市場は〝石破ショック〟の様相 円急騰、日経平均株価の先物は一時2000円超も急落 (original) (raw)

27日午後3時20分ごろから急騰した円相場(みずほ証券提供)

27日午後3時20分ごろから急騰した円相場(みずほ証券提供)

27日午後に投開票された自民党総裁選で、石破茂元幹事長(67)が選出されると、市場は敏感に反応した。日銀の追加利上げに肯定的な石破氏の当選が伝わり、東京外国為替市場では円相場が数分で1ドル=146円台から143円台まで急騰した。積極財政派の高市早苗経済安全保障担当相(63)が敗れ、財政出動による経済波及効果の期待が薄れたことで、日経平均株価の先物でも売りが急激に拡大。一時2000円超急落するなど、市場は〝石破ショック〟の様相を呈している。

同日の東京外国為替市場では円が対ドルで一時1ドル=142円台後半をつける場面もあった。また、国内債券市場でも、日銀の利上げ期待が高まり、長期金利の指標となる新発10年物国債は一時0・855%と、総裁選の結果発表前の0・805%から上昇した。石破氏は総裁選中、金融政策運営は「日銀の独立性を尊重」すべきとし、日銀の追加利上げに肯定的な姿勢を示していた。

また、同日の大阪取引所の夜間取引では日経平均先物で12月物が3万7700円前後に急落。同日の先物清算値(株価終値に相当)の3万9850円から2000円超も安くなった。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「財政再建を重視し、株式の売却益などに課す金融所得課税の強化に意欲を示す石破氏の政策スタンスを、市場が嫌気した」と分析。先物主導で日本株の売りが膨らむ可能性が高く、週明けの日経平均株価にも下押し圧力が働くとみている。

石破氏当選受けて円が急騰

「地方創生」加速期待 自民党新総裁の石破茂氏