GRIN (original) (raw)

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GRIN Type-R

一度触ってみたかったGRINをお借りできる機会がありましたので、しばらく使わせてもらいました。おそらく今後入手できる機会は非常に少ないと思いますので、記念として画像をアップしておきます。

Keyboard : GRIN-Type-R (Prototype)

Switch : Gateron G Pro

Keycap : KAM Wraith

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アリス配列より緩やかなカーブのGRIN配列は、初めて触れてもとても打ちやすく感じます。一般的な65%キーボードから移行してもほぼ違和感なく利用できるでしょう。矢印キーと機能キーが少しだけ離れているのも、間違って打鍵することを防ぐ意味で良いと思います。

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キータッチは軽めのG Proを使っていることもあり実に軽やか。ケースが3Dプリントの樹脂製ということもあり、金属製のような深みのある音ではありませんが、フォームカスタマイズがされていることもあって静音と高音の抑制の効いた、軽やかで気持ちのよい打鍵音です。

金属製のプレートを使っているため指への衝撃を懸念しましたが、マウント形状とフォームの効果もあいまって、長時間の使用でも痛みは感じませんでした。

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メーカー製品の利点の一つとして、入手のしやすさと長期間にわたる供給能力が挙げられます。

これに対してデメリットといえるかは見方次第ですが、大量生産を前提に、製造のしやすさや想定される原価に合わせるため、初期のデザインが量産向けに変更されることがあります。また、一定の販売量を見込む必要があるため、革新的なデザインを採用することが難しいという現実もあります。

一方で、手工芸品のような個人制作の作品は、生産数が少なく、販売価格が高くなることが多いものの、少量生産だからこそ、制作者が理想とするデザインを追求しやすいという利点があります。

ただし、入手のしやすさや供給の安定性においては、メーカー製品と比べると圧倒的に劣ります。

さらに、個人制作の最大のデメリットでありリスクは、制作者が制作をやめてしまったり、何らかの理由で制作を続けられなくなった場合、それ以降は新しい作品が生まれなくなるという点です。

日本の自作キーボード界でこの例を当てはめるならば、GRINが最も良い例だと思います。

個人制作のキーボードにおける暗黙のルールの一つとして、ハードウェアやソフトウェアのデータを公開し、誰もが無償で利用できるようにするというものがあります。

これは、制作者以外の多くの人々がそのデータを参考にし、より良いものを作り出すことで、コミュニティ全体が拡大していくことを期待して始まった取り組みだと思います。

さらにもう一つ重要な点として、製作者が製品を提供できない、あるいは提供を続けられなくなった場合でも、それを欲しいと思った人が自ら製造することで、製品を手に入れることができるという利点があります。

この自作キーボード文化の素晴らしさは、私が最も気に入っている部分です。この文化を継続させ、さらに広げるために、私は必要な周辺部品の販売を継続していこうと決意した大きな動機の一つでもあります。

残念ながら、GRINはそのようにはなりませんでした。

この作品の灯火は、現時点では途中で途絶えてしまう可能性が高いです。

しかし、これもまた作者自身の選択です。唯一無二の自分の作品が、インスピレーションや改良という名のもとに後から改変されていくことに耐えられなかったのかもしれません。

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