【ライブレポ・セットリスト】バズリズムライブ-10th Anniversary- ※出演: sumika 櫻坂46 秦基博 フジファブリック THE YELLOW MONKEY at 代々木第一体育館 2024年7月2… (original) (raw)
開演時間を過ぎると『バズリズム』の放送開始がされた10年前から現在までの、番組の歴史をまとめた映像が流れた。今は解散してしまったバンドやアイドルもいて、10年は長い期間なのだと改めて思う。
そんな歴史のある音楽番組の節目となる10年目に、恒例となっている番組イベント『バズリズムライブ』が今年も行われた。4日間行われたが、自分は2日目の公演に参加した。
出演者はsumika、櫻坂46、秦基博、フジファブリック、THE YELLOW MONKEY。自分のツボにハマる出演者ばかりだ。
バカリズム「コールといったらレスポンスと言ってください!コール!」
観客「レスポンス!」
バカリズム「家のエアコンの設定温度は!?」
観客「 くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
バカリズム「全員26度ですね」
観客「wwwwww」
司会のバカリズムと市來アナウンサーの前説によって、開演前から盛り上がる客席。これがプロの芸人の力なのだろう。
そんな最高の空気感の中で、ライブは始まった。
sumika
トップバッターはsumika。2023年の『バズリズムライブ』にも出演予定だったものの、ボーカルの片岡健太の喉の不調でキャンセルとなった。今回はそのリベンジとも言える。
去年はキャンセルしてしまった『バズリズムライブ』。
去年の分までなんて生ぬるいことは言いません!視聴者として観てきた分も、バンドとして番組に憧れた分も、全て詰め込んで挑みます!
片岡の気合が入った宣言とも言える言葉からライブはスタート。1曲目は『ふっかつのじゅもん』。炎の特攻がステージから飛び出る演出があったりと、イベントながらもアリーナワンマンかのようなド派手な演出がされていた。メンバーの演奏も勢いがあって気合を感じるし、片岡はステージを動き回り、観客を煽りながら歌う。
初っ端からロックなsumikaを見せつけたが、2曲目の『Lovers』ではポップなメロディと演奏で会場を華やかに彩る。会場自然と手拍子が客席から鳴り響いたし、観客も一緒に歌っていた。
片岡が「こっち!」「そっち!」「後ろの方!」と会場全体を指差して「みんないい顔してるね!」と笑顔で客席を眺めていた様子が印象的だ。この日は櫻坂46かTHE YELLOW MONKEYを目当ての観客が8割以上に感じる雰囲気だったが、そんな客層でもしっかりとsumikaの音楽は受け入れられている。
続く『ソーダ』では片岡がアコースティックギターに徹して、キーボードの小川貴之がボーカルを担当するバージョンだった。小川も片岡に負けず劣らずの歌唱で、観客を片岡以上に煽りながら歌い盛り上げる。ここ最近は小川がライブでボーカルを担うことが増えた。片岡が喉の不調で休んだことがあったので、片岡の負担を減らすためだろうか。
「今日は大好きなTHE YELLOW MONKEYがいるから、トリビュートでカバーさせてもらった曲をやろうと思います」と片岡が告げてから演奏されたのは『TACTICS』。かつてFM802が行ったイエモントリビュート企画『ラジヲカラ ウロコ』で実現したカバーだ。もしかしたらライブでは初披露かもしれない。
真紅の照明に包まれながら、吉井の触れたら痺れてしまいそうな色気とは違う、上品なタイプの色気を醸し出しながら歌う片岡。バンドの演奏も同様に色気があって良い。
THE YELLOW MONKEYのファンの心をしかりと掴んでから「あなたの声を聴かせてください!」と煽って披露された『Starting Over』では、会場全体がひとつになる大合唱が生まれていた。まるでワンマンかのような盛り上がりだ。
片岡「首元を見て!」
観客「・・・・・・」
片岡「伝わらない?盛り上がりすぎてイヤモニが外れて首元で絡まりました!」
観客「・・・・・・」
片岡「変な空気になったから放送する時は編集してもらおう・・・・・・」
MCはスベったものの、演奏では盛り上がっていたので片岡は元気を出してほしい。
音楽番組が10年続くってことは、とてもすごいことだと思います。バンドが10年続くことと同じぐらい大変だと思います。僕らもバンドを10年間やってきて、大変なこともありました。
テレビ番組は視聴率が重要だろうし、『バズリズム』はバズって言葉を使っているし、数字で戦ってきたからこそ続いた10年だったとは思います。もちろん音楽へ愛がある番組だから愛されて続いているとは思うけれど。
他の仕事や学校の勉強でもそうだけど、誰もが数字と戦っていると思います。でも今日は数字のことは忘れて楽しんで欲しいです。好きなアーティストを観たいと思ってきたライブに来た気持ちは、数字では測れないものだと思うから。数字では測れない自分の物差しをもっているから、社会に出た時に数字と戦えるんだと思います。
番組への愛を感じる話をしてから、最後に『運命』が演奏された。カラフルな照明の中で楽しそうに歌い演奏するメンバー。観客は自然と手拍子を鳴らしたり、一緒に歌ったりしている。その時の楽しさや感動は、数字では測れないものなのだと実感した。
■セットリスト
1. ふっかつのじゅもん
2. Lovers
3. ソーダ
4. TACTICS ※THE YELLOW MONKEYカバー
5. Starting Over
6. 運命
櫻坂46
ステージが暗転した瞬間から、ワンマンライブかと思うほどに客席一面がペンライトの光で埋め尽くされた。『overture』が流れれば、こちらもワンマンかと思うような大歓声とコールが響く。櫻坂46に期待している観客が大多数なようだ。
メンバーが登場し大歓声の中始まったのは『承認欲求』。俺の森田ひかるがセンターに立つ楽曲なわけだが、俺の森田ひかるは相変わらず『そこ曲ったら、櫻坂?』で見せる姿とは違う表現者としてのクールな姿でパフォーマンスしている。サウンドやダンスも同様にクールでカッコいい。
さらに歪んだ音色のギターリフが印象的な『何歳の頃に戻りたいのか?』で会場の熱気をさらに高めていく。今回はロックバンドの共演者が多いからか、ロックなパフォーマンスで勝負するつもりなのだろう。
キャプテンの松田里奈を中心としたMCでは、パフォーマンスでのクールさとは違うアイドルらしい可愛らしい一面を見せるメンバー。山﨑天の「アリーナ!スタンド!みんなで!」という煽りでコールアンドレスポンスをしてからパフォーマンスが再開。
続けて披露されたのは『なぜ恋をして来なかったんだろう?』。疾走感があり盛り上がる楽曲だが、アイドルらしいかわいさとポップさもある楽曲だ。定番となっているセンターの藤吉夏鈴に紐を巻き付けて踊るという独創的なパフォーマンスも、今回初めて観た人にとっては衝撃的だっただろうし、藤吉の持つ独特なオーラに惹きつけられた人も多いだろう。
今回の櫻坂46のライブで最も客席から大きな歓声があがったのは『夏の近道』だ。イントロが鳴った瞬間に地響きのような男性ファンの歓声と、悲鳴に近い女性ファンの歓声が聞こえた。三期生の楽曲が披露されることは予想していなかったファンが多いからだろう。これはサプライズとも言える選曲だ。
爽やかで可愛らしい櫻坂46としては珍しい王道なアイドルポップで、谷口愛季の「声出していくぞ!」という煽りもあってか、客席からはアイドルライブらしいコールも聞こえる。 間奏でメンバーの「せーの!」という声に合わせてコールするのはめちゃくちゃ楽しい。
中嶋優月も『ラヴィット』で定着してしまった嘘つきゆーずという汚名を返上するかのように、可愛らしくアイドルとしてパフォーマンスをしている。TBSテレビでの失態を日本テレビで挽回した。
三期生だけでのMCでは『夏の近道』について「ライブで披露することが久々でしたが、夏の爽やかさをみなさんに感じてもらえたかなと思います」と谷口が笑顔で話していた。かわいい。
ライブも後半。再び先輩メンバーも登場し披露されたのは森田と山﨑がダブルセンターを務める『摩擦係数』。2人がグループ全体を引っ張るかのようなクールな表現で観客を圧倒させている。この2人はセンターを担当することが多いが、それは2人の表現力の高さ故の必然なのだと改めて感じた。
真っ赤な照明の中でメンバーが一列に並び手拍子を煽ってから始まったのは『マンホールの蓋の上』。一般的な知名度はない楽曲ではあるが、激しいロックナンバーということもあってかペンライトを持っていない他のアーティストのファンも一緒に盛り上がっている。
ラストは最新シングル『事業自得』。センターに抜擢された山下瞳月を中心にキレのあるダンスを披露するメンバー。
それにしても山下の表現力が凄まじい。ソロダンスのパートではしなやかに舞うように踊っていたし、表情も何かが憑依したかのように豊かで惹きつけられる。三期生の成長は観る都度に感じてはいたが、山下の進化は特に物凄い。確実に今後グループを引っ張っていくことだろう。
一組だけアイドルグループということもあって、観客の中には櫻坂46に興味を持っていなかった人や、アイドルに偏見を持っていた人もいたかもしれない。だがそんな人の心も掴むぐらいに厚くてカッコいいパフォーマンスだったのではないだろうか。
■セットリスト
1.承認欲求
2.何歳の頃に戻りたいのか?
3.なぜ恋をして来なかったんだろう?
4.夏の近道
5.摩擦係数
6.マンホールの蓋の上
7.自業自得
秦基博
今回のイベントで唯一のソロアーティストである秦基博。今回は弾き語りということもあり、たった1人でアリーナの会場に立つこととなる。
マイクスタンドにスポットライトが当たる中、ゆっくりと登場した秦基博。椅子に座って確かめるようにアコースティックギターを鳴らし、『ひまわりの約束』からライブをスタートさせた。
始まった瞬間大歓声が巻き起こったのは誰もが知る大名曲だからだとは思うが、本人は歓声に浮き足立つことはなく、繊細なアルペジオでギターを弾き、優しい声色で丁寧に歌っている。歓声は一瞬で鎮まり、会場全体が真剣にステージに見入り聞き入っている。たった1人でアリーナを音楽によて一瞬で制圧するとは、やはり秦基博はとんでもないアーティストだ。
MCはゆるくて親近感がわく。「僕も座ってるんで座って良いですよ」と立ち上がっている観客に配慮したかと思えば「みなさん、意外と素直に言うこと聞くんですね」とイジったりと。
『在る』も繊細なアルペジオの演奏で優しく歌っていたが、続く『泣き笑いのエピソード』ではギターと歌だけで華やかな空気を作り出し、自然と観客から手拍子を巻き起こした。歌とギターだけで場を掌握し空気を操っているかのような感じ。それをアリーナ規模で実現できることは凄まじいことだ。
「弾き語りといえども盛り上げたいと思います!」と言ってから演奏された『キミ、メグル、ボク』では、盛大な手拍子が会場に鳴り響く。大きなアリーナ会場だから前方の席と後方の席とでは音が届く速度が違うのだろう。ほんの少しだけ手拍子が一致せずにばらけている。だがそんな観客の手拍子が複雑なリズムになって、演奏に彩を与えているように感じた。音が揃わないことまで音楽になってしまうのだから面白い。
ここで「この人を呼ばない訳にはいかないでしょう」と秦基博が告げて、バカリズムと市來アナウンサーがステージに呼び込んだ。登場するや否や「ハタリズムです!」と名乗るバカリズム。どうやら三人で演奏するようだ。
市來アナ「緊張して手が震えています......」
秦基博「緊張してる割には派手でキラキラした服を着てるですね」
市來アナ「服だけでもキラキラしようと思いまして(笑)」
バカリズム「失敗しても放送では編集すればいいから」
観客「wwwwww」
緊張する市來アナとは対照的にリラックスしまくっている秦基博とバカリズム。バカリズムが「我々の代表曲です」と告げて三人で演奏されたのは『「いくらだと思う?」って聞かれると緊張する』。共感を生むあるあるネタが連発する歌詞ながらも、少しだけ切ないメロディの楽曲だ。
バカリズムがメインボーカルを務め、秦がギター、市來アナがピアノを弾くアレンジだったが、歌詞に相反して感動的な空気で会場が包まれていた。演奏後に「ちょっと失敗したああああ」と言ってバカリズムは悔しがっていたが、気にならないほどに観客の心を掴んでいたと思う。
「秦基博としてもう1曲やります」と告げてから最後に演奏されたのは『メトロ・フィルム』。やはりギターと歌だけで秦は観客の心を動かし、自然と手拍子を巻き起こした。今回のライブで唯一の弾き語りで出演したアーティストだが、しっかりと音楽を聴かせたという部分では、最も観客の心を掴んでいたかもしれない。
■セットリスト
1.ひまわりの約束
2.在る
3.泣き笑いのエピソード
4.キミ、メグル、ボク
5.「いくらだと思う?」って聞かれると緊張する
6.メトロ・フィルム
フジファブリック
フジファブリックは先日、活動休止を発表した。その発表内容には将来の活動再開を約束する言葉はなかった。だから自分は解散に限りなく近い活動休止だと受け入れた。ずっと追いかけ続けた特別に大切なバンドなので、特別に悲しくて切ない。
ファンでなくともライブ会場に足を運ぶ音楽好きならば、活動休止の件は知っているだろう。他のライブとは違う緊張や感情を持って、バンドの登場を迎え入れた観客は少なくはないと思う。
しかし『LOVE YOU』をSEに登場したフジファブリックの姿は、普段のライブと変わらない。良い意味でいつも通りの表情や雰囲気に見えた。
1曲目は『破顔』。アリーナ会場と相性が良い壮大な演奏が響き渡る。今回のライブはサポートパーカッションとして朝倉真司が参加していた。この編成でのライブは初めてだが、ビートがより強まった演奏になり迫力が増している。
良い意味でいつも通りのフジファブリックのライブではあるものの、1曲目が『破顔』というのは、その楽曲に込められたメッセージからしても、複雑な心境になってしまう。
恐らく初めてフジファブリックを観た人は純粋に凄みのある演奏に圧倒されていたとは思うが、きっと何度もライブを観たことがあるファンは、この楽曲を聴いて様々な感情が心の中で渦巻いていたのではないだろうか。
だが2曲目の『楽園』を赤い照明の中でクールに演奏すれば、やはりいつも通りのフジファブリックだと思う。クセが強いけれどカッコいいロックを、ハイレベルな演奏で聴かせてくれる。
バズリズムにはずっとお世話になっていて、今日のようなお祭りのようなライブに出れて嬉しいです。
僕らもスペシャルゲストを呼ぼうと思います!
山内の挨拶と呼び掛けから、バカリズムと市來アナウンサーがステージに登場した。「フジファブリズムです!」とバカリズムが挨拶すると、会場に歓声が響く。
山内総一郎「おめでとうございます」
バカリズム「え?」
山内総一郎「10周年」
バカリズム「あ、ありがとうございます」
主語がないまま突然祝ってしまったため、バカリズムを困惑させる山内。
演奏されたのは『Tie up』。『バズリズム』をきっかけに生まれた楽曲だ。山内とバカリズムのツインボーカルと、金澤と市來アナのツインキーボードが印象的だ。サビではメンバーの動きに合わせて観客が一緒に腕を振って盛り上がっていた。
再びフジファブリックだけになり「 ここからお祭り騒ぎだぜ!」と山内が煽って、ライブ定番曲の『Feverman』が始まる。この楽曲は観客も踊る振り付けがあるが、 客層的に初めてライブを観た人が少なくはないと思う。だがチラホラいるフジファブリックのファンの動きを観て、他のアーティストも真似して振り付けを踊っているようだ。そんなピースフルな空気が最高だ。
バズリズムによって発見してもらった音楽があるだろうし、僕らもとてもお世話になったし、本当に感謝しています。
こんな祭りを4日間できるバズリズムのことを尊敬しています。そんな場で最後にでかい花火を打ち上げます。心を込めて歌います。
山内が言葉を選びながら語って、最後に『若者のすべて』が演奏された。水色の照明の中で、丁寧に演奏し、魂を込めるように歌っている。
誰もが知る夏の名曲だからか、観客からも歓声が漏れていた。普段のワンマンでは慣らされない手拍子が響いていたのも、普遍的な夏の名曲として世の中の人々に届いた曲だからだろう。
メンバーは活動休止について、ステージで言及しなかった。良い意味でいつも通りのフジファブリックのライブだった。それでも1曲目が『破顔』だったことや、最後の『若者のすべて』を丁寧に魂を込めるように歌い演奏してたことからは、色々な意味で胸が熱くなった。
■セットリスト
1.破顔
2.楽園
3.Tie up
4.Feverman
5.若者のすべて
THE YELLOW MONKEY
櫻坂46のステージでは暗転した瞬間に「これは櫻坂のワンマンか?」と思うほどにペンライトの光で客席が埋めつくされていた。だがTHE YELLOW MONKEYのステージでは暗転した始瞬間から「これはイエモンのワンマンか?」と思うほどの歓声が響いた。その熱気は今が旬の人気アイドルの櫻坂46に引けを取らない。
約3年半の充電期間を経て、今年の東京ドーム公演で活動を再開させたTHE YELLOW MONKEY。ファンでも久々にライブを観る人は多かっただろうし、それ以外の人もモンスターバンドのステージを観れることへ胸が昂っていたのだと思う。だからこその熱気なのだろう。
そんな熱気はライブが始まればさらに高まっていった。
ドラムの菊地英二が最初に登場し、1人でドラムを叩きまくる。その演奏技術も圧巻なのだが、ドラムの出音が綺麗で迫力もある。その音色はこの日観たアーティストの中で、最も良かったと感じる。そこにベースの廣瀬洋一が加わりビートに力強さを加え、その後にギターの菊地英昭が登場しクールなギターを掻き鳴らす。
メンバーが1人ずつ登場し演奏を重ねることで、各自の演奏のハイレベルさや、メンバーそれぞれの存在感の凄さも感じる。彼らがステージに立ち演奏するだけで、圧倒させられるようなオーラを感じるのだから。
少し遅れて吉井和哉が登場すると、この日一番に感じる大歓声が巻き起こる。その歓声が鳴り止まないうちに始まった1曲目は『ソナタの暗闇』。最新アルバムの収録曲だ。過去の名曲でなくとも、会場全体は物凄い盛り上がりになっている。歌も演奏も圧巻の出来で迫力も物凄い。それは懐メロバンドではなく現役のバンドとしてハイレベルなライブをやっているからだろう。
とはいえ過去の名曲も最高だ。曲間なしで雪崩込むように『SPARK』が始まると、やはりワンマンかと勘違いするほどの大歓声が会場に響く。吉井和哉はステージを縦横無尽に動き回り観客を煽る。ステージに倒れ込むパフォーマンスはスターのオーラに溢れていて見惚れてしまった。
初めてこのフェスに出してもらいましたが、それなのにトリを任されて光栄です。
今回の出演者は思い出深いアーティストばかりです。そんなイベントに出れたことも嬉しいです。
THE YELLOW MONKEYのトリビュートアルバムやトリビュート企画に参加したフジファブリックと秦基博とsumikaや、紅白歌合戦で吉井和哉が「ファンでCDも買っている」と言って自前のCDをカメラに見せていた櫻坂46など、たしかにTHE YELLOW MONKEYとの繋がりがあるアーティストが多い。おそらく『バズリズム』はそういった文脈も含めて、イエモンを中心にしてブッキングしたのではないだろうか。
演奏は『罠』から再開。こちらは最新アルバムの収録曲だが、やはり最新が最高と思えるほどに歌も演奏も曲も良い。会場の盛り上がりも、やはり過去曲と変わらない。むしろTHE YELLOW MONKEYの人気全盛期を知らない若者にとっては、新曲の方が響くのかもしれない。
『太陽が燃えている』で会場全体を見渡しながらステージを練り歩く吉井和哉の姿が印象的だった。5年以上前の曲でも古さを感じないし、むしろ今の音として鳴らしているバンドの演奏も最高だ。
THE YELLOW MONKEYは今年で35周年です。とはいえ一度解散しています。
でも解散していた時期も、メンバーやスタッフは絆で繋がっていました。それがあったから2016年、今日の会場と同じこの場所、代々木第一体育館で再結成しました。
THE YELLOW MONKEYは2001年に活動を休止し、その後、解散しました。
バンドは生き物なので色々なことがあります。続けることは本当に大変なんです。若い頃は当たり前にやっていたことも、歳をとってできなくなることもあります。
ただ絆がある限りは、命がある限りは、続けていきます。40周年に向けてまだまだ続けていくので、今日初めて観た人も応援をお願いします。
次にやる曲を曲を今日出演してくれたアーティストのみなさんに捧げます。
本当はsumikaのカバーもやるべきなんですけど、用意してなかったです(笑)ごめんなさい(笑)
また一緒にやる時まで待っていてください
吉井和哉のMCでの言葉は、様々な出来事があって活動を続けているsumikaだったり、 様々な出来事があって活動を続けていたものの休止を決断したフジファブリックへの、様々な出来事があった先輩バンドからの労いやエールの言葉に思えた。
「一緒に歌ってください。初めて聴く人も簡単な歌ですから、ぜひ歌ってください」と告げてから演奏されたのは『バラ色の日々』。サポートキーボードの鶴谷崇が弾くピアノの音色に合わせ、会場の全員が歌う。その合唱の声量の大きさはワンマンかと思うほどだ。そこからバンドの演奏と歌が加わり、ロックバンドの演奏が代々木第一体育館に響く。MCでの言葉だけでなく、この演奏と歌も後輩たちへのエールなのだろう。
感動の余韻を味わう暇を与えないうちに、吉井が「 愛とあなたのため!LOVE LOVE SHOW!」と叫び『LOVE LOVE SHOW』が始まると、会場が揺れるほどに盛り上がっていた。吉井がマイクを向ければどんなタイミングでも客席からの大合唱が響くし、メンバーの一挙手一投足の動きや煽りに歓声が響く。ベテランかつ大物の貫禄を見せつけるパフォーマンスではある。だが吉井が馬の真似をしたりと、ユーモアを交える姿は若手に負けないほどに尖っている。このバンドは、やはり伝説ではなく現役なのだ。
最高の盛り上がりの中、ユーモアを交えつつメンバー紹介をする吉井。特にドラムの菊地英二は「1000のタンクトップを持つ男」「今日はタンクトップじゃなくて袖がないTシャツを着ていてレア」「なぜ筋肉がある人はタンクトップを着るんですか?」といじられまくっていた。
THE YELLOW MONKEYは今年に10枚目のアルバムをリリースしました。まだ現役のバンドです。今日ライブを観ていいかもと思った人は聴いてみてください。日本の古いロックバンドも大事にしてください!
世界で平和でありますように!グッナイ!
吉井が笑顔で挨拶をしてから演奏されたのはバンドの代表曲かつ日本のロックを代表する名曲『JAM』。イントロが鳴ると今までの興奮に満ちた歓声とは少し違う、感嘆のような歓声が響いた。この楽曲は人の心を抉るような曲だからだろう。
バンドの演奏も歌も素晴らしかった。この日の演奏曲の中でも、特に魂が込められていて。そして観客も素晴らしかった。静かに真剣に聴き入りつつも、2番のサビで吉井がマイクスタンドから離れた瞬間に大合唱が響いた時、心が震えた。
モンスターバンドとしての貫禄と現役のロックバンドとしての衝動を与えて、颯爽とステージを後にするメンバー。だが観客は颯爽と帰れないほどの衝撃を受けて感動していたと思う。
THE YELLOW MONKEYは素晴らしかった。もちろん他の出演アーティストも圧巻だった。そんなアーティストを集めてイベントを開いた『バズリズム』もリスペクトしたい。
こんな最高なライブを体感できるバラ色の日々が、これからも続いて欲しい。そんな日がまた来ることを願って、また明日を待ってる。
■セットリスト
1.ソナタの暗闇
2.SPARK
3.罠
4.太陽が燃えている
5.バラ色の日々
6.LOVE LOVE SHOW
7.JAM