瞑想と散歩でエネルギーを正しく使う:世界中を飛び回る社会起業家レイラ・ジャナの仕事術 (original) (raw)

瞑想と散歩でエネルギーを正しく使う:世界中を飛び回る社会起業家レイラ・ジャナの仕事術

著者堀込泰三

2014.07.28 lastupdate

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ第76回。マイクロソフトのリサーチャーであるダナー・ボイド(danah boyd)さんに続く今回は、雇用のない社会に仕事を生み出す起業家、レイラ・ジャナ(Leila Janah)さんにインタビュー。

多くの起業家にとっての目的は、お金を得ることや商品を創ること。しかし、レイラ・ジャナさんは、もっと大きな野望を胸に抱いています。彼女の会社「Samasource」は、貧困に苦しむ人たちによるオンラインでの職探しをサポートしています。

同社の目標は、2016年までに、東アフリカから南アジアに至るまで12万人の女性、若者、生活保護受給者を支援すること。気の遠くなるような目標ですが、ジャナさんとそのチームは、実現を目指して日々仕事に取り組んでいます。また同社では、より良い世界を創るため、ほかにも2つのプロジェクトを進行中なのだとか。そんなジャナさんの仕事術を聞きました。

氏名:レイラ・ジャナ(Leila Janah)

現在の職業:Samaグループ(SamasourceSamahopeSamaUSA)CEO

現在のコンピュータ:MacBook Air

現在のモバイル端末:iPhone 5、使い古しのiPad mini、Kindle

仕事スタイル: 情熱的に

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

1. 53の「Paper」と「Pogo Connect」:私は、8歳から日記を続けていて、何でも絵に描きます。それは、サイトのモックアップだったり、次のミニドキュメンタリーの構想だったり。去年アフリカから戻る飛行機でPaperを使っているときにひらめいたアイデア(下図)が、「Smahope」の新しいインターフェースにつながっています。

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2. 「TUMI」の大きなトートバッグ:昨年は150日間出張をしていたのですが、そのすべてにおいて活躍してくれました。メークからイエローカード(黄熱予防接種証明書)、パスポートに至るまで、何でも出てくるそのバッグは、さながらメリーポピンズの鞄のようです。これなしでは外出できませんね。

3. 「Kindle」アプリ私が持つ唯一のヘルシーな中毒症状を満たしてくれます。多くの女性が靴を買うような感覚で本を買っています。

4. 「Evernote」:脳内で行われている並列処理を、わかりやすく可視化してくれます。

5. オフィスの金属製の柱に貼り付けたマグネット:私にとって、現場(ハイチ、インド、ケニア、ウガンダ)の近くにいることが重要なのですが、サンフランシスコからウガンダの農村部まで30時間もかかることを考えると、いつでも近くにいることはできません。なので、できるだけ「現場」を持ち歩くことにしています。マグネットを使って、私にインスピレーションを与えてくれるものをオフィスの壁に留めているのです。例えば、アフリカやアメリカの同僚との大好きな瞬間の写真、世界中の訪問先で集めてきた織物(最新のオフィスデザインはここから着想を得ました)、都市近郊出身の若手ボクサーが表紙の『Victory Magazine』(数年前まで女性にボクシングを教えていました)、SamaUSAの新プログラムを立ち上げたばかりのミシシッピーデルタに関する古い記事などが貼ってありますね。

── 仕事場はどんな感じですか?

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オフィスはサンフランシスコのMission St.と16th St.の交差点にあるのですが、打ち合わせはほとんど、散歩をしながら行います。魅力的な障害物の数々を、うまく回避しながら。オフィス周辺のエリアは、社会的正義に対する私の興味を満たしてくれます。もはや、座っていてはいいアイデアにたどり着けません。

私が世界中で展開している仕事のほとんどは、職場周辺で毎日のように目にするシーンを参考にしています。好景気に沸くエリアに取り残されたホームレスの人たち。新しいアメリカンドリームを求めてひしめき合う店主たち。動き続けていれば、心も動きます。先日実施した組織再編は、オフィスからDoleres Parkまでの長い道のりを歩きながら、数週間かけて考えたものです。友人のJon Matasに描いてもらったオフィス入口の巨大壁画も、アートがあふれるClarion Alleyを歩きながら思い付きました。味気ないビルの典型的なオフィスで仕事をする自分の姿は、想像できませんね。

── お気に入りの時間節約術は何ですか?

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1. GmailのショートカットとiPhoneアプリ「Mailbox」が、私の人生を変えました。BlackberryからiPhoneに乗り換えたら、メールの管理が格段に効率的になりました。処理時間が減った分、メールをじっくり読むことができ、返信も大量生産できています。

2. 瞑想とヨガをしています。瞑想は毎朝30分から1時間やるようにしていて、ヨガは週に3~4回、サンフランシスコのUrban Flowかオンラインの「YogaGlo」で、2時間クラスを取っています。これらをサボると、効果が目に見えてわかります。もともとは、瞑想とヨガの神経的・心理学的メリットなんて、眉唾だと思っていました。でも、どちらも私の感情と反応の間に距離を置くのに役立っています。他の起業家と同じように、私もエネルギーにあふれる情熱的な人間なので、このエネルギーを見境なく使うのではなく、うまく手なずけて、適した場所に使うことが必要なのです。

3. 私は、所有にこだわりません。旅先でモノがなくなったり、屋外駐車場に停めていいたクルマが車上荒らしにあったり、ウガンダの道を歩いてお気に入りのブーツが泥だらけになったりしても、それらにいちいち腹を立てるのをやめました。それから多くの時間が生まれ、友情や人間関係の構築にあてることができています。例えば、同じお金をかけるなら、高価な腕時計を買うよりも、友達と旅行に行く方が好きです。これは、ミレニアル世代と呼ばれる私たちの世代に共通しているような気がします。この世代は、共有型経済に抵抗なく参加しています。

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── 愛用中のToDoリストマネジャーは何ですか?

Evernoteです! ToDoリストの作成は仕事の一環です。それから、レシート、健康記録、写真などを問わず、入手した文書はすべて、アプリに取り込みます。「Pogo Connect」のスタイラスで操作できる、音声、絵、手書きメモを保存できるアプリ「Penultimate」を友達に教えてもらいました。ペンと紙を使って書くと、脳が異なった働きをすることが最近の研究で明らかになっています。ページ上に文字を書いていく作業が、クリエイティビティを刺激するのです。私もそのことは実感していてるのですが、わざわざ予備のノートを持ち歩くのが大嫌いで。だから、妥協案として「Penultimate」を使い始めました。いまのところ、いい感じです。

── 携帯電話と PC 以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

ダンスシューズとiPad miniです。iPad miniは、私のお絵かき帳であり、図書館であり、メモ帳であり、カメラであり、外の世界へのチャンネルであり。ダンスシューズは、私にとってのセラピーです。バレエを10年間やっていたのですが、才能の限界を感じて、サルサのクラスを始めました。ブラジルに住んでいたときにサンバの踊り方を習得していて、数年前には、サンフランシスコカーニバルのパレードで踊ったこともあります。踊ることをとがめられたら、何をしたらいいかわかりません。

── 日常のことで「これは他の人よりうまい」ということは何ですか?

人間の本質に希望を持つことです。世界の貧困問題は、私たちが生きている間に解決できると思います。この希望への秘訣は、メンターと影響力のある人以外にはありません。数カ月前、スターバックスCEOのHoward SchultzさんがSamasourceについて知り、本を何冊かすすめてくれました。南極探検隊を取りあげた『Endurance』(Ernest Shackleton著)をはじめとして、それらが非常に役立っています。道徳哲学者のThomas Poggeさんと働いていた駆け出しのころには、、グローバル正義のコンセプトについて、Poggeさんが教えてくれました。特に彼の著作『World Poverty And Human Rights』は、必要としている人を助けるという道徳上の義務感に対する私の理解を、完全に変えてしまいました。

── 仕事中、どんな音楽を聴いていますか?

お気に入りのラジオ局「KCRW」(地元ロスの局です)をストリーミングで聴いています。それに、Pharrell Williamsの曲も大好き。彼は天才だと思います。

── 現在、何を読んでいますか?

同時に何冊か読む習性があります。今週読んでいるのは、『The Thinking Pilot's Flight Manual』『The Brain That Changes Itself』『The Hard Thing About Hard Things』、そして、Kate Hepburnの自叙伝である『Me』です。

── あなたは外向的ですか、内向的ですか?

たぶん、どっちでもあります。何よりも人を愛していますが、毎日ひとりの時間がないと疲弊します。そのためにも、瞑想が便利です。

── 睡眠習慣はどのような感じですか?

寝られるときに寝られる場所で寝ます。睡眠モニターとして「Fitbit」を使いたいのですが、そのためにはFitbitをセットアップして、実際に身に付けないといけませんよね。学生時代は夜型でしたが、Samaを始めてからは早起きになりました。朝のうちに仕事を進めておかないと、日中は怒涛の会議で埋まってしまいますから。日の出とともに目覚めてコーヒーを飲んだあと、瞑想か、恋人と朝食をとるのが日課です。

── あなたが受けたものと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

Howard Schultzさんです。彼の創った会社(Starbucks)は、客とスタッフにインスピレーションを与えることで、爆発的に成功を収めました。その後、一度は去ったものの、経営不振に陥ったときに復帰し、見事に立ち直らせたのです。それもこれも、並々ならぬ気概と謙虚な姿勢のたまものと言えるでしょう。彼がどのように自分の時間を作っているのか、興味がありますね。

── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

私の両親がインドから渡米したばかりのころ、初めての住宅ローンにサインするのに、とても緊張したそうです。私の祖母はベルギー人で、1948年に祖父とカルカッタで出会うまで、世界中をヒッチハイクしていたような人でした。その日、祖母が父にこう言ったんだとか。「そんなに心配いらないよ。世界を信じなさい。それは広大で美しく、素晴らしい場所なのだから」。この言葉、魔法みたいだと思いません?

── そのほかに読者に伝えたいことがあればどうぞ

インスピレーションが必要なときには、この動画がおすすめです。

Andy Orin(原文/訳:堀込泰三)

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