【レビュー】「お祭りゲーム」から独り立ちした最高の続編!『デジボク地球防衛軍2』【PS5/PS4/Switch】 (original) (raw)
四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS
『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー:ディースリー・パブリッシャー
機種:PS5/PS4/Switch
ジャンル:3Dアクションシューティング
発売日: 2024 /5/23
価格(税込):5980~6980円
2020年に発売された『デジボク地球防衛軍』の続編。
D3パブリッシャーと日本が世界に誇る『地球防衛軍』シリーズのスピンアウト作品だ。
本編とは異なり、グラフィックはボクセルで表現された可愛いカクカクしたキャラになってる。歴代シリーズのキャラが総登場するお祭りノリで、本作ならではのコミカルなキャラが大量に参戦しているのも特徴だ。
開発は前作に引き続きユークスが担当しているぞ。
本家サンドロットが作らない地球防衛軍シリーズってなんか微妙なとこあるよね……。
という空気を一変させた前作からに更にパワーアップ。最新作である『地球防衛軍6』と、スピンオフである『地球防衛軍4.1 WINGDIVER THE SHOOTER』からキャラが新たに参戦し「そんなに『地球防衛軍』が好きだったのか、ユークス。」と言いたくなる歴代ネタも満載だ。
前作の面白くて派手な部分を伸ばしつつ、『地球防衛軍』らしい手触りもあるし、今回で本作独自の世界観・ストーリーを見事に確立したのも素晴らしい点。シリーズはもちろん、前作をやっていなくても楽しく遊べる理想的な続編だぜ!
- ストーリー説明!またもや地球がバラバラに……。
- 基本は前作同様!4人チームで大暴れ!
- 100種類以上いる仲間は今回も変なヤツばかり!
- 基本システムは前作同様。大量の敵にチームで挑め!
- テコ入れで変わるブラザーたち、突っ込むしかないパロネタたち
- 仲間集めとテンポの良さで時間が溶ける!
- 前作から更に向上した快適性。本家にも導入してくれ!
- 今回も歴代ネタ&メタネタ満載。そして意外と燃えるストーリー。
- もっと笑顔を!欠点に感じた要素イロイロ
- 結論:「お祭りゲーム」から独り立ちした最高の続編!
ストーリー説明!またもや地球がバラバラに……。
舞台は人も大地も全部カクカクしている四角い地球。
歴代シリーズの敵軍団をまとめて率いる「ダーク・レジオン」によって地球がバラバラにされてしまうが、なんとか撃退して元に戻したのが前作のお話。
平和になったのもつかの間。今度は地球の内部から出現した新たなる刺客「ガイアーク」によって地球がバラバラに!
またしても地球の見えちゃいけないところ(中心核)が丸見えになってる!
『メガトン級ムサシ』並みにヤバい自体だが、ノリがギャグなので地球人は元気に反撃開始!逆に言うとシリアス作品なのにこれと比較されてる『メガトン級ムサシ』はなんなんだ。あちらは人類が99.9%死滅して地球の中心核を敵にくりぬかれたって設定です。
とにかく味方も敵も歴代シリーズオールスター!『地球防衛軍』の歴史に存在しないふざけた連中も大挙して押し寄せて大騒ぎ!ここから新たな戦いが始まる!
基本は前作同様!4人チームで大暴れ!
『地球防衛軍』シリーズは1人のキャラと2つの武器(キャラによって3つ)を選んで出撃するのが基本のゲームだったが、『デジボク地球防衛軍』は1人プレイでも4人チームで出撃!
武器は1人1つだが、固有のアビリティと超必殺技的な「スペシャル」をそれぞれ持っているからド派手に戦える。
今回の『デジボク地球防衛軍2』はこのチームプレイはそのままに、固有アビリティが1人1つから2つになり、装備アイテムのアクセサリーも種類が増えて1人2つまで装備可能。戦略が格段に幅広くなっているぞ。
100種類以上いる仲間は今回も変なヤツばかり!
参戦キャラは前作から更に増えて100人以上!
『地球防衛軍1~6』の兵科はもちろんのこと、本作オリジナルの「ブラザー」なるキャラが大量に参戦。世界中の文化を背負ったザ・ドラえもんズ的な連中が今回もわんさかだ。
マーライオンの恰好をしたシンガポールのマーライオンブラザーに、フランクフルト剣道で戦うドイツのフランクフルトシスター、巨大ワッフルで敵を倒すベルギーのワッフフルシスターなどなど。イロモノ感満点の連中ばかり!セリフもふざけ倒しててアクが強い。
ずんだもんみたいなヤツもいるぞ。
このゲーム、武器やスキルの説明文がそのキャラの口調で描かれているがコイツは……。
何も分からねぇ!
ずんだもんはメインストーリーにも絡むし可愛いヤツである。
基本システムは前作同様。大量の敵にチームで挑め!
これまでのシリーズ通り、短いミッションをどんどんクリアしてストーリーを進めるステージクリア式の構成だ。4人のキャラを方向キーでシームレスに切り替えながら、何十、何百と押し寄せる敵の群れを撃退する!
攻撃力の高いキャラで砲撃を行い、敵が近づいてきたら飛行できるキャラに即座に切り替えて逃げる、武器をバンバン撃って弾切れになったら別のキャラに切り替えてまた撃ちまくるなど。移動と攻撃をノンストップで行える上に、各キャラの固有アビリティやスペシャルが絡むのでとにかくゲーム展開が派手!
固有アビリティが2つになったので、装備と組み合わせたぶっ壊れた動きが更にしやすくなったのが爽快。バカみたいな火力で敵を圧倒したり、飛行系のキャラに重力軽減のアクセサリーを付けて飛び放題にしたり。
テコ入れで変わるブラザーたち、突っ込むしかないパロネタたち
前作では使いづらかった接近技メインのキャラが使いやすくなっているのも良いね。増えた固有アビリティに移動系が割り振られて、ヒット&アウェイがしやすくなったし、遠距離攻撃が貰えたキャラもいる。
例えば前作ではパンチだけのボクサーブラザーは空爆が可能になってたり……いや、それがアリならなんでもアリ過ぎるだろ!魔改造が過ぎる!
サラブレッドシスターがウマ娘過ぎてヤバいとか言われてるけどヨガブラザーの方がヤバいと思います #デジボク地球防衛軍2 pic.twitter.com/5r9K7XUP0c
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) May 23, 2024
前作は武器が火炎放射でヨガワープする程度だったインド代表ヨガブラザーが、「ヨガ!」って叫びながら手を伸ばしてパンチするようになったのも危ない。それはインドネタじゃなくてただの特定個人だよ!
パロネタのセンスが全体的におかしいゲームで、サムライブラザーが何故かZZのジュドーでスペシャル技がカミーユだったりする。
もしかして「武者ガンダム」……ってコト!?
一番驚いたのは「2024年にここまでストレートな綾波レイのパロキャラ出してメインに置く!?しかも新劇じゃなくて旧エヴァ!」ってなったビーシスターだが……。一周回って感動するくらい綾波レイなのでみんなも感動しろ。
仲間集めとテンポの良さで時間が溶ける!
こういう個性豊かな仲間たちが、ミッションをクリアする毎にバンバン加入する。進めば進むほど変人がやってくる!とっかえひっかえしてチーム相性や戦い方を試してるだけで時間が溶けるぜ。
使いづらいキャラにも強い武器を持たせればなんとかなるので、好きなキャラで戦いやすいのも長所。裏返すと「強いキャラに強い武器を持たせれば良い」でもあるんだが、それはそれ!好きなキャラを使うキャラゲーとしても楽しめるのだ。
テンポの良さも評価点。
ミッション数が前作の60から100以上へと大増量しているが、水増しを感じるような箇所は無く1ミッションも適度に短くまとまっている。スルスル遊んで気づけば「もう終盤!?」となる勢いだ。
本家『地球防衛軍』シリーズは面白いけど、ナンバリングを重ねるごとにミッションの多さと長さがしんどくもなっていた。デジボクは大丈夫かな?と懸念していたが心配ご無用でした!
本家は敵を倒した時に落ちる武器箱やアーマー箱を1個1個拾わないといけなかったが、デジボクは今回もマップ内に3~4人倒れてる仲間を回収するだけ。武器やアクセサリーは仲間にくっついてくるしミッションクリアで体力が成長する仕様だ。ここもテンポに与える影響が大きい。
難易度は前作より上昇しているが、それでも本家に比べると低難易度。爽快感に振った手軽に遊べるスピンオフとしてはこれはこれで良し!最高難易度だと難所もちゃんと多いから手応えもありだ。
前作以上に大量に登場するようになった敵を、前作以上の火力で粉砕する!インフレとインフレの殴り合いだ!
新たな敵として登場する「巨大陸戦兵」も「火力はそこそこ高いけど、どこを撃ってもダメージ通るし、ピョコピョコ動いたりもしない」という調整で、戦ってて気持ち良い相手だった。攻撃の合間のモーションや、撃破した時の処理も凝ってて印象的。既存キャラをデカくして新しい敵扱いという、レトロゲームみたいなノリだがちゃんと考えられてた!
オールスターゲームならではの夢の対決ミッションも多いから燃えるし、今回はシリーズのボスとして象徴的なマザーシップと、直接対決が出来るのも嬉しい点。前作は登場はするんだけど直接は戦えなかったんだよなぁ。ザコ処理をしながら砲台を破壊する感覚は本編さながら!
でもこうなるとあのボスとかあのボスとかも欲しくなってくる……!デジボク仕様のバ火力でアースイーターと戦いてぇ~!
前作から更に向上した快適性。本家にも導入してくれ!
快適性も向上。
一度クリアしたミッションは出撃前に出現する敵と仲間になるブラザーが確認できるし、敵を倒した後の会話デモもボタン長押しでスキップ可能だ。
この辺りに関してはナンバリング本編より考えられてるね。今すぐこの辺のシステムを本編にも導入したまえッ!!!!!!!!
前作はミッションをクリアした時に下位の難易度がクリア扱いにならない、つまり、難易度ノーマルでクリアしてもイージーにクリアマークがつかなかったが、今回はハードまでなら付くようになったのも改善点だ。
今回も歴代ネタ&メタネタ満載。そして意外と燃えるストーリー。
ストーリーも良く出来ていてビックリ。
『地球防衛軍』あるあるとメタネタを織り交ぜたボケ倒しの展開中心に進みつつ、新兵であるミナトススムくんと、謎のシスターであるネオンちゃんの物語として、そして人類の物語として筋が通ってる。
やや唐突に感じる要素もあったが、登場するオリジナルキャラたちの魅力と終盤の盛り上がりは「シリーズ要素がメインのお祭りゲーム」ではなく「デジボクの世界観で展開する物語」として独り立ち出来たと言えるレベルだ。予想外に良くてグッと来ちゃったよ。ネオンちゃん、かなりの王道ヒロインだろーが!
カイザーブラザーこと将軍やずんだもんなど、他の仲間もいい味出してるぜ!
将軍、『地球防衛軍6』の敵相手に余裕たっぷりに対応するところや、しっかり仲間を思いやるところがめちゃくちゃ好き。出オチみたいなキャラもしっかり立ててあるのが上手い。
前作キャラも登場するがシナリオは今作からのオリジナルキャラがメインなので、前作を遊んでなくても、シリーズ作を遊んでなくても問題なし!歴代ネタも「あれは6に登場した〇〇!」とか身も蓋も無い説明をしてくれるから、知らなくても割と入りやすいかも。
それはそれとしてシリーズファンなら爆笑する絶妙なメタネタも満載で、「EDFへ……とうこそ!」ってセリフも……いやこれ、2chの地球防衛軍スレの定型ネタじゃねーか!?
「ようこそ」をタイプミスして定着したネタで、初代『THE地球防衛軍』の頃に生まれたので歴史は古い。今もEDF関連のコミュニティに残ってるんだけどまさかの公式化である。
前作に無かった『地球防衛軍6』ネタはやや控えめに感じたが、要素の使い方は良いバランスだったし、四角いリングがドーン!と出てきて突っ込まれるくだりで耐えられなかった。
もっと笑顔を!欠点に感じた要素イロイロ
続編として文句無し!と言いたいが、いくつか欠点を挙げると限定特典の「双葉理保19歳」のセリフが後ろ向きなものばかりで、使っていて心苦しい事!経験豊富でD3のマスコットである双葉理保にはもっと前向きなことを言わせて欲しかった。セリフでずっと苦しんでいるのが辛い。
D3P公式通販でパッケージを買わないとこの双葉理保が使えないので、本当はダウンロード版にしたいところを我慢したので許せねぇ……!双葉理保を笑顔にしろ!今回一番の不満点だ!
でもスノーボードの説明で「昔みたいに水着にはなりませんよ。」と、『双葉理保19歳~冬~』だけでなく『SIMPLE2000 THEスノーボード』のネタも拾ってるから許したくなっちゃう……!
『SIMPLE2000 THEスノーボード』は双葉理保が水着で参戦した雪山舞台のレースゲーム。双葉理保が喋らないゲームだったので担当声優である後藤邑子さんも当然呼ばれておらず、後藤さんは発売後にゲームショップでたまたま見つけて存在を知ったエピソードが有名である。
それ以外だと、ミッション開始前に拾える仲間を確認できるとはいえ、やはり仲間が多すぎてコンプや強化が大変な点。同じ仲間に色違いの「α」「β」「γ」がいて、前作と違い装備アクセサリーが違う点で差別化はしているものの、やっぱりちょっと水増しに感じてしまうぜ。
「前作からリストラ無し」と言っていたが、前作のDLCや特典キャラに関しては何人かいないっぽい?メカユーキ隊員など一部の前作DLCキャラはクリア後に出現するようになるが、『双葉理保』『お姉チャンバラ』『ドリームクラブ』などは確認できず。うーん、今後のDLC用に取ってあるのかも?前作の双葉理保と合わせて4人チームを組みたかったんだが……。
その他、仲間がいる場所をマップにもっと分かりやすく表示して欲しいとか、リロード中になるとすぐチェンジを促す通信が入って煩わしいとかがあったが、PS4/PS5版はバグ修正と一緒に早々にアップデートで修正されたので助かった。EDFは仲間を見捨てない!本当だな!
結論:「お祭りゲーム」から独り立ちした最高の続編!
敵を撃って倒す!という本家の分かりやすいゲーム性はそのままに、よりド派手にコミカルに手軽に進化させた良スピンアウト作品。
続編として最高の出来で『デジボク』シリーズとしてもっと先が見たいと思わせてくれたし、『地球防衛軍』シリーズの入門編としてもピッタリだ。本作から遊んでも、他のシリーズから遊んでも楽しめると思う。本家とはテイストの違うポップだが熱いノリのBGMやテーマソングの「絶対☆防衛宣言!」も絶品だ。
じっくりと時間と予算を掛けて作られているのが伝わってくるし『地球防衛軍』をやるならこのくらいやるべきという気合を感じたね。
聞いているのかね『カスタムメックウォーズ』くん!!!!!!!!
シリーズファンもシリーズ未経験者も!前作プレイした人もそうでない人も!ロールプレイングゲームやったことない人も!四角い地球を救ぅえやぁー!な1本だったぜ!