「茂木敏充氏、林芳正氏なら自民大敗」「安倍派幹部は失格」宮沢博行氏が語る総裁選(下) (original) (raw)

「茂木敏充氏、林芳正氏なら自民大敗」「安倍派幹部は失格」宮沢博行氏が語る総裁選(下)

宮沢博行前衆院議員(春名中撮影)

宮沢博行前衆院議員(春名中撮影)

自民党を離党し議員辞職した宮沢博行前衆院議員が、9月の党総裁選出馬を目指す候補者の「資質」について産経新聞のインタビューに応じた。ディベート力が勝敗を左右するとしつつ、最終的にベテランの茂木敏充幹事長(68)林芳正官房長官(63)石破茂元幹事長(67)による三つどもえを予想した。

党員票の獲得などで「陸上戦力」はすごく重要なんですね。前回の総裁選で高市早苗経済安全保障担当相(63)を支持したが、全国の友人の地方議員に「高市さんをやってくれないか」と頼むと、「ごめん、もう岸田文雄首相で頼まれているんだよ」という話を何度ももらいました。岸田派(宏池会)は陸上戦力を持ち、リーフレットを全国の党員にまくことができた。これは大きいと思う。陸上戦力を持っているのは、ほかに茂木派(平成研究会)、麻生派(志公会)ですよね。

今回も派閥政治に収れんするでしょう。最終的に茂木派の会長だった茂木さん、岸田派で座長を務めていた林さんと、石破派(水月会)を率いていた石破さんの三つどもえになると思います。

茂木さんは外交の舞台に何度も立って、安定感はあるかもしれません。ただ、選挙の顔にはならない。スピーチ力が断然悪い。茂木さんが総裁になれば、(次期衆院選で)自民党は大敗するでしょう。

林さんがなっても大敗でしょう。スピーチ、全然だめですよね。印象が暗い。日本のリーダーはスピーチ力を磨くことをしてこなかったんですね。石破さんもそうでしょう。しかし、党員、国民の人気は高く、国会議員が敏感にそれを感じ取っていくと、石破さんに収れんする可能性があるかもしれません。

斎藤健経済産業相(65)はちゃんとしたリーダーで、政策もスピーチ力もしっかりしている。高市さんと競るくらいのトップだと思います。ただ、ちょっと、手を挙げるスタートが遅かった。まだ腹を決めていない気もします。

私は高市さんを応援するつもりでした。「高市派」の様子は今、分かりません。でも高市さんは連絡もくれるし、本音で話してくる人だと印象も持っています。ただ、側近はもう少し若手を起用し、結束力を付けていった方がいいかもしれません。

加藤勝信元官房長官(68)は安定感があると思いますが、スピーチ力はほとんどダメ。野田聖子元総務相(63)も人が集まらないでしょう。

安倍派の幹部についてですか。裏金問題(派閥パーティー不記載事件)で謝罪が下手だったということですよ。こうした事態を招いたら、すぐに不記載だった事実を表に出して、謝って、政治資金収支報告書を訂正する。それしかないのに、その決断が遅れた。謝罪も決断力、スピーチ力なんです。それがない安倍派幹部は国家のリーダーとして失格です。

3年前の総裁選は最後の最後まで態度を決めない議員もたくさんいたんですよ。そうした議員の動向は実は重要です。国家のリーダーとして、議員、国民の心を動かすという一番重要なところを突き詰めていただきたいと思います。(聞き手 奥原慎平)

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