ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『リコリス・ピザ』 (original) (raw)

劇場情報

1970年6月26日生まれ、米国ロサンゼルス出身。10代の頃からビデオカメラ で映画を撮り始める。1993年の短編“Cigarettes & Coffee”がサンダンス映画祭で注目されたことをきっかけに、同作の要素を膨らませた「ハードエイト」(96)で長編デビュー。その後、高校時代に撮った短編“The Dirk Diggler Story”をもとに70~80年代のポルノ業界の隆盛と衰退を描いた『ブギーナイツ』(97)を発表し、批評と興行ともに成功を収めて一躍人気監督のひとりとなる。続いて、ロサンゼルスに暮らす10数人の男女の24時間をグランドホテル形式で描いた3時間超の大作『マグノリア』(99)も高く評価され、群像劇の名手と目されるように。一方、長編4作目の『パンチドランク・ラブ』(02)では、アダム・サンドラーを主演に迎えてロマンチック・コメディに挑戦し、新たなファン層を獲得する。その次の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)では、20世紀初頭を舞台としたアプトン・シンクレアの小説「石油!」を原作に、ダニエル・デイ=ルイス演じる山師の成り上がり人生と心の闇を壮大なスケールで描き、デイ=ルイスとともに多数の映画賞を受賞した。続く6作目の『ザ・マスター』(12)では、デビュー作以来の常連である故フィリップ・シーモア・ホフマンを50年代に台頭した新興宗教の教祖役、ホアキン・フェニックスを教祖に傾倒する帰還兵役に据え、男ふたりの愛憎入り交じる関係を重厚に描写。フェニックスとは、トマス・ピンチョンの小説「LAヴァイス」をベースにした7作目『インヒアレント・ヴァイス』(14)でもタッグを組み、70年代カリフォルニアのヒッピー崩れの私立探偵が犯罪に巻き込まれていくスラップスティックコメディーを作り上げた。第8作目『ファントム・スレッド』(17)では引退宣言していたダニエル・デイ=ルイスと再びタッグを組み、完璧主義の仕立て屋とミューズの愛憎劇を描き出し、アカデミー賞®衣装デザイン賞を獲得した。 劇映画以外では、フィオナ・アップル、レディオヘッド、『リコリス・ピザ』主演のアラナ・ハイムが属するバンド、ハイムなどのミュージックビデオを監督。また、ジョニー・グリーンウッドとイスラエルの音楽家シャイ・ベン・ツールがインドのミュージシャンたちとともに制作したアルバム 「JUNUN」のメイキングドキュメンタリー「JUNUN」(15)、レディオヘッドのトム・ヨークのソロアルバム「ANIMA」のためのショートフィルム「ANIMA」(19)なども発表している。