八専(はっせん) (original) (raw)

「八専」(はっせん)は、

「選日」の一つです。

「入籍」や「契約」や「引っ越し」など、

何事も上手くいくことがない「凶日」として

扱われています。

「八専」とは

「八専」は、その日の干支に配された

2つの気が重なることから、

天地陰陽の気が偏り、調和が崩れ、

物事が順調に進まない期間とされています。

元々は、

「吉はますます吉となり、

凶はますます凶となる日」で、

特に軍事上の忌日として、

築城・軍営・出兵・出陣などの

「凶日」として重要視されていました。

それが江戸時代に入ると、

まず「鍼灸の忌日」として

庶民に広まりました。

やがて、家造り・地ならし・植樹など

建設的なことは「吉」で、

破壊的な物事を始めること、

例えば婚礼や法事などの仏事、

人を雇い入れることは、

「凶」の日とされるようになりました。

そして昨今は、

「凶はますます凶となる日」と

「凶日」という認識の方が強くなりました。

天気占い

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また、「八専」は「天気占い」としても

庶民に広まっていました。

八専太郎(はっせんたろう)

「八専」の初日は

「八専太郎」(はっせんたろう)と言い、

この日が「晴れ」だと

「八専」の期間中は「雨」が続き、

反対にこの日が「雨」だと

「八専」の期間中は「晴れ」が続くと言われ、

「旅立ち」「家の修繕」「婚礼」などの

日取りを決めるのに用いられました。

八専次郎(はっせんじろう)

また「八専」の2日目は

「八専二郎」(はっせんじろう)と言われ、

この日に雨が降ると長雨となり、

農家では厄日として恐れられていたそうです。

更に「彼岸太郎ひがんたろう 八専次郎はっせんじろう 土用三郎どようさぶろう 寒四郎かんしろう」

という言葉もあって、

彼岸の1日目、八専の2日目、土用の3日目、

寒の4日目の日が晴天になると、

その年は豊作と言われました。

「八専間日」

「八専」の期間中の

49番目の「壬子」から

60番目の「癸亥」までの12日間で、

同一の「気」でない、

残り4日「癸丑」「丙辰」「戊午」「壬戌」は

「間日」(まび)と言い、

凶日ではないとされています。

八専にしてはいけないこと

「八専」の期間は、天地陰陽の気が偏るため

気が乱れ、何事も上手くいかない期間と

されています。

また「八専」期間中は、冥界を司る神々が

天に昇ってしまっているので、

神事や仏事を行なっても意味がないとも

言われています。

一般的にこの期間は、以下のことは

避けた方が良いと言われています。

・法事(仏事や供養など)

・神事

・入籍や結婚など婚礼に関すること

・契約

・柱を建てる(土木関係)

・建物の解体

・木の伐採のような破壊に繋がること

・引っ越し

・針灸など

更に、八専の期間は雨が多いため、

この期間に木や竹などを伐採すると

虫が入ってしまうため

避けた方が良いとも言われています。

八専の日取り

「陰陽五行」の

木・火・土・金・水に配当すると、

「気」が同じになる日が

「六十干支」の後半に

12日間に固まってあります。

このように「気」が

同一になる日のことを

「専一」(せんいつ)と言いますが、

「六十干支」の後半の12日間にある

8つの「専一」を特別に

「八専」(はっせん)と呼びます。

「六十干支」は1年に約6回循環するので、

「八専」も年に6回、約72日間あります。

暦には、「壬子」(みずのえね)の日に

「八専始め」とか「八専に入る」と書かれ、

「癸亥」(みずのとい)の日に

「八専終わり」と書かれています。

干支

「干支」(えと)とは、

組み合わせによって作られた名称です

十干じゅっかん

甲・乙・丙・丁・戊・
己・庚・辛・壬・癸

十二支じゅうにし

子・丑・寅・卯・辰・巳・
午・未・申・酉・戌・亥

「五行」の「木・火・土・金・水」の

いずれかと

「陰陽説」の「陽」を表す「兄(え)」か

「陰」を表す「弟(と)」が割り当てられます。

五行の「木・火・土・金・水」の

いずれかが割り当てられています。

| 十干 五行+陰陽 甲 木+兄(陽) 乙 木+弟(陰) 丙 火+兄(陽) 丁 火+弟(陰) 戊 土+兄(陽) 己 土+弟(陰) 庚 金+兄(陽) 辛 金+弟(陰) 壬 水+兄(陽) 癸 水+弟(陰) | | 十二支 五行 子 水 丑 土 寅 木 卯 木 辰 土 巳 火 午 火 未 土 申 金 酉 金 戌 土 亥 水 | | ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ | | ------------------------------------------------------ |

六十干支(ろくじっかんしかん)

「六十干支」(ろくじっかんし)とは、

「十干」と「十二支」を組み合わせたもので

その最小公倍数より60の組み合わせがあり、

「甲子」(きのえね)から「癸亥」(みづのとゐ)

まで規則正しく配置されています。

六十干支 十干 十二支 専一
甲子
乙丑
丙寅
丁卯
戊辰
己巳
庚午
辛未
壬申
癸酉
甲戌
乙亥
丙子
丁丑
戊寅
己卯
庚辰
辛巳
壬午
癸未
甲申
乙酉
丙戌
丁亥
戊子
己丑
庚寅
辛卯
壬辰
癸巳
甲午
乙未
丙申
丁酉
戊戌
己亥
庚子
辛丑
壬寅
癸卯
甲辰
乙巳
丙午
丁未
戊申
己酉
庚戌
辛亥
壬子 ⇧ 八 専 ⇩
癸丑 間日
甲寅
乙卯
丙辰 間日
丁巳
戊午 間日
己未
庚申
辛酉
壬戌 間日
癸亥
令和6(2024)年「八専」の日

◎ 2月18日 ~ 2月29日

◎ 4月18日 ~ 4月29日

◎ 6月17日 ~ 6月28日

◎ 8月16日 ~ 8月27日

◎10月15日 ~ 10月26日

◎12月14日 ~ 12月25日

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