ジョンソン元首相を聴取 パーティー問題で「議会を欺いた疑い」 本人は「意図的」でないと主張 (original) (raw)

下院特権委員会への出廷の翌日、自宅を出るボリス・ジョンソン元首相(AP)

下院特権委員会への出廷の翌日、自宅を出るボリス・ジョンソン元首相(AP)

【ロンドン=加藤美喜】新型コロナウイルスの感染拡大時に英首相官邸で規制違反のパーティーが開かれた問題で、英下院特権委員会は22日に公聴会を開き、当時政権にあったジョンソン元首相を「議会を欺いた疑い」で聴取した。ジョンソン氏は過去複数回にわたり議会で「ルール違反はなかった」と答弁しており、議会を意図的に欺いたかどうかが焦点。議員生命にかかわる厳しい懲戒処分が出る可能性もある。

「胸に手をあてて、議会にうそをついたことはないと言える」。ジョンソン氏は公聴会冒頭、自らの潔白を訴え、「当時私は誠実に答弁を行った」と強調した。パーティー問題を巡っては、政府の内部調査報告書がジョンソン氏の指導責任を指摘。10件超の集まりが警察の捜査対象となり、ジョンソン氏も現職首相として初めて罰金を支払った。

ジョンソン氏は「ルールは守られていたという私の答弁は、後に正しくなかったことが判明した」と謝罪した一方、「当時はルール違反だと誰も私に助言しなかった」として「意図的」ではないと訴えた。ジョンソン氏はパーティー問題で昨年9月に首相を辞した。

特権委は昨年4月にジョンソン氏の調査を開始。今月上旬に、同氏が当時ルール違反を認識していた可能性を指摘していた。

英メディアによれば、特権委は5月ごろまでに結論を出し、最終的に下院が処分を決定する。10日以上の停職処分となれば、選挙区でリコール(解職請求)署名が始まり、有権者の10%以上になれば補選となる。