自分の背中は見えないのだから恥ずかしがらず人に尋ねるといい訳でもなかった。 (original) (raw)
華金の夜、僕は居酒屋の前に立っていた。
ティンダーで捕まえた住所不定35歳女を連れて。
待ち合わせ場所からここに来るまでの道のりで
(酒で声ガラガラだな)←人のこと言えない
(思ったよりババアだな)←人のこと言えない
すでにテンションが危険域に達していた!!!
金曜の夜、とはいえ緊急事態宣言中の筈である。
新規OPENした「それゆけ!鶏ヤロー 大宮店」
は無関係だった。
アクリル板等の仕切りは無く
ソーシャルディスタンスの概念すらも無い。
ただ換気がやたら良く、緩やかな空気の流れと循環を流速vとして感じた。
確信した。ここはコロナが収束している!
座る。頼む。飲む。
だが、ワイワイ系すぎる店だった。
後ろのマッシュ茶髪の大学生が死ぬほどうるさい。
それだけでは無い。
住所不定女の声質が全然通らない系なのに
「ワタシ、張り方分からないんだよね」
と声を張らないのである。
まるピンチ!!!!!
脳内AI発動。これまで遊び重ねてきた蓄積をディープラーニングに取り込み、話の流れと要所を整理しながら聞こえない部分を埋めていった。
英語の長文読解の要領である。
助かった!!AIを考えた人サンキュー!
話は日々の出来事のマイナス事象に対して突っ込む系で全く面白く無いのだが、必死の解析により余裕は無かった。まーーた新たな「ワタシ」の話が始まる。今度は短めの尺だ。
オチに差し掛かった時、事件は起きた。
茶髪大学生「○▲□×☆%λλλλ!!!!!!!!!!」
(オチの部分が全く聞こえない!!)
あ、オチに付随する事いってる。
まーだオチへの言及続いてる。
ああぁダメだ終わらない。
そんな威力のあるオチだったのか。
やっべーまた付随した。もう取り返せない。
ディープラーニング崩壊。
メンタルも崩壊しかけた。
その時!!!
『たった1つの英単語を見誤っただけで、受験に失敗する人間もいる。人生とは時にそういう事もあるけれど、大事なのはそこで君がどう行動するかじゃないかな?』
前日にハイキューを観た影響で脳内の武田先生が僕に言った。
(´;ω;`)ブワッ
「あ、あのさ、話の途中ごめん。さっきのさオチのとこさ、後ろの奴がうるさくてソコだけ聞こえなかったんよね。もう一回言ってくれない?」
凪。
こんなにうるさい店内で静寂を確かに感じた。
「・・・私の話を聞く気が無い???」
「え?」(なにその熱量)
「私の話を・・聞く気が・・・無い???」
(いや、いきなり声張ってきて初めてハッキリ聞こえたしそんな事2回も言ってくんじゃねーよ2回目溜めてきてんじゃねーよ)
僕は基本キレたりしないタイプなのだが、数年ぶりに刹那でMAXイライラモードになった。
「あぁーハイハイハイそのタイプなんすね。興味があるから質問しているのに、急に声張って威嚇してきてそーんな顔して今どんな気持ちー?」
前日に観たひろゆきとかまいたちの動画をみた影響が全面に出てしまった模様。
武田先生の言葉も虚しく、
僕の目はバキバキにキマっていた。
住所不定女「・・・・・・オチのとこ、、」
お気持ちの表明は無いけど納得はしたのかよ。。
その後、話の流れで
「ね、これまでにアプリで会った人でヤバい女の人とかいなかったの?」
僕は菩薩になった。質問には答えず、アルカイックスマイルで応えた(お前やぁッ!!!!!!!!)
しかし謎に店出た後で家に来たがっていた。
本当に訳が分からない。
「ごめん明日ゴルフあるんよね」(やった事ない)
で放流!川に戻す!!!イェア!!!!!
翌朝「私の話を聞く気がない?」を思い出してしまい、再度腹立ってきてLINEで追及したら全く覚えていないとの事。
まだ2杯目で絶対に酔ってなかったのに。。
ウチらのこと無かった事にしてしまうん🥺?
ってなったので「私の話を聞く気がない?って言ってきた時は落とす男を決めた時の福田萌子の顔にめちゃくちゃ似てたよ☆」とスマホをタップした。
考えてみれば、酒を理由に自分に都合悪い事もこっちの攻撃も全て無かった事にする奴なんだから、やりようによっては使いどころあるかもねーん。なんて思ったけど、永遠に既読はつかないのであった。
大体そんな感じです(アルカイックスマイル)