ShibuyaCross-FM (original) (raw)

Interview Kurita Yosuke

栗田:皆さんこんにちは。本日より始まりました、教えて!栗田先生の矯正相談室です。
パーソナリティは私、マロニエ矯正歯科クリニック 院長の栗田容輔です。みなさんよろしくお願いいたします。

矯正に関する知識やお悩みなどを中心に矯正歯科のあれこれについて、矯正歯科認定医の僕が本音でお届けしたいと思います。
皆様に、矯正治療についての正しい情報をきちんと伝えていきたいという気持ちからスタートさせていただきました。

一般的に、歯に関する知識関心がかなり上がったこともあり、実は虫歯の数自体はかなり減少しています。一方で歯並びに関しては、だんだん悪くなってきているように感じます。理由として、現代人の顎は小さくなっているのに歯は大きくなっていると言われています。 虫歯などは努力をすれば防ぐことができますが、歯並びは基本的には生まれつきです。そういった方々を矯正治療で助けたいと思い、医師になって14年矯正治療1本でやってきました。

この番組は全6回の放送になりますが、まず今回は矯正に関する基礎知識、それに加えて健康な歯を抜歯すべきかどうかについてお話させていただければと思っております。
矯正歯科認定医の僕が矯正歯科について、少しでもみなさまのお役に立てたらと思いますのでぜひ最後までお付き合いください。

栗田:さっそく本日のテーマに入っていきたいと思います。本日のテーマは、「矯正の基礎知識、矯正はやったほうがいいの?」です。
歯科矯正とは歯並びを正しい状態に戻すことを指します。もちろん噛み合わせもよくなりますし、顔立ち含めて見た目にも変化をもたらします。ブラケットというボタンを歯にくっつけ てワイヤーの力で歯を動かしていく方法や、取り外し式の透明なマウスピースで歯を動かす方法もあります。

矯正は若くないとできないと思っている方もいらっしゃいますが、特に年齢制限はありません。周りでやっている人もいないし、この年齢でやるのはちょっと恥ずかしいなんて思う必要はありません。何歳からでもできます。

気になるのは矯正の費用、期間についてだと思います。矯正治療というのは基本的に保険が効かない治療になります。だいたい総額で80万円から120万円くらい、平均100万くらいかかってくるので、結構高いんじゃないかと思います。ただ、一気に100万円って思うとびっ くりしちゃうこともあると思いますが、矯正にかかる期間から総額で考えますと、実はそこまで高くないかなとも思います。

期間に関しては、大体2年から3年程度かかります。ただ、選択する治療プランや患者さん自身の歯の可動性によって結構変わってきます。歯が動くスピードは決まっていて、1ヶ月に1ミリあるかどうか、ほぼ1円玉の厚みです。1日0.03ミリ、1ヶ月1ミリぐらいしか動いてくれません。そのため、僕らも早く治してあげたい気持ちはありますが、残念ながらどうしようもない部分になります。

栗田:続けて「なんで抜歯するの」「健康な歯を抜いちゃっていいの」について、お話します。そもそも顎のスペース不足が歯並びを悪くする主な原因です。歯並びをよくするためにはスペースを作ってあげる必要があります。作る方法は抜歯、顎を広げる、問題ない範囲で歯を削る、遠心移動、歯を前に出すの5種類しかありません。抜歯というのはあくまでスペースを作るための一つの方法でしかありません。

そこで気になるのは、「健康な歯を抜歯して大丈夫か」だと思います。ここに関して、「歯は抜いちゃダメだ」「歯は残さなきゃいけない」と思ってる方が多いのではないでしょうか。一般的に歯は全部で28本あり、抜くと24本。28本の歯並びと24本の歯並びを比較した時にどれだけ噛む力に差があるのか、最終的にどれだけ歯が残せるのか、実は差はないとされています。そのため抜歯を選択肢の一つに入れても問題ないんじゃないかと思っています。

では逆に、歯を抜かずに矯正をするとどうなるのでしょうか。歯を抜かずにスペースを作ろうとすると、「顎を広げる」「歯を削る」「歯を後ろに下げる」の3つを駆使する必要があります。もちろんスペースは作れますが、残念ながらそこまで広いスペースは作れません。そのためデコボコが強い人などケースによっては、抜かないでやろうとすると十分なスペースが確保できず、矯正前よりも歯が前に出てしまい、口元が前に出てしまいます。その場合、抜かない矯正より、歯を抜くことをお勧めします。口元が前に出てしまうと、見た目が悪くなってしまう可能性がありますし、無意識的に口が開いてしまい、口呼吸にもなってしまいます。口呼吸は歯にも良くないですし、風邪をひきやすくなるといった悪影響もあります。そのため「症例によって、抜かなくても言い方は抜かなくて大丈夫、抜くべき人は抜きましょう」ということをお伝えしたいです。

ということで、残りの5回もいろんな方とお話しながら矯正についての情報を発信をしていきますのでぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
本日の放送はここまでとなります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。栗田容輔でした。