【ビジネスの裏側】中東民族衣装も「日本製」が大人気、世界で信用される「大阪繊維」の品質…ここでも韓国が日本製をコピー、でも「品質違う」と相手にされず(2/3ページ) (original) (raw)

しわになりにくい、速乾…機能性が人気

もともと、トーブは綿100%で作られていたが、時代ごとに素材も変わってきた。綿にポリエステルを混ぜた綿混素材を経て、現在はポリエステル100%、レーヨンを混ぜたものなどにと様変わりしている。

ポリエステルが採用されたのはしわを嫌う現地のニーズに応えたため。伝統的な民族衣装だが、現代は洗濯してもすぐに乾くといった機能性、使いやすさも重視されている。

こうした合繊を使いつつも、柔らかな風合いを実現しているのが日本製の特徴だ。ハリを保ちながら適度なドレープ性があり、美しいシルエットを作れる。白一色ながら、国や流行によって微妙に異なる色調を出せる表現力、安定した品質を保つ技術力も圧倒的な支持を得る理由だ。

なぜ民族衣装を輸入?

日本の着物が国内で作られ、主に国内で消費されているように、基本的にその国の文化・伝統を担う民族衣装は地産地消が一般的だ。だが、トーブは日本製を始め、韓国やインドネシア、中国、パキスタンなど、すべてを海外からの輸入でまかなっている。

その理由は「現地の風土にある」(東洋紡)。水不足が深刻な中東諸国では、生産に水が不可欠な繊維業は、物理的に難しいのだという。そのため、トーブに限らず、女性用の民族衣装に使われている「アバヤ」なども輸入に頼っている。