中国、東・南シナ海問題で米に不介入要求 米中対話閉幕 - 日本経済新聞 (original) (raw)

【北京=大越匡洋】米中両国が外交、経済の懸案について話し合うため北京で開いた戦略・経済対話が10日、閉幕した。中国は東・南シナ海問題で「領土主権と海洋権益を断固として守る」として米国に不介入を要求。対立は解けなかった。一方、経済分野では米中投資協定の骨格を年内に固めることをめざす。来春までに各国に求められている2020年以降の温暖化ガスの削減目標作りを巡っても、連携を強化する方針で一致した。

中国の楊潔篪国務委員は閉幕後の共同記者会見で、東・南シナ海の領有権を巡る対立について「米国に客観的で公正な立場を取るよう求めた」と述べた。海洋権益で妥協しない姿勢を改めて示し、中国の挑発的行動への懸念を強める米国との溝は埋まらなかった。

一方、経済分野では協調を演出した。公正な投資環境の保護をめざす投資協定の交渉について「年内に主要部分を固めることで合意した」(中国の汪洋副首相)。年内に協定の骨格を固めた上で、15年の早い時期に個別分野の規制に関する交渉に移る段取りをめざす。

気候変動問題についても協調する。15年末にパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では20年以降の新たな国際的な枠組みの合意をめざし、来春までに新たな削減目標を示すよう各国に求めている。ケリー米国務長官は「米中が特別な役割を果たす」と述べ、世界1位、2位の温暖化ガス排出国の両国が連携して対応する方針を示した。

対話は今回が6回目で、9日から2日間の日程で開いた。