【こち亀】73巻の全話あらすじ紹介 人間クレーンゲームで大儲け! 白鳥麗次が再登場! 両さんの名前がついた彗星が大暴れ! 東京の水はマズい!? (original) (raw)
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」73巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1992年1月発売)
●甘露を求めて!!の巻
ストーリー
派出所の水道の蛇口に、部長の付けた浄水器があったことから、中川・麗子・寺井から東京の水は消毒臭くて、まずいとの話題に。
この話題に東京育ちの両さんは憤慨。水道水の代わりにミネラルウォーターを使う風潮に激怒する。
しかし、ミネラルウォーターを地下水として掘り当てればお金になると考えた両さんは、派出所の裏の土地を採掘。想定外に温泉を掘り当てる。
温泉で一儲けに方針転換した両さんだったが、温泉はすぐに枯れてしまう。両さんは温泉の素を使ってマスコミの取材を誤魔化そうとする。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、屯田五目須(署長)
前半は東京の水道水とミネラルウォーターの話、後半は温泉を掘り当てる話。
タイトルの甘露は、中国の伝承の霊薬。
麗子は派出所でお茶やコーヒーを淹れる際もミネラルウォーターを使用しているのに、両さんのを淹れるときだけは水道水を使っていることが明かされる。
温泉を掘削する話は、141巻「両津温泉物語の巻」でも掘っている。141巻では全部手作業で掘っているが、今回は火薬も用いて掘っている。
掘っている場所について、両さんは「ここなら署の土地だからな」と語っている。しかし、他の話では地主から警察が土地を借りていると語られているときもある。
●恐怖の剣道仮面!の巻
ストーリー
部長の代理で町会の子供たちの剣道の稽古をつけることになる。マリアを伴っての稽古は相当苛烈なものとなる。
両さんは礼節や基礎を重んじる部長のやり方とは異なり、勝つための指導をする。
後日、両さんは亀戸署との交流剣道大会に出場。優勝すれば署長から高級フランス料理のフルコースを奢ってもらえると聞き、発奮した両さんは見事優勝を飾る。
しかし、ズレないよう形状記憶合金で締め付けるように改造した面が外れなくなる。仕方なく剣道の面を装着したまま電車に乗り、銀座七丁目の高級フランス料理店に入っていく。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、麻里愛、屯田五目須(署長)
前半は子供たちの剣道の稽古をする話、後半は剣道の面が外れなくなる話。
前半の稽古で、剣道歴15年のマリアと打ち合い面がズレてしまったのが、後半の形状記憶合金で締め付ける仕組みを作るきっかけになる。
近年のフランス料理の説明を麗子がする際、実在の料理人ポール・ボキューズの名前を出して説明している。
署長が奢ってくれるフランス料理店の名前は「ポアトリン」。元ネタは特撮ドラマの「美少女仮面ポワトリン」か。
●ボーナス戦線異状なし!の巻
ストーリー
明日はボーナスの支給日。商店街の借金取りたちはボーナスを狙ってくるが、今年からボーナスは口座振り込みのため、力づくで現金を奪う方法は使えない。
ボーナス支給日に商店街の面々は、逃げないよう両さんに張り付いて見張ってくる。観念した両さんは通帳を借金取りに渡すが、それは両さんの作戦。借金取りがボーナスを引き出すより前に、キャッシュカードで全額引き出して現金化する。
さらに両さんは、下ろした現金を借金取りに奪われることを想定し、ボーナス100万円を高価な切手に換えて、借金取りの身体検査をやり過ごす。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、尾崎(プラモ屋)
43巻「ボーナス争奪戦!の巻」53巻「ボーナス争奪戦!!の巻」に続く商店街とのボーナス争奪戦の話。
タイトルの元ネタは「西部戦線異状なし」。
両さんのボーナス支給額は75万3210円。給料と同時支給のため、今回の振り込み額は合計100万58円となっている。
両さんは商店街から借金するだけでなく、購入したRPGのファミコンのRPGソフトを8時間でクリアし、同日に「不良品」と言って返品したり、本屋で「サザエさん」全68巻を1時間で立ち読みしたり(1巻1分未満?)と、あくどい行為を繰り返していた。
このボーナス争奪戦は、翌年の78巻「ネオ・ボーナス争奪戦!!の巻」に続く。
●星に願いを!の巻
ストーリー
寺井、戸塚と夜勤をしている両さんは、意外にも星に詳しく、二人に星座や惑星についての知識を披露する。おまけに視力も良く、中川たちに見えなかった昼間の金星を簡単に見つけるほど。
天文学者になれるかもと、おだてられ、その気になった両さんは天体望遠鏡を買って、長野県で天体観測をしていると、七色に輝く彗星を発見。
七色に輝く新彗星発見のニュースは世間で話題となり、両さんは関連グッズで商売を始めるが、肝心の彗星は爆発して消滅してしまう。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、戸塚金次
彗星を発見する話。
新彗星は3人まで発見者の名前が付けられるので、**「ジョン・ポコチンという外人も同時に発見してたら… 『両津・ポコチン彗星』という名で永遠に残ってしまう」**と両さんは心配していた。
彗星の発見自体は、それほど珍しくないが、両さんの発見した彗星は、前例のない色の変わった彗星だったため、大ニュースとなったのだった。
両さんが星座に詳しいのは、小学校のときの担任が天体を好きで生徒たちに望遠鏡をのぞかせるなどをしていたのを覚えていたから。
●年の始めの御挨拶の巻
ストーリー
浅草の実家の年末の大掃除を手伝っていた両さんは、掃除して出てきた古伊万里の大皿を部長宅への年始の挨拶に持っていくことにする。
年が明け1991年になり、古伊万里の皿を持って部長宅を訪れる両さんだったが、おせち料理も出してくれず、衛星放送のアンテナ設置などの雑用を申し付けられてしまう。
両さんが雑用をしている間、部長はうっかり両さんの持ってきた年始の挨拶の品を踏んづけてしまう。中川から、中身は古伊万里の皿だと聞かされた部長の態度は豹変する。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、両津銀次、両津よね、大原良子
部長が両さんの年始の挨拶の品を壊してしまう話。
浅草の実家は、代々、物を貯め込んで整理しないため、様々な品が出てくる。昭和31年(1956年)にもらった蕎麦が箱も開けずに、そのまま保管されていた。
両さんは母から古伊万里の皿を焼き物好きの部長に持っていくよう言われたが、部長宅への道中で中川に教えてもらうまで、その価値を知らずにいた。(柿右衛門ではなく梨右衛門作と言ってしまう)
両さんが図々しいからと、両さん用にミニサイズのおせち料理を用意する部長の性格も悪いが、仕返しに高級品を所望する両さんの性格も悪い。
●盤上の熱き舞い!の巻
ストーリー
高級な将棋盤セットを購入した両さんは、将棋が指したくてたまらない。
運転中の中川と指したり、もう一組の駒セットを用いた四人同時指しをしたりと、中川、麗子、寺井を打倒する。
有頂天になる両さんだったが、アマチュア六段の部長の前にあえなく完敗。「あと100年は修行せんとな!」と煽られてしまう。
悔しがる両さんは、棋士の先生に弟子入り。しかし、雑用ばかりで肝心の将棋を教えてくれないので、我慢ができず脱走。
両さんは、策を講じて再度部長に挑む。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一
将棋に熱くなる話。
冒頭、フェラーリを運転する中川と将棋を指すが、運転と将棋の両方を同時にできない中川に苛立ち、両さんが運転を代わる。このとき、「先輩 免許証持ってるんですか!?」と中川に心配される。
四人同時指しでやった最後には、麗子の王将の周りを、両さんの飛車四枚、角行四枚、王将三枚、金将、銀将でぐるり取り囲んで詰んでいた。あの状況になるもっと前に投了できたのでは?
●白鳥麗次再登場!の巻
ストーリー
モテるための若者向けの雑誌に感化され、服装が変わった本田のことをイジっていると、ポルシェに乗って自称“スーパー金持ち”白鳥麗次が現れる。
白鳥は懲りずに麗子をデートに誘う。しつこい白鳥の誘いに、みんなで食事に行くことに。
麗子の前でカッコつける白鳥だったが、エンストしたり、ヤクザのベンツにぶつけたりと、散々な目に遭う。
主な登場人物
69巻「麗子メモリアル」に登場した白鳥麗次の再登場回。
白鳥のあおりから、本田の給料が22万円、両さんの年収が600万円くらいと判明する。
知ったかぶりの白鳥は、愛車ポルシェのエンジンルームが後ろにあることを知らなかった。
冒頭、若者雑誌に感化された本田の髪型はいつものリーゼントではなく、センター分け。雑誌名は「HOT-BOY」。元ネタはおそらく「Hot-Dog PRESS」。
オチは今後恒例となる白鳥の没落パターン。
●突撃!クレーンゲームの巻
ストーリー
両さんはゲームセンターのクレーンゲームが得意で、子供たちに技術指導をするほど。
1回一万円の参加費で、20万円の金やダイヤをつかむことができるクレーンゲームイベントが宝石店で開催されると、両さんは150万円以上の荒稼ぎに成功。
この技術を買われ、中川のツテで、テレビ局の「人間クレーンゲーム」に挑戦することになる。
家電や貴金属、自動車などが景品として出されており、人間がクレーンの先のアームになるゲーム。他の出場者が、重さに苦戦する中、両さんは驚異的な力を見せる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、麻里愛
人間クレーンゲームの話。
ゲームセンターのクレーンゲームで、両さんは100円で複数の人形をゲットしていた。
終盤の人間クレーンゲームでは、1672万円分の景品を入手。正直、このゲームでは技術よりも体力の方が重要な気がする。アゴの力だけでポルシェの重量を支えるのは人間離れにもほどがある。
ゲームセンター、宝石店、人間クレーンとクレーンゲーム三本の構成のため、両さんの転落までには至らない。
74巻「クレーンゲーム チャンピオン大会!の巻」は、この話の続編となっている。
●とっても便利な達筆くんの巻
ストーリー
書いた文字が汚過ぎて、書類が読めないと部長に叱責された両さん。
メーカーの開発部に勤める友人に頼み、自動書道機の試作機「達筆くん」を作ってもらう。様々な書体をロボットアームに付いた筆で書き分けるだけでなく、サンプルデータを入れれば、個人の書体もマネすることが可能。
両さんは部長の書体を「達筆くん」に覚えさせ、仕事の書類はすべて部長の字で提出する。
ある日、300名分の宛名書きを署長から頼まれた部長は、両さんに「達筆くん」で書いてもらうよう依頼してくる。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、屯田五目須(署長)
書道マシーンの話。
パソコンの普及はイマイチだが、ワープロは割と普及してきた頃の話。
自身の悪筆について部長から叱られた両さんは「字なんて読めればいいじゃないすか!」と反論するが、「読めんだろ! お前の字は!」と秒で言い返される。
住所録のデータを入れれば、宛名書きも可能となる「達筆くん」だが、データ入力する方が数時間かかってしまう。
結局、部長に激怒される流れにはなるも、今回は宛名書き自体の目的は達成されているので、激怒されるほどではない気がする。
●続・白鳥麗次再登場!の巻
ストーリー
白鳥麗次の白鳥鉄工は潰れたものの、中川重工の資金援助で再び大企業に戻っていた。
再び白鳥自身も派出所に現れ、懲りずに麗子にデートを申し込んでくる。しかし、麗子が逃げたので、節操もなく、今度はマリアを口説き出す白鳥。
愛車のポルシェが近所の子供たちにイタズラされたため、新しい車を購入しようと、白鳥は外車ショップにマリアを連れていく。
両さんと中川も二人に同行。白鳥は自信満々で三人を案内する。
主な登場人物
自称“スーパー金持ち”白鳥麗次が本物のスーパー金持ちの中川に完敗する話。
一万円札をバラまいて登場する白鳥だが、それらはすべてカラーコピー。「犯罪なんだぞ!」と両さんにツッコまれている。通貨の偽造は国家の転覆にもつながりかねないので、無期懲役も有り得る重罪。
マリアがチンピラに絡まれているのを見て、白鳥が「大変だ すぐ110番に!」と叫ぶ。通常は正しい判断ながら、マリアも含め、両さん、中川と制服姿の警官が三人もいるので、110番の必要性はあまりない。
69巻「麗子メモリアル」で、初登場した白鳥麗次が、本格的に登場。
初期から白鳥のキャラは割と確立しており、息の長いキャラなのに後年のキャラとブレがあまりない。
ちなみにアニメ版の白鳥役は、今を時めく俳優の堺雅人。
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他にオススメは、「こち亀」読者からの人気も高い「突撃!クレーンゲームの巻」。