【7度目の柿木蓮】「自分に対してものすごく腹が立ったまま、7月末を迎えました」 - プロ野球 : 日刊スポーツ・プレミアム (original) (raw)
田村藤夫氏(64)の「プレミアムリポート」は、日本ハムで育成契約2年目の柿木蓮投手(24=大阪桐蔭)へのインタビューです。
「プレミアムリポート」は回数を重ねて来ましたが、今回のリポートこそ、田村氏でなければリポートできない取材と言えます。昨年春のキャンプから数回に渡りインタビューを重ねてきた柿木投手が、今の偽らざる心の内を見せてくれています。
どうぞ、最後までご覧ください。
私が「プレミアムリポート」に取り組み2年が過ぎました。
主にファームに足を運び、1軍昇格を目指して2軍戦でもがく若手を中心にリポートしてきました。その中で、私は柿木投手の奮闘を何度もこの目で見てきました。
今回、柿木投手にとってはなかなか思うようにいかない状況で、再び言葉を交わしました。彼の野球への熱い思いを聞くこともできました。
それは、ただ熱くて、前向きで、未来志向とひとくくりにできない不安や、将来への覚悟も秘めた言葉であったと、取材を終えた今、彼の言葉をかみしめています。
試合前の鎌ケ谷スタジアムで、私を見つけた柿木投手の方からあいさつをしてくれました。
柿木田村さん! こんにちは~。
少し離れていたにもかかわらず、大声で明るくあいさつをしてくれました。私はその力強く、明るい声を聞いてとっさに感じました。「このタイミングで取材に来た私に、話しやすいようにわざと明るくあいさつをしてくれたのかな」と。
本文残り70% (2897文字/4112文字)
1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。