信号 | 鉄道用語事典 | 日本民営鉄道協会 (original) (raw)

信号

係員に対して、列車または車両を運転するときの条件を現示するものを「信号」といいます(「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」より)。広い意味での信号は、「信号」のほか「合図」「標識」の3つで構成されています。

①「信号」 :狭い意味での信号は、色、形、音などにより、一定区間内を走行する列車や車両の運転条件を、乗務員や他の係 員に現示するものです。信号機には、先行列車の位置や、進路の開通状況に見合った速度を示す「常置信号機」(場内信号機など)、線路の故障や工事などの理由から所定の速度で運転できない場合に随時設けられる「臨時信号機」、それに列車の運転席内に信号を現示する「車内信号機」があります。

常設信号機のひとつの「場内信号機」は停車場に進入する列車に、「出発信号機」は停車場を出発する列車に、「閉そく信号機」は閉そく区間に進入する列車に、「入換信号機」は入れ換えをする車両に対して指示を送ります。濃霧や吹雪などで信号の確認距離が著しく低下した場合には、運転を休止したり、注意運転に切り替えたりする場合があります。

②「合図」 :合図は、色、形、音などにより、係員相互間で、合図者の意思を表示するものをいいます。例えば、入れ換えは駅員か車掌が誘導し、運転士はそれに従って運転しますが、"接近する、離れる、減速する、わずかに進む、わずかに後退する、停止する"の指示を出すときに、緑や赤の旗、緑色灯・赤色灯を使う場合があります。汽笛も合図の一種です。

③「標識」 :標識は、形、色などによって物の位置、方向、条件などを表示するものです。例えば、車止標識は、線路の終端を 示し、本線、折り返し線、車両入れ換えの頻繁な側線の終端にはこの標識を設けます。一般的には白色の斜めの印が入った黒色の方形の灯または反射板を用います。速度制限標識は、その速度制限が求められる箇所に設けられます。運転士は速度制限をあらかじめ知らされていますが、さらに確認するために設置されています。列車停止標識は、出発信号機が所定の位置に建てられない場合に設置されます。

近年では、情報通信技術の飛躍的な発展に伴い、信号機などの固定設備の代わりに無線によって列車制御を行う新しい信号システム(無線式信号)の開発が進められ、一部で実用化されています。(→閉そく方式

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