灼熱アジア 第4回 日韓中 緑色戦争 - NHKスペシャル (original) (raw)

2010年11月14日(日) 午後9時00分~9時49分

灼熱アジア 第4回

日韓中 緑色戦争

激烈な工業化で世界最大の汚染発生源ともなった中国を舞台に、将来の80兆円市場と言われるグリーンビジネス(環境ビジネス)の主導権を争う“緑色戦争”の火ぶたが切られた。
先陣を切ったのは、半導体、液晶と、日本から次々に盟主の座を奪った韓国。「低炭素・緑色成長」を国策に掲げ、環境産業でも市場制覇を目指す。韓国政府は、中国政府と太いパイプを作り、環境関連企業を現地に送り込んで中国側が抱える具体的な問題を次々に解決。今年は、大気汚染防止装置を開発するジェイテックが、深刻な汚染問題を抱える炭鉱地帯に進出した。

一方、日本も中小企業を中心に韓国企業の厚い壁に阻まれながらも、得意の自社技術を活かし中国の環境分野に続々と打って出る。排水処理装置を売り込む大和化学工業は、自前での生産をあきらめ、装置技術を中国企業に開示して生産を委託、決死のビジネスモデル大転換をはかった。今度はそこに環境技術育成を狙う中国の思惑が複雑に絡む。
中国の緑色戦争の勝者こそが、ASEANからアジア全土、そして世界の環境産業のリーダーシップを手にする。国ぐるみで海外進出を狙う韓国、技術の優位性を活かしたい日本。次世代環境技術の世界標準を決する戦場と化したアジアを舞台に、日韓中の攻防を追う。