回りして対応できるものはしています。
大体、ケースは一つひとつ違うのに、それを一括りにして、
「暴力があるのは職員の対応に問題がある」
「利用者に寄り添えば暴力は無くなる」
なんて、よく言えるよなあと思います。
見てもいないのに。
ケアマネは何もしていない
ケアマネは担当の利用者に対して何もしていないとか、
担当利用者に食料品などの物資を届けるべきとか、
病院の受診の付き添いをすべきとか。
この辺りの話は一時ネットで話題になりました。
そもそも、ケアマネの業務は決まっています。あれもこれもを業務外でできないし、
ケアマネは何でも屋でも御用聞きでもありません。
もし物的な支援が必要なのであれば、そちらに繋ぐし、
それはあくまでも利用者にとって「必要」と判断された場合です。
何がその人の困りごとで、
どのような支援をいつまでどのくらい行うことで、
その人の生活がどう変わることが期待できるか。
これをアセスメントの元、ケアプランとして形にします。
これは施設も居宅も同じですね。
何でケアマネがいて、重要な介護保険制度に関わることが許されているのか。
それが「必要」だからです。
ここを考えて欲しいものです。
もしケアマネが不必要とか無駄なのであれば、
とっくになくなってますよね。
もし仮に24時間365日、大小問わずニーズやデマンドの対応をしてほしいなら、お手伝いさんでも雇うことです。
介護保険の範疇を超えています。
介護職員の意識が低い
これも時々見かけますね。
「仕事をしない」
「文句ばかり言う」
「レベルが低い」
などです。
全国を探せばそういう人はいるかもしれませんが、
全部がそうではないし、
もし仮にそうであればその事業所はとっくに指定取り消しになっているし、
加算もないし、ましてや介護報酬など得られません。
大体、意識が低い人がいるのは他の職種でも同じでしょう。
何故介護職員だけを一括りにして決めつけるのでしょう。
介護の仕事は正解がないものでもあるので、もしかしたら利用者にとって不利益なことが出る場合もあるし、
おむつ交換や入浴介助などのデリケートな場面で利用者の同意が得られず、致し方なく2人介助で行うこともあります。
何もしない方が利用者にとって不利益だから。
そういう場面でもできる限りの配慮をし、どうすればできる限り不快なくケアを受けれるかを日々模索しています。
例えば私なら、これくらいの工夫はしています。
ただ機械的にやっているわけではありません。
おわりに
無理解な言葉は現場で働く介護関係者を傷つけます。
もし介護の現場を知りたければ、いつでもどうぞ。
全国で頑張っている介護関係者が色々と教えてくれますよ。
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