【毎日書評】ネガティブ思考も、見つめなおして受け入れるだけ「人生は好転する」 (original) (raw)

しばしば「思考は現実化する」ということばを目にしますが、『**すべて潜在意識のせいでした』(宮増侑嬉著、フォレスト出版)の著者によれば、思考を現実のものにするためには、「思考の見なおし」をする必要がある**のだそうです。

「思考が現実化」する仕組みを学んで実践した結果、大きな効果を実感。その仕組みを多くの人に伝えるべく、一般社団法人思考の学校を起ち上げたという人物。10年以上ものカウンセリング経験をベースに、現在はカウンセリングと認定講師養成講座の開催を中心に活動しているのだとか。

私たちの意識には、「顕在意識」と「潜在意識」があるとされています。そして、無意識に思っている潜在意識のほうが顕在意識よりも圧倒的に大きいということをご存知の方も多いと思います。

その割合はなんと、**顕在意識:潜在意識=1%:99%**です。

つまり、私たちの思考のほとんどは無意識の潜在意識に占められていることになります。

だからこそ、思考を現実化するときには、まず99%もの潜在意識を見つめ直す必要があるというわけです。(「はじめに」より)

潜在意識のなかにはポジティブな思考ばかりではなく、怒りや嫉妬、憎しみ、悲しみなどのネガティブな思考もたくさんストックされているもの。そちらに目を向けたくないと感じるのは当然ですが、思考の現実化を達成するためには、そういったネガティブな思考も見つめなおして受け入れる必要があるようです。

しかし、具体的にはどうしたらいいのでしょうか? 本書ではそのことを含め、無意識の潜在意識を見つめなおすためのメソッドが明かされているわけです。

きょうは第5章「【Q&A】潜在意識を見つめ直すヒント」のなかから、「仕事の悩み」という項目に焦点を当ててみたいと思います。

忙しすぎるのは「部下が頼りない」と決めつけているせい

Q:労働時間がとにかく長くて悩んでいます。サービス業で管理者、仕事自体はとても楽しくやっています。けれど、夢中になって仕事をしていると、ハッと気がついたときには毎日終電です。

こんな生活を定年まで続けたいのかと言うと、やっぱり辞めたい気持ちが強くあります。でも、職場に行くと同じことを繰り返してしまいます。(中略)

私は自分がいったい何をやりたいのかわからなくなってきました。(相談者・イイダさん)(16〜187ページより)

「仕事にやりがいがある」「仕事が楽しい」「私がやらないと仕事が片づかない」「子どものために仕事量を減らしたい」「仕事を減らすと給料も少なくなるから、やっぱり無理」など、いろいろ考えてしまうのは無理もないかもしれません。

しかし、そういった顕在意識はさておいて、まずは自分の理想を考えてみるべきだと著者は訴えています。たとえば、「部下がしっかり仕事をしてくれれば、自分は責任がある仕事だけに集中できる」など、仕事についての理想像をしっかり決めてみるということ。

そのうえで、「そうなるにはどうすればいい?」と自分に問いかけてほしいというのです。

相談者のイイダさんの場合は、「助けてもらう」「頼る」「甘える」ことを意識してがんばってみる必要がありそうだといいます。「私がやったほうが早い」「部下にはまだ難しい」などと考えず、人に頼れることは頼る、甘えられるなら甘えるべきだということ。

部下を「頼りない」「役に立たない」と思ってしまっているのかもしれませんが、著者が思考の仕組みから考えた場合、頼りない部下にしているのはイイダさん自身であるようです。したがって、イメージを「頼りがいのある部下」「助けてくれる部下」へと変えるべきだというわけです。

イイダさんの場合は、間違いなく自立し過ぎです。「自分がなんとかしなくちゃ」「自分がやるんだ!」と頑張りすぎているのですね。そのままでは、そのうち身体を壊して強制的に仕事を辞めざるを得ない、強制的に誰かに助けてもらわざるを得ないという状況を創り出すことになります。(187ページ)

だからこそ、そうなる前に自分で変えていくことが重要。徹底的に甘える、頼る、助けてもらうことができるようになるべきだということなのでしょう。(186ページより)

人のせいにしない思考で本当の力が出せるようになる

Q:結婚して30年あまりが経ち、ふと「これまで何に対しても本当の力を出し切ってこなかったな」と振り返っています。

子育ても仕事も、そのときどきはそれなりに一生懸命やってきたつもりではいるのですが、「自分がやりたくてやった」のではなく、「きちんとやらないといけないから、やってきた」という感じがします。

これからは、個人事業主として取り組んでいる仕事に関して、自立できるくらい稼いでいきたいという思いを強く持っています。けれど、「力を出し切る」という部分に何かもやもやとしたものを感じます。なぜもやもやしているのか、どんな思考があるのか教えてください。(相談者・チエさん)(194〜195ページより)

この問いに対して著者は、「本当に力を出し切って起こるデメリット、大成功したら逆に困ってしまうこと」を書き出してみることを勧めています。

たとえば、「自分の自由な時間がなくなる」「家事と仕事との両立が大変」「じつはそんなに仕事をしたくない」「ダラダラしたい」など。

もしかしたらそれらは、いまの顕在意識とは矛盾した思いかもしれない。そのため、“心のなかにあるグダグダ”を受け入れる必要があるというのです。

もしかすると、「夫の給料だけでは満足していないから、私が働かなくちゃいけない」「両親の面倒を見なくちゃいけないから仕事をしなくてはいけない」など、潜在意識では「〇〇のせいで」なんて思っているのかもしれません。(195〜196ページより)

そういった思いをすべて理解し、受け入れたうえで、「誰かのせいにするのではなく、そろそろ自分の力を試してみて、力を出し切ってみる心地よさを体験したいよね」と、やる気が湧いてくるように自分に語りかける。そんなアプローチが大きな意味を持つということです。

つまり重要なのは、自分のなかにあるグダグダを認めること。そうすれば、仕事も生活もうまくいくようになる。著者はそう結論づけています。(194ページより)

本書を読み終えたころには、自分の潜在意識と仲よくなれる方法が身についているはずだと著者は断言しています。思考の見なおしを日常生活に取り入れ、自分自身で人生をブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか?

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Source: フォレスト出版