駒形堂 - 浅草寺 (original) (raw)

駒形堂は隅田川にかかる駒形橋の傍らに建つ。推古天皇36年(628)に浅草寺ご本尊の聖観世音菩薩が宮戸川(隅田川)にご示現されたおり、この地に上陸されて草堂に祀られたという。すなわち、浅草寺発祥の霊地に建つお堂である。駒形堂の名の由来については諸説あるが、浅草寺の一山寺院住職の故網野宥俊僧正は、「駒形堂の地が観世音菩薩上陸の地であることから、隅田川に棲む魚類に対する愛護の必要を感じ、生物の守護仏である馬頭観音を祀り、人びとが心願成就の御礼として馬形の作り物を奉納したことが名の由来ではないか」と推考している。
駒形堂は、天慶5年(942)に平公雅によって建立されたと伝えられる。江戸時代は駒形堂のすぐ前に船着き場があり、ここから上陸した人びとはまず駒形堂のご本尊を拝んでから浅草寺に参拝した。堂宇の正面ははじめ川側に向いていたが、時代とともに現在のように川を背にするようになった。現在の堂宇は平成15年(2003)に再建されたもの。縁日は毎月19日で、ご本尊が開扉されて法要が営まれる。特に4月19日には年一度の大祭が行なわれる。

場所 ご本尊観世音菩薩が示現されたといわれる隅田川の駒形橋脇。 元禄年間(1688~1704)までは、川に面して東向きであったが、現在は川を背にして、西向きに建つ。江戸のむかし、舟着場があり、渡しや船宿もあって、大変賑わった。
建立 天慶5年(942)平公雅が堂塔伽藍を建立の際、駒形堂も建立され、以来再三の炎上に遭いながらもよみがえり、今日に至っている。現在の堂宇は平成15年(2003)11月に建立されたもの。
本尊 馬頭観世音菩薩・木彫立像 28.8cm
ご縁日 毎月19日、4月19日午前10時 大祭法楽
戒殺碑 写真:戒殺碑境内に付近の魚類の殺生を禁じた「戒殺碑(かいさつひ)」がある。元禄6年(1693)3月建立、隅田川の南は諏訪町より、北は聖天町までの漁を禁じた。都指定文化財。